奥秩父:笛吹川東沢鶏冠谷右俣 ガスに煙る鶏冠

山行実施日;2013年6月30日~7月1日
参加メンバー;Sh.S、Sa.H、Ku.U、Ta.S

ルート;西沢渓谷駐車場~鶏冠谷右俣~戸渡尾根~近丸新道~駐車場
日 程;6/30(日)18:30宮原-正丸峠-21:30西沢渓谷駐車場BP
7/01(月)5:15BP・・・6:00東沢・・・6:30 鶏冠谷出合い・・・6:50 12m魚止めの滝・・・7:00 4m大岩の滝・・・8:15・・・8:25 20m逆「く」の字のナメ滝・・・9:38 二俣~10:34 30m滝・・・13:18 40m大滝・・・大滝手前の二俣に戻り右の枝沢・・・13:27右の尾根・・・14:14 登山道・・・17:02近丸新道登り口・・・駐車場-笛吹きの湯-中央道-21:00帰埼

労山の総会が行われた後、そのまま出発のつもりだった。だが、総会に参加できたのは、私とHさんの2名。芝ちゃんは職場で太鼓を教えていて、Uさんは家を8時頃の出発。予定していたSさんとTさんはそれぞれの事情で不参加となった。芝ちゃんを宮原で拾って奥秩父に向かう。総会の余韻を残し、不完全燃焼をした討論を引きずりながら車を走らせた。総会では、新しいメンバーを迎えたことと会長の交代で体制が入れ替わって、運営体制を拡大した。しかし、運営の内容はこれから整理していくことになるので、はっきりしたことは決まっていない。昨年との違いは、新しいメンバーが加わったことと体制の変更ということだ。最後に年間山行の希望をその場で書きあげ、会が結成からの記念集会の準備が確認された。山行予定を見ると、公開ハイク、労山祭り、S塾のクライミング計画と合宿、個人それぞれの山行予定が書きだされたが、会としては、新しい人に対応した山行計画など、年間の山行の組み立てが必要なのだろう。組織としての活動経験のない私には、まだよくわからないのだが、沢の分野で協力できたらと思っているが。

さて、そんなことを話しながら正丸峠を越えていくと、西沢渓谷駐車場に着くのも早かった。一番奥にテントを張り入山祝いをしていると、まもなくUさんからのメールが入り、西沢渓谷入口まで迎えに行く。4人がそろい乾杯。Sさんの差し入れもあり誰もいない駐車場で盛り上がった。

7月1日(月)明るくなると目が覚める。外に出るが鶏冠がガスの中だ。パンをかじりながらテントをたたみ、身支度をする。東沢出合いのつり橋を揺らしたのは6時だった。はじめのトップはUさんだ。東沢の河原を歩きながら徒渉点の選び方を確認する。そして、「鶏冠谷」の看板がある出合いに着くが、Uさんは素通りしていこうとした。他の沢で看板が掛った沢は知らないが、それにも気がつかないというのはかなり緊張しているのだろう。以前、東沢で入渓点を間違えて痛い目にあったことを思い出す。今年の鶏冠谷の出合いは浅く、苦もなく渡った。幅広の12m魚止めの滝は右から巻き、すぐに大岩の滝となる。だんだんとナメが現れ、15m5段ナメ滝の右側を越えていくと核心の逆「く」の字のナメ滝だ。だれかリードをするかと思ったが、私に回ってきた。ザイルを引いて右脇を登っていく。途中でハーケンが1本。一応スリングを掛けてロープを通す。右壁の高いところから残置スリングが連打されていて気を取られるが、水流の中にスタンスがある。それでもやはりあるものは使ってしまう。ビナにロープをかけて左から回り込むとその上に錆びたハーケンが1本。そのハーケンと岩にスリングを掛け、2点から支点を取る。2番目のUさんはプルージックで上がってきた。登る前にHさんからプルージックをつかまないように言われながらも、途中でプルージックをつかみナメ滝を滑り落ちて行きヒヤリとする。一つ目のアンカーがあったからそのまま滑っても止まっただろうが、お約束通りの経験を披露してくれた。3人目の芝ちゃんはタイブロックで上がって来る。途中のランナー掛け替えに苦労していた。最終のHさんは末端で回収しながら登る。登ってみれば、リードできたかなと。トップの面白さは、やってみなければわからない。無理だと思ったら戻ればよいのだから、トライしてほしいものだ。Hさんの靴が大きめで遊びがあり、不安がよぎるようで、やはり靴は重要である。ある先輩から、「ビバーク中にザックが流されても靴は流されないようにするべきだ」と体験を聞いたことがある。山行で身を守る第1のアイテムが靴ということになるだろう。

逆「く」の字の上はナメが続く。両脇が狭くなり、冷たい風に体が冷える。二俣に出ると、右俣の奥に手ごわい25m滝が控えており、出合いの尾根に踏跡があり登っていく。途中トラバース試すが、高巻きとなる。適当なところでトラバースをし、滝の落口の上に出て、根っこを頼りに沢床に下りられた。芝ちゃんは、下りる足が見つけられずに苦労する。30m滝は一見難しそうだが、垂直の左壁にはホールドにするハーケンが1枚と水流の脇にもう1枚ハーケンがあった。手前のハーケンにスリングを通してロープを掛け、ハーケンをホールドにし棚の奥にあるガバを取れば後は簡単に登れた。全員が登った後、腰のベルトに通しておいたポシェットがないことに気がつく。そういえば、登るときに何か落ちたとHさんに言われたが、何が落ちたか分からず登ってしまったのだ。いったんしまったザイルを出して、下まで降りてみると倒木に引っかかったポシェットがあった。メモ帳やナイフが入っていたので、無くさずにすんでよかった。さらにナメ・ナメ・ナメとナメが続き、空が広がっていく。鶏冠尾根が前に広がり、40m大滝を見てから、手前の右から入って来る枝沢に上がる。

枝沢に上がってすぐに右の尾根で登りそのまま直上し稜線を目指した。石楠花が疎らに自生していたがすり抜けるように登っていくとほとんど藪漕ぎもなく登山道に飛び出た。芝ちゃんが背負ってきたビールで、山と仲間と自分に乾杯。予報通り、登山道を下るときには薄日が差し、ホッとした。下山は近丸新道を選んだがヌク沢出合いからのトラバースは軌道線の跡を辿りながら、やたらと長かった。下に降り、平らな林道を歩いている3人の後ろ姿は、りっぱな沢屋の雰囲気が出ていた。ありがとうございました。    (Sh.S記)