教育部・山行部 足首を痛めた場合のテーピング&ストック松葉杖の作り方 (第一例会;学習会と8月の会山行について)

2019年8月6日

8月第一例会報告                                                                 参加者:12

1.<学習会>進行役:M谷さん、(サブ)T田さん

会員から要望のあった、最も使う可能性の高い足首周りのテーピングとストックを活用した松葉杖の作り方についてM谷さんとT田さんに講師をお願いして実施しました。

足首周りのテーピング

イ スターアップ

<足首が内側へそれていくのを防止するためのテーピング>

・まず、脚の内側から巻いていく。内側から巻き出す際はゆるめに巻く。

・足の裏側を超えて脚の外側に行ったら、きつめに巻く

・最初に巻くテーピングは垂直に巻き下ろし、垂直に巻き上げる。

・その次に巻く2回目、3回目のテープは最初に巻いたテープのやや外側(内側)から若干斜めに巻き下ろし、最初に貼ったテープの内側(外側)に巻き上げるように足裏でクロスさせることを意識して斜めに貼り上げる。脚の内側から外側に巻くこと、及び脚の内側はゆるめに、外側はきつめに巻くのは最初に巻くのと同じ。

脚の内側はゆるめに巻く、というのがポイント。外側に巻くときはきつめに巻くことにより、ともすれば受傷して内側に曲がりがちな足首を外側に「引っ張る」効果が得られる。

・フィギュアエイトは足首全体を「固めて」しまうのに対して、スターアップは内側に曲がりがちな足首を外側に保持する働きのみをする。こちらのテーピングの方が実際に歩ける要救助者にとっては有効かもしれない。

ロ フィギュアエイト

<足首の関節全体を固定させるためのテーピング>

・足首の外側、くるぶしからテーピングをスタート。足首を巻き、足裏を通して足の外側から今度は足首の内側に向けてテープを回す(この時に最初に巻いたテープとクロスする形となる)。

・そのまま足首の後ろを水平に巻き、アキレス腱を覆ってから最初のスタート地点でテープを切る。

足首を固めてしまうため、スターアップより安心感があるが、それだけ歩きづらいということにもなる。

・スターアップとフィギュアエイトを組み合わせて使用する場合もあり得る。また、靴の外側からフィギュアエイトで止める対応も想定内である。

 

ストック松葉杖の作り方

・最初に、二本のストックの各々のストラップにポールを通す(つまり入れ違いの形とする)。そのままポールを通していくとストラップ相互がタイオフの結び方で連結される(これが松葉杖の最上部、脇の下を支える部分となる)。※この作業を迅速に行うためには、ストックは長さを短縮した状態で行うのがよい。

・次に、90cm位のシュリンゲをグルグルと捻る。この捻った状態のままポールの末端を通過させ、ポールの上部に移動させる。通常、ストックは三段短縮となっている筈だが、最上部の短縮部分の上部にまでシュリンゲを引き上げる。ストックの短縮部分の膨らみ部分をやっと通過させられるくらいグルグル捻ることが重要。このシュリンゲが松葉杖の手で持つ手すり相当の部分となる。※ストックは一番長い状態にしておくのがよい。また、シュリンゲを通すためにポール末端についているリングはシュリンゲを通す前に外しておく。

・最後に、ポール末端が交差するよう、短いシュリンゲで巻いてとめる。

・私としては、実際に松葉杖を使って歩く際には受傷した脚と反対側の脇に杖を差し入れて利用します、というM谷さんの説明が非常に新鮮だった。写真を見ていただければ判るように、左脚を受傷した場合は右の脇に松葉杖を差し入れ、杖と右脚を交互に動かして歩行。左脚はブラブラ状態のまま加重をかけずに右脚と杖に追従していく形で歩行するとのことです。

ただ、この状態では長く歩けない、とのM谷さんの指摘も非常に重要です。小屋やヘリコプターホイストアップ地点等の救助ポイントが近い状態に限定、ということも覚えておきたい事実です。

2.<8月会山行の説明>

担当のY城さんから会山行の実施計画についてプロジェクターを使用しての説明がありました。

場所:中央アルプス 越百山~空木岳周回

日程:8/30(金)伊奈川ダム上-越百小屋(小屋泊)コースタイム ゆっくり歩いて約8時間

8/31(土)越百小屋-南駒ヶ岳-空木岳-木曽殿山荘(小屋泊)コースタイム ゆっくり歩いて約7時間30分

9/1(日)木曽殿山荘-八合目-ウサギ平-伊奈川ダム上 コースタイム ゆっくり歩いて約6時間

報告者:H高

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