両白山地 地獄のハイキング  鳴谷山(じぶねやま)

2019年4月20日

鳴谷山、これなんて読むんだろう。『なきたにやま』? 昭文社の地図に出ている山だ。
笈ヶ岳に行くべく石川県まで来た。登山口までは土砂崩れのため徒歩でしか入れないので、ゲート脇に駐車するとの情報を得ていた。が、現地に着くと『歩行者も入れません』との表示。管理小屋にいた方に聞くと歩いても通れないとのこと。遠目からも、スノーシェイドを土砂が飲み込み、谷まで落ちているのがはっきり確認できた。これじゃ諦めもつくというもの。でも、電話した時に言ってよ。電話代かかってるんだから。

地図を広げ、転進先を見つける。近くに鳴谷山がある。片道2時間半くらい、標高差700m弱のハイキングか?
鳴谷山の駐車場を目指し林道を行くが途中雪でふさがれ通れない。残り約2km強かな。フーどうしよう。リーダーは歩くと言う。はいはい。そこで登山準備。雲一つ無く穏やかなお天気だ。北陸にしては珍しそう。所々大きな落石のあるダートを歩く。約1時間半後駐車場に着いた。ハイキングコースらしい略図のマップが立っていた。それによるとこの山は『ジブネヤマ』というらしい。

ハイキング開始! 登山道に雪が見える。夏道を難なく行く。雪が増え、徒渉後なだらかな所に来た。夏道ははっきりしないが、今日はハイキング。地図読みしよう。雪山は道が無くても行ける。あっちの鞍部に上がって稜線伝いに右に行けるんじゃない? それが地獄のハイキングの始まりだった。鞍部までは上がった。ズブズブの雪と藪で、稜線に出るには腐った雪のトラバースと穴の空いたツリーホールを上がらなければならない。踏ん張るとズボッとはまる。羽竜さんがつけてくれたお助け紐で上がる。エイッ! 上がれた。ホッ! エッ! また藪?! その先も藪とツリーホール! そして崖。地形図には崖のマーク無し。行きたいピークはすぐ目の前にあるのに断崖に阻まれ行けない。尾根を下り、巻くことにする。また、藪漕ぎとツリーホール。この繰り返し。

やっと夏道に出た。ここには雪は無い。が、進むとまた雪と藪。前の人が雪に埋もれていた細い木を踏む。ピシッ。木が跳ね返る。どれもこれも春山だ。ピークを1つ超えたが目の前には雪壁。H竜さんから笑顔が消えた。サングラスの下の眼も真剣。「ここまでだな」敗退宣言。皆も納得。12時50分。

お腹も空いたが、この傾斜では休めない。斜面を下り真っ青な空を見ながらお昼。MSさんがリンゴを分けてくれた。ほのかな甘さが眼と喉に染み渡る。あの尾根を行くはずだったよねーと目の前の尾根を見上げる。皆ため息をつくが、H竜さんのため息には何倍もの無念さが滲んでいた。

気をとりなおして下山。H川さんが夏道夏道と言いながら先頭を行く。が夏道など無い。下りも藪とツリーホールの繰り返し。また崖。どこも絶壁。H竜さんが、下りられそうな1ヶ所を見つけてくれて突破、次は徒渉。そろそろ山勘でもGPSでも最初の分岐に出そうなのに景色が違う。目の前は高い尾根だ。沢を左下に見ながら更に下りる。夏道があった。が、雪が付くと登山道は無くなる。単に登山道が雪に埋もれているという訳ではなく、藪漕ぎしたり急斜面になったり高巻きしたりで登山道とは思えない。どうなってるんだろう。やがて、前を行くMSさん「夏道に出たよ」。フファー!
その後は、雪の無い夏道を下り、ダートの林道を歩き、無事車にたどり着いた。
雪国の谷の深さを思い知らされた。地形図には載らないような深さと幅の狭さ。尾根と谷の複雑さ。日本の山の奥深さをひしひしと感じた。
下山後、自分の軌跡と登山道を見比べたが夏道がどこでどう消えたのか未だに判らない。無雪期に夏道を行ってみたいが、そのためだけに7時間も車を走らせられない。謎のままだ。

登山口 いきなり倒木

登山道なし

メンバー  リーダーH竜  サブリーダーH川  MS  TN

コースタイム
林道P8:15-登山口9:55-地獄の始まり平坦地10:40-溜息の折り返し点12:50-昼食13:20~13:50-登山口14:45-林道P16:35