八ヶ岳 天狗尾根からツルネ 岩稜の楽しさを実感

2018年9月22日

空は隙間のない灰色の雲に覆われていた。天気予報では午後から晴れるとのことだが、あくまで予報、本当に晴れ間がやってくるのか、不安げに車の中から見上げる。美しの森駐車場にも紅葉が始まり秋の気配を感じさせる。雨は徐々に回復し、西の空から青空が見え始めた。雨具のズボンをはいて出発したのは昼頃となった。

ここ数日の雨の影響で沢の水量は今までになく多いとのこと。出合小屋まで7、8回の渡渉はことごとくルート探しとなった。多くは石を投げ入れて足場を作った。石伝いの渡渉にはストックが役立つ。H川さんとK池さんがとうとう靴を脱いでの渡渉となった。水はまだ冷たくはなかったが予想もしない出だしであった。

小屋の床に敷かれた銀マットの上にテントを張り、快適な一夜になりそうだ。日が暮れ、寒くなり始めたころ、結城さんがストーブに火を入れてくれたが、煙突が詰まっていたのか煙が充満してしまい燻製にならずに消火。

翌朝5:30出発。赤岳沢を数回渡渉し尾根に取り付く。しばらく急登が続き、私のペースが遅くなってきた。やっとの思いで尾根に上がった。遠くシルエットのような富士山の姿が見え、赤岳は時折雲の流れから顔を見せる。雲がすき間なく足下を覆う。空気が澄み渡りキーンと響く岩稜が迫ってくる。十分すぎるほどガバには困らない。

岩がこんなに楽しいものかと今更ながら気づかされた。オーバーハングでガバが取りにくいところで、念のためロープを出してくれた。凛とそびえる大天狗、小天狗をすぎ尾根道に出た。天空には一片の雲もなく、阿弥陀岳の雄姿に圧倒されながら、尾根歩きは壮快そのもの。

ツルネからの下りでは、目印が途中から尾根をそれるようになり、尾根道に戻ることもあったが、難なく小屋に戻ることができた。すでに沢の流れは穏やかになり、渡渉ルートのまま進むことができた。長い林道の末、車にたどり着いたのは5時に近い頃でした。

私がこの山行に参加できるとは思いもよらないことでした。そして、岩稜歩きの楽しさにあらためて感動する一日でした。誘ってくれたメンバーの皆さんに感謝します。

リーダー:Y城、K池、H川、A部

ルート:美しの森P―出合小屋―天狗尾根―キレット小屋―ツルネ東陵―出合小屋―美しの森P

コースタイム:9/22(土)7:00川越駅―10:10美しの森駐車場―11:55出発―13:40入渓―15:45出合小屋

9/23(日)5:30出合小屋―10:00尾根一般道―11:00キレット小屋―11:45ツルネ―14:00出合小屋14:30―16:50美しの森駐車場

記:A部

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