八丈富士(854m)カヤトとツゲの中、お鉢めぐり

山行実施日;2010.11.22
参加メンバー;Yo.S、Ka.S

 登る山の目先を変えて離島の山に登ってみようかと考え、まず第一番目に伊豆七島の中の御蔵島(みくらじま)を候補に決めた。一番観光地化されていないからだ。行く時期は夏休みは混むであろうと考えて去年の秋に行こうとした。こんな季節外れに離島に行く人はなかろうと高を括っていたらとんでもない。三か月前には民宿は満席になってしまっているとのことでこの計画は潰れてしまった。

 ところが思いもかけなかったことだが、急に八丈島に行かなければならない用事ができた。下の娘の婿さんのお父さん(つまり娘の義理の父親)が八丈島に住んでいるのだが急に入院することになってしまった。しかも容態はよくないようだ。そこで急遽、妻と二人で見舞いに行くことになった。ついでにと言ったら病人に失礼かもしれないが、高い航空運賃を使って行くのだから八丈富士に登ってくるくらいは許されるだろうと計画を立てた。

 しかし出発予定日(11月22日)が迫るにつれて現地の天気予報は悪くなってきたので、登山は諦め、履物もトレッキングシューズからスニーカーに換えて出発した。

 飛行機だと羽田から八丈島までは1時間もかからない。8時半には島に到着した。窓から見る海は太陽を反射してキラキラ輝いていた。空港に着いても空は晴れている。さきに現地にいた娘夫婦に聞くと、病院の面会時間は午後1時半からだとのこと。それなら八丈富士に登ってこようかというと、娘たちも、そうするといいと賛成してくれ、登山口まで車で送ってくれた。

 八丈島は西北から東南に延びる島で、東南方向にある山は東山(通称三原山)で、西北方向にあるのが西山(通称八丈富士)と呼ばれ、八丈富士の標高は854.3㍍である。もし平地から歩くとすると相当に歩き出があるが、登山口は山の中腹を鉢巻のように回っている車道の530㍍地点から歩きだす。

 島に着いた時の第一印象は「沖縄に似ている」であったが、登山道を歩いていても同じである。小1時間ほどで火口を一周するお鉢めぐりのルートに到着する。よく晴れていて気持ちがいい。周りは全部海で、島の山に登ってきたことを改めて気付かせてくれる。ガイドブックによると北の方向に御蔵島、三宅島が見えるということだが、今日は大気の条件のせいか何も見えない。お鉢めぐりをすることにして時計回りに頂上を目指す。カヤトの中にツゲの木が生い茂っていて歩きにくい。頂上の三角点854.3㍍にタッチ。頂上は南の方角にあるので、ここからは島の中心部が全部見渡せる。記念写真を撮ってもらおうとしたが頂上には今はほかの人はいない。遠くの方から頂上を目指している人が見えるが、その人たちを待っている時間はないので、お鉢めぐりを続ける。

今度は火口の西側を歩くことになる。八丈小島が見えてくる。文字通り小さな島であり、とても人が住める状況ではないと思っていたが、後で聞くと数年前までは人が住んでいたとのこと。

平日だというのに、この辺から他の登山者とすれ違うようになる。右手は火口であり大きく陥没していてそこに照葉樹がびっしり生い茂っている。火口の中に下りていく道もあるが今日はその時間がない。お鉢めぐりを一周して登ってきた地点に戻った。そして登山口まで降りた。そこには他の登山者を運んできてその人の帰りを待っているタクシーが一台あった。その運転手に無線でタクシーを呼びだしてもらい、病院に駆け付けた。天気予報ははずれて快晴で、風もほとんどなく、登山者も少なく、思いがけない快適な登山であった。  (Yo.S記)