黒川鶏冠山 遠い山を覗きこむようにして 栄ちゃんを捜す

山行実施日;2010,11.21

黒川鶏冠山に誘われた。リーダーはLantanaさん。この山は十年前、栄ちゃんリーダーで登っている。その時は冬。登山道が雪道でアイスバーンになっていたりで、まだアイゼンを持っていなかった私は四足の動物のように、ハイハイで登ったことを覚えている。そして、「鶏冠山」は岩場だから危ないので、この日はやめている。それで、前回登れなかった「鶏冠山」に登りたくて出かけることにした。柳沢峠に車を止め、登山開始。

もう紅葉の盛りはすぎ、落ち葉をカサコソ音をさせながら、登りも下りもない、こんな楽ちん登山で良いのだろうかと、思いながら進む。すると、北斜面の登山道に雪がついている。いつ降ったのだろうか。所々凍っている場所もある。まだ11月なのに、もう雪かと、驚く。また、登山道を大石が折り重なるように道をふさいで、おまけに雪がしっかりのっかってその大石の下は穴がすっぽり空いているので、穴に落ちないように、どうやってこの大石を乗り越えるか、ウロウロ立ち往生。行きも帰りもこの大石に悩まされた。明るい尾根にでると暖かい南風がふいてとても気持ちよかった。

黒川山の展望台は小高い狭い岩場だったが、見晴らしがよかった。この景色は覚えていました。「あれが金峰だ、五丈岩がポツンと小さく見えているだろう」「この目の前の大きな山は大菩薩だ」と、栄ちゃんが教えてくださったあの時の山々がずらりと並んでいた。なにもかも変わっていない。それなのに、栄ちゃんはもう、いない・・・・。どこへ行ってしまったのかと、遠い山々を覗き込むように栄ちゃんを捜す自分が悲しかった。

さて、鶏冠山に向かって進む。鶏冠山は岩場を乗り越え進まなくてはいけないが、回りは切り立った断崖絶壁。途中まで、よじ登ってみたが、下山が急に心配になり、足が止まってしまった。自分は途中の岩場で待つことにした。

山頂まで行った人達が戻ってきたので、岩場を恐る恐る下りて行った。下山がとにかく心配だったが、意外に簡単に下りられてちょっと、拍子抜け。なーんだ、こんなに簡単に下りられるなら、勇気を出して行けばよかった、だらしない自分が本当に情けない。この次は必ず、腕をみがいて(いや、足をみがいて)やるぞ。「福ちゃんは相変わらずだね」と栄ちゃんは笑っているかしら。いや、「また、おいで」と、大きな空から、暖かい千の風になって、見守ってくださっているような気がした。Ma.Sさん、To.Sさんと、山での楽しかった栄ちゃんの思い出話をたくさんした。高山植物がいっぱいのミクボ高原も栄ちゃんとの思い出の場所だねと三人で、鉄塔の建っている遥かかなたのミクボ高原を見上げて言った。栄ちゃん、たくさんの山をありがとう。(hama記)

参加メンバー;Lantana、Tu.S、Ma.S、To.S、hama

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