二口山塊;穴堂沢遡行・大行沢下降 春を味わい三昧

山行実施日;2012.0602-04
参加メンバー;Sh.S、T、S

6月2日(土)
関東は土曜の雨予報だったが、週末に近づくに従ってなくなってきた。そして、梅雨が近づいているが、東北はまだ梅雨が遠いようだ。日曜の予報では関東は雨だが、仙台は曇り。二口は太平洋側だし、雪もないだろうし山菜が楽しめそう。山菜と新緑、岩魚とナメ、そして焚き火を楽しみに沢始めに出発だ。予定通りの時間に出発ができ、地震の影響で途中の東北道は波を打っているところがあったが、空いていて順調に仙台に着いた。秋保温泉の前を通るとホテル街だったので驚く。その奥に二口温泉はあり、静かなところでほっとする。ビジターセンターの周りは駐車場がいっぱいあって、昼間はどれくらい人が来るのだろうとちょっと心配になったが、止まっていたのは1台だ。隅の方にテントを張ってまずは軽く入山祝い。明日の山行を夢見て夏用シュラフに入るが暖かかった。

6月3日(日)
朝食用のパンをかじりながらパッキングをして穴堂沢の林道に向かう。林道に入ってすぐ、道路の改修のためゲートが閉まっていた。ザックの荷物を下ろすと、Sちゃんが車を大東岳登山口まで置きに行ってくれた。その間に、ちょっと林道の偵察をして戻ってくると、すぐにSちゃんが戻ってきた。なんと早いことだ。3人揃ったところで出発だ。林道ではフキやウルイ、ワラビ、タラの芽などがあちこちに目につき、ビニールの袋を出して夜の食料にと、山菜採りに夢中になりながら1時間半ぐらいのんびり歩き、入渓点に着いた。沢に降りるなり今度は川虫取り。まさに、春を味わうことに全力投球である。しばらく河原歩きをすると、水草が乗った岩やわずかな段差の小滝が新緑の中に広がり穏やかな渓相が続き、さらにナメが見られるようになってきた。一枚岩の上に広がる水面の模様は、木々を揺らめかせながら写しだしては消え、その様子につい見とれてしまった。辺りには春ゼミの声も聞こえ始め、ブナの緑に吸い込まれていく。途中大岩に挟まれたようなところがあった。また、堆積岩の削られてできた小ゴルジュの出口の滝では、わざわざ登ってみたりして水と戯れ、自然に親しみ心も和んで歩いた。ところどころに小さな釜があったので、竿を出してみたが、いっこうに当たりはなく、脇でじっと見る2人の目が鋭くなってきた。夕食の心配とともに私の釣りの腕前が疑われているようなきがしてきてちょっと焦る。8mの滝のところでは右岸にロープが下がっており、それに捕まって巻いた。沢の水量も少なくなり、そろそろ魚をゲットしなくてはと再び竿を出す。今度は入れるたびに当たりがあり、あっという間に6尾ゲットである。我ながらほっとする。15時頃、ガスがかかり始め、ブナの緑に白い霧が覆い幻想的な景色となってきた。もうそろそろ林道にも出そうにだし、雨が降っても困るので荷物を下ろし、幕場に決めた。

さっそく、流木を集めて積み上げ、メタで火をつけると、一発で燃えだした。途中で採れた山菜は、コシアブラに、こごみ、わさびの葉、山椒の葉までが加わった。天ぷらにおひたし、そして岩魚はホイル焼きに唐揚げ、焚き火で炊いたご飯も最高のできで、最後に豚汁ということで、みんなよくのみ、よく食べた。こんな絵に描いたような山菜山行はないだろうと思えるほどである。寒さを心配してタープの下にツェルトを張って寝ると、とても暖かく快適に寝ることもできた。

 

6月4日(月)

ブナの新緑の間から明るい陽ざしが差し込んできた。気温も上がり鳥の声もすがすがしい。辺りが明るくなって目が覚めたのだから完全に寝坊である。あまりの気持ちよさに、いつまでも起きたくなかったというところだ。5時の目覚ましがなり仕方なく起き出す。外では、一晩中、火の番をしながら脇で寝ていたSちゃんがお湯を沸かしておいてくれた。さっそく、コーヒーをいただくことにする。朝食は、ペンネをスープ類と一緒と思っていたが、どこにも見あたらなかった。仕方なく、それぞれの非常食用を出し合い朝食とした。Sちゃんの棒ラーメンとルリちゃんと私が持っていたジフィーズを2袋。まあ、帰ってからわかったことだが、見つからなかった食料はSちゃんのザックの底で寝ていたということだ。Sちゃんのザックは底が見えないほど大きいので、次回は逆さにして叩いてすべてを出すようにすることにしよう。朝食も終わり、荷物を詰めて出発。30分も歩かないうちに登山道が見えた。林道に出るとコシアブラがあちこちにあり、ちょうど食べ頃のものが並んでいる。今度はおみやげにと袋を出して採りながら大行沢の方に、大東岳をトラバースしていった。登山道を歩いていると左の谷に雪渓が見え、沢筋のようだが、稜線の鞍部まで行ってから下降した。見えたところで下降してもよかったようだが。沢床出て少し下ると、すぐにナメが始まった。舗装道路のようなナメがどこまでも続く。まさに癒しの空間だ。気温も上がってきて春ゼミの声がにぎやかなくらいに鳴いていた。ナメの合間の窪んだところには岩魚が隠れており、近づくと右に左にと泳ぎ回っている。しばらくすると、ウォータースライダーのように削られた先が小さな釜になっているところがあった。ルリちゃんが一番に遊び出す。芝ちゃんもつられてドッボ~ン。そうなれば私もやるしかない。頭まで浸かって目が覚めた。岩床に寝て体を温めたが、陽に照らされた岩とは言え、まだ夏の陽ざしではないのでそれほど暖かいわけでもないが、童心に返って楽しむことができた。

その後、やっぱり寒いのでカッパを着る。まだまだ続くナメナメナメ。ようやく、避難小屋が見えた。中を覗くときれいであった。沢は小屋の下のところで滝が出会っていた。灌木を頼りに下る。平行して続く林道を見ながらナメを行く。大きな滝の上に出た。懸垂の始点が残置されている。林道はここから沢を離れていくようだ。沢もナメが終わり巨岩帯となっていく。帰りはそのまま登山道で下ればよかったのかもしれないが、巨岩帯を辿って沢を下りた。おかげで時間がかかったが、ナメだけでない、沢らしさを味わうこともでき、沢通しで下ってよかった。埼玉まで帰る時間が心配になり、釣り小屋の少し下で登山道に出て下ることにした。すぐに車がデポされている登山口に出ることができた。急いで着替えをして荷物をまとめ、秋保ビジターセンターの脇にある磐司山荘の二口温泉に飛び込んだ。とても気持ちのよい温泉で、もうしばらく体を温めていたかったが、時間が気になってすぐに帰路についた。いや、いい沢始めを楽しめた。6月の沢は、東北の沢がいいようだ。(Sh.S記)

ルート;秋保ビジターセンター~穴堂沢大行沢下降~秋保ビジターセンター

日程;
6/2(土)17:30上尾駅-東北道-23:30秋保ビジターセンター付近の駐車場BP
6/3(日)6:00BP~6:40穴堂沢の林道のゲート~8:50入渓~15:00林道の手前BP
6/4(月)8:30BP~8:55林道~10:10大行沢下降~14:00避難小屋~14:30小屋下に懸垂~      17:00登山口~磐司山荘二口温泉-22:30帰埼