飯豊連峰:胎内川 9月にはダムに沈む胎内川

2018年8月4日~5日

8月3日(金)

沢を始めたころから行ってみたかった胎内川である。それもいよいよ今年の9月にダムに入水とのこと。最後となる胎内川下部だ。

声をかけてくださったNさんは、前回のガンガラシバナで半月板を負傷し不参加となってしまったことは、とっても残念であり、申し訳なく思いながら、私の心のうちはワクワクでこの上ない。今年は、念願の沢を2実現することになったわけであり、飛び跳ねたい気持である。それも2、30台の若手に混ぜていただき、気楽な極楽山行である。

私が足を引っ張らないように荷物を最小限に減らし、それでも老眼とおぼつかない爺さんにはスピードを上げることはできないのでそこそこくっついていければいいかな~なんて、勝手に解釈しての同行だ。この考えが爺さんなんだよな~と思いつつ、まっいっか。

家まで迎えに来てくれて出発。運転も手を出すこともなく、後ろで気持ちよくうとうと。遠い遠い胎内にはあっという間に着き、道の駅で入山の祝杯を味わうときは肌寒いくらいで、関東の危険な暑さを思い出すこともなかった。

8月4日(土)

周りはキャンピングカーばかりで、定年を過ぎた方々が放浪を楽しんでいる様子だ。「クライミングかい?」と声をかけてくる方の車にはシーカヤックが乗せられており、やはりその筋に興味があるIさんと話があったようだ。さて、我々はもう出会うことのない胎内に向かわなければならない。

空は晴れ渡り、陽が上るごとに温かさが増していく。いや、夏らしい暑さが蘇ってくる。進む道路は明るく開けており、ゴルジュの続く沢が待っているとは思えないくらいだ。奥胎内ヒュッテの駐車場に車を止めて、胎内尾根を登る。補修されたピカピカの吊り橋を一人ずつ渡り、ダムに近づいた辺りでトラバースをしながら下降点を探したが、トラバースをさせてくれる余裕は全くなく、やはり600m付近を目指して尾根を登った。下降を開始すると、すぐに水跡が出てきて、大倉沢からダムの底になる泥が溜まった河原に出た。いよいよ最初で最後となる胎内の一歩を踏みだす。

すぐにゴルジュが始まるが明るい。メジロアブに歓迎されながら、腰まで浸かって渡ったりヘツったり、汗だくになっていた体には気持ちよい。だんだん沢が狭くなってくるが、明るいゴルジュだ。いよいよ泳ぎながらゆったり流れる水流に向かっていく。楢の木沢出合いに着くころにはすっかり体が冷やされ、手がしびれてくる。温められた岩に腰を下ろし、手を置いて体を温める。雨蓋に入れておいたペットボトルの水分はお湯になっていて助かる。川幅いっぱいに広がる沢の中をうねる先にドキドキしながら進む。

作四郎沢の出合いで一休みである。体を十分に温めて続くゴルジュに向かう。にせ浦島がどれなのか、どこまでも続くゴルジュにどれだかわからないような気もするが。広い淵に深くて狭く注ぎ込むゴルジュに出会う。これまでIさんがトップを行っていたものの、メインとなるであろうこの場面を、U君に譲る。Iさんは泳ぎが好きなようで、わくわくしているところなのだろうが。期待道理、いやそれ以上にU君の泳ぎは速かった。そのスピードに歓声が上がる。ぐいぐい水流を分けて腰までのところまで行くと、続き我々3人を1本のロープで一気に引き上げてくれた。

若い力は大したものだ。

 

薬研沢の出合いを過ぎ側壁が迫るこれが浦島だろうところを腰までも浸からずに通り過ぎ流木が横たわった2mもない堰堤のようなダムを右から越える。そのあとは河原となり、多少浸かりながらも、照り付ける日差しに体を温めながら進む。途中、雪渓跡があったが、今年は雪が少なかったので溶けてしまったようだ。

滝沢出合いを目の前にして、いい幕場があったのでこの日の行動を終了する。木を集めて火を点けるとあっという間に大きな焚火となった。木もからからに乾いている。SさんとU君は釣りに行くがどうも釣果には至らなかった。焚火を囲んで祝杯をあげる。これまで親しまれてきたこの沢、またこの機会に来ることができた仲間たちに乾杯である。だんだん暗くなっていくが、下るようすを見せない空には星が広がっている。私は焚火の脇で、まだ濡れている服を乾かしながらごろりと横になって寝た。2時半ごろになると寒くなったので、ツェルトに潜り込むととても暖かかった。

8月5日(日)

明るくなり始めたので外に出るとIさんとSさんがすでに起きていた。まずはコーヒーを入れながら沢靴を履き、準備を進めた。天気はまだ晴れている。しかし、今日は日本海側から寒気が入って雨の予報だ。かなり荒れるようなので、滝沢出合いから池平峰に向かう尾根を拾って行くことにした。朝の準備を済ませさあ出発。すぐにひと泳ぎして、温まっている体には冷たく感じたが、そのあとの尾根歩きを考えればちょうどよい。滝沢の出合いには、赤テープが下がっていて、尾根への道が記されていた。釣りやがここまで来ているようでわかりやすい踏み跡とテープが道案内をしてくれた。徐々に雲が出てきた。どんどん高度を上げ、ちょうど池平峰のピークに出た。ダムに水が溜まってもここから上部に入って行けそうである。池平峰から胎内尾根を下るがしっかり踏み跡があり、途中ダムを見ながら下って行った。雨が近づき、白く煙るような雨が波を打つように降ったり止んだりしていた。ようやく、奥胎内ヒュッテに着くと、本降りとなったが、濡れたザックを車に押し込んで我々は温泉で汗を流した。

メンバー;S木、U、I、S

ルート;奥胎内ヒュッテ~胎内尾根600m付近~奥胎内ダム入渓~滝沢出合い手前BP~池平峰南尾根~池平峰~奥胎内ヒュッテ

期日;2018年8月4~5日前夜泊

日程;8/3(金)21:00上尾-25:00道の駅胎内

8/4(土)5:40PB~7:19奥胎内ヒュッテ~9:01胎内尾根600m付近~10:15奥胎内ダム入渓~11:46楢の木沢出合い~13:31作四郎沢出合い~14:00薬研沢出合い~15:30滝沢出合い手前BP

8/5(日)5:50BP~6:11滝沢出合い~池平峰南尾根~8:25池平峰~11:45奥胎内ヒュッテ

記:S木