奥利根・丹後コボラ沢下降遡行 利根の源流部をチョイス

   山行実施日;2010.09.29-10.01
参加メンバー;Sh.S、他

日程;9/29:西大宮-十字峡
9/30:BP・・・ゲート6:00・・・登山口6:30・・・丹波山避難小屋10:21/11:15・・・右俣出合11:27・・・
二股出合13:03・・・ゴルジュ上高巻15:18・・・沢床戻る16:40・・・本流出合上の滝17:17・・・岩脇BP17:30
10/01:BP6:45・・・沢床6:53・・・30m滝下高巻8:20・・・河原に降りる10:15・・・8m滝下高巻10:54
・・・沢床13:15・・・二俣14:29・・・避難小屋16:00/16:30・・・登山口19:00・・・駐車場19:47-帰埼1:30

9月29日(水)
Nちゃんの提案で貴重な平日休暇をとり、沢に入ることになった。しかし、週末は娘が演劇の発表で小道具を届けなくてはならず、どうしても帰らなくてはならない。 さて、どこに行こうか。まだ、9月ぎりぎりなので、ちょっと手応えのあるところがいいな、と思い浮かべながら地図を開き目に付いたのは奥利根である。以前、利根本流の山行で、天候のため最後の源流をさけて、深沢から丹後山を詰めたことを思い出し、深沢下降・利根源流遡行というプランを立てた。Nちゃんに利根源流の山域を見せたい気持ちもあった。気になるのは天気だが、今年は秋が遅く、最近秋雨前線が関東にかかっていて周期的な雨が続いている。30日は辛うじて日本海側に弱雨がありそうだがなんとかもってもらえるのではないかと期待を込めた。出発の車に乗ると、関東は雨がパラつき出す。「十字峡で雨だったら宴会だね。」と弱気になる。トンネルを越えると雨の跡はなく、天気も悪くはなかった。

9月30日(木)
天気は曇りで悪くない。とりあえず、丹後山を登る。利根の源流部だけをチョイスするというのは、狡い感じもするが、丹後山を越えてアプローチを考えるとなかなかのものである。とにかく、丹後山に何時につくかが問題である。駐車場には釣師らしき車が1台止まっていた。春に比べれば、ぐっと少なくなった銅倉沢の水音を脇に聞きながら林道を急ぎ、30分で登山口に着いた。3合目からぼちぼち周りの景色が見え、わずかながら紅葉が始まっていた。稜線には雨雲が海の波のように、ときおり被さって来ていたが、ネコブや越後沢山、下津郷山、中ノ岳と我々を迎えてくれている。10時半に丹後山の避難小屋に着くと雨雲が稜線を覆い、一瞬やられたと思われた。しかし、すぐに 雲は去って利根の源流が眼下に広がった。
時間が予定より早かったので、気持ち的には余裕があったが、私の思い違いで、避難小屋の下を下ってしまい、丹後コボラ沢に入ってしまった。しばらくして気がつき、戻ろうかとも考えたが、時間もありそうなので、丹後コボラを下降して源流を行くことにした。8mほどの岩壁をクライムダウンしてガレを下ると、11時半に水が流れる二俣である。5m滝の下で小野池からくる枝沢と出合う。7m滝はつるつるの階段なので懸垂をし、小滝が続き2段8m滝の下の8m滝は左岸を懸垂した。途中に快適な4m滝を入れた河原が続き、3mCS滝となる。この先はゴルジュで10、15、30mの滝が続くので高巻いて下る。出だしが悪かったが、高巻きはほぼねらいどおりとなる。途中、30m滝を過ぎたところで河原が見え、尾根の向こうに深沢出合も見えた。出合は近いので、なんとかなるだろうと思えた。16:40沢床に降り、本流出合に急いだ。釜を持つ小滝は泳ぎも強いられ、なかなか本流が見えてこない。ようやく、10m、5m滝上から本流との出合が見えた。出合は釜を一緒にしており、巻いて滝上に出るしかなかった。すでに時間は17時を過ぎ、日没ぎりぎりの時間である。ところが、巻こうとすると岩に阻まれ、高巻くには戻って上流部から巻くしかない。しかし、もう時間切れとなり、岩下のバンドでビバークすることにした。Nちゃんがツフェルトを張っている間に、私が沢に戻って水を汲んできた。途中、ぱらりと降った雨もすでに止んでいて回復しくる感じだ。ツフェルトの中でガスに火をつけるととても暖かい。お湯をつくり焼酎のお湯割りで体を温める。狭い中で煮炊きをし、飯を炊いているとうとうとしてしまい、できあがりそうになったときに、ビリー缶を転がしてしまった。だが、どうにか坂で止まり、飯も残っていたので食べることができた。 外を覗くと、雲の合間に星が顔を覗かせている。Nちゃんの雨男の銘は返上である。バンドに横になるには一人がやっとの広さなので、足を外に落とすようにして寝た。夜中、体はだんだん落ちてくるので、ザイルの袋を腰の下に入れて落ちないようにする。月明かりでツフェルトが明るく照らされていた。

           30m滝

10月1日(金)
天気は良さそうだ。さて、今日の行動をどうするか。1つ目は、高巻きのルートを探して本流に出て源流を登る。しかし、時間的に1日で抜けられる保証はない。2つ目は、本流から深沢を遡行する。高巻きさえできれば、大利根滝を見て帰ることができる。3つ目は、丹後コボラ沢を遡行する。Nちゃんと相談した結果、本流を見るのは、やはり矢木沢ダムからにしようということになり、丹後コボラを登り返すことにした。寒さ対策でカッパのズボンも履いて、泳ぎ混じりに小滝を進む。時折、Nちゃんのメガネが落ちそうになりひやひやする。Nちゃんの右目は、寝ていて虫に刺され、まぶたが腫れ上がって見えずらそうだ。30m滝の高巻きはほぼ下ってきたルートをたどり、懸垂で沢床に戻る。8m滝は直登が難しく、脇を登れるかと思ったが、わずかな溝から高巻くことにした。しかし、これが出だしからかなりムズイ。ザイルを出したが、どんどん追い上げられ、30mザイル1本では足らなくなりそうで、Nちゃんのザイルを繋いだりして手間取る。結局、途中の草つきでトラバースして懸垂をした。二俣で広がる利根の谷を見てほっとする。稜線に出ると、昨日よりも紅葉が進んだようだ。草紅葉になりかけた草原を小屋に向かうと、利根源流の向こうに平ヶ岳がゆったりと構えていて、「またおいでよ。」と語りかけているようだ。避難小屋に着いたのは16時になってしまった。それでも、稜線までくれば帰ることはできる。小屋には2組のパーティーが酒を交わしてした。我々は靴を履き替え、荷を詰め直し出発。水に浸かったザックは肩に食い込む。登山道で拾った棒を杖に、足を滑らさないように下る。暗くなる前になるべく降りたいと急ぎながら、連なる山々に励まされ、20時には駐車場に戻ることができた。六日町に出て、中央温泉で汗を流し、インターチェンジ近くでラーメンを食べて帰埼した。
今回、予定のルートとは違ったが、丹後コボラ沢を楽しめたことはとてもよかった。久しぶりのほどよい緊張感もあり、今後の山行が広がりそうだ。来年は銅倉沢に行ってみたいものだ。(Sh.S記)

        丹後山避難小屋付近にて