栃木・明神ヶ岳

四月一六日

明神ヶ岳は三角峰(明神ヶ岳)と北の湯西明神、南の日向(西川)明神と標高のさほど変わらない三峰から成っている。五十里(いかり)湖周辺の山々の中では際立った存在である。今回の計画では湯西川温泉への道の途中にある一ッ石バス停(湯西川ダムで水没した一ッ石集落への分岐点)から道のない長い尾根を登り、湯西明神を経て明神ヶ岳を往復するコースをとる。バス停で準備をして少し先のトンネル手前の尾根へ向かって、擁壁の切れ目から登り始める。踏み跡もマーキングもなく、落ち葉の積もったスリップしやすい約三五~四〇度の急坂を、ほぼ四つん這い状態で立木を頼りに登る。尾根に登り着いてからも相変わらず急坂は続く。しばらくして灌木の藪が出てくる。藪の薄いところを選び、小枝をかき分けながら進む。ザックが枝に引っかかって煩わしい。一一九二m標高点でメインの尾根に乗る。此処まではひたすら我慢の登りだった。下からモノラック軌道が伸びてきており、尾根上にずっと続いている。残雪が出てくるが低いササ原に疎らにブナが生えて、ようやく気分の良い尾根歩きになる。モノラック軌道の終点付近から尾根は傾斜を増し、一三八三m標高点付近で行く手に湯西明神の高いピークが見えてくる。まだ遠い!左手に見える明神ヶ岳が同じくらいの高さになる。残雪が増えて雪庇を超えて雪の尾根をしばらく進むと湯西明神に着く。山頂標識も無い山頂で一休みする。湯西明神から雪の尾根を下るが、雪庇に乗らないように注意して鞍部まで一気に下る。その後、やせ尾根や岩稜を含んだ尾根を進み、二カ所のピークを越えて明神ヶ岳への登りを、かなり疲れた足でゆっくりゆっくりと上がる。山頂は疎らな樹林に囲まれた低いササ原が広がっている。疲れた足を投げ出して昼食とする。展望は樹林で今一だった。下山は往路を戻る。下山時には尾根を間違えやすいので、要所には赤布を付けてきた。明神ヶ岳から一度下って登り返す。湯西明神から東に向きを変えて雪庇を下る。約一〇〇mで南東に向きを変える処をそのまま進んでしまった。四〇~五〇m位下った辺りで異変?に気づき地形図とコンパスで確認する。間違いに気づいてトラバース気味に南に向かい下山する尾根に戻る。此処は疲れていた所為か赤布を付けなかった。その後は順調に付けた赤布を回収しながら無事に登り口に着けた。湯西川温泉で疲れてピクピクした足を優しく癒す。翌日は筋肉痛で大変だった。(記 I﨑)