1年ぶりのご対面    飯豊連峰北部 朳差岳(えぶりさしだけ) 

2019年9月13日~15日

昨年5月に二王子岳に登った。その山頂からの飯豊連峰の大展望に心を奪われた。勝手に名付けた雪形や日本海の水平線が今も目に焼き付いている。
その光景を胸に1年。何度悪天候に天を呪った事か。今回やっとお日様がGOサインを出してくれた。

胎内ヒュッテの駐車場に前泊。既に4台駐車。ここから足の松登山口まで10分¥700乗合タクシーで行く。5:30始発。朝には20台強の車が並んでいた。
バス停(?)に並んでいる間中『100名山が』だの『200名山は』だのとかまびすしい。私も『200名山やってるんですか』と何度か尋ねられた。ここってそういう山なのかな。『いいえ。私は好きな山に登っているだけです』
下車後、身支度し足の松登山口を出発。平坦地は無く、すぐに九十九折と木の根のむき出した急登が始まる。地形図を見ても等高線の幅は狭いまま。しかも樹林帯。花も無い。あーあ。そしたら考えることは食べ物と次の休憩の事しか無いじゃない。先月の餓鬼岳の再来かなぁ。
尾根を忠実に行く。岩場もあるがロープが張ってあるので危険はない。


(岩場)

姫子の峰に着き大好きな休憩タイム!ヤッター。すこし視界が開け大石山が見えた。まずはあのピークが目標だ。が、歩き出してすぐに木々で視界が遮られる。滝見場・英三ノ峰・ヒドノ峰への急なアップダウンを越え水場分岐に到着。やっと2回目の休憩タイム。更にブナ坂を登りイチジ峰到着。この辺で徐々に木々が低くなり視界が開けてきた。

(視界が開けてきた)

更に更に喘ぎ喘ぎ西ノ峰に到着。この辺りから傾斜が緩くなってきた。大石山はすぐそこ。先にはたおやかな稜線が見えた。今までとは別世界だ。

(大石山への稜線)

大石山のピークの分岐には休憩の人が多い。ここは朳差岳と飯豊山縦走路の分岐だ。元気のいい単独の女性が今夜は頼母木小屋に泊まると言う。私達は朳差小屋だとかナンダとか雑談をする。東に伸びる稜線の先には頼母木避難小屋が見え、先に門内岳への稜線が広がっていた。

(飯豊山への縦走路)

北側の鉾立峰を目指す。足元にはマツムシソウ・ウメバチソウ・トリカブト。

(マツムシソウ・ウメバチソウ)

花達はもう秋だ。風も心地よい。突然H竜さんが「この花なんていうの?」と私の知らない花を指す。「…」「聞いたオレが悪かった」ありゃ、H竜さんの目にも花が映るんだ。もっと勉強しておきます。ゴメンナサイ。
約150m鞍部に下り、また160m登り返す。これがまた急!その上、笹原のため木陰も無い。背後からジリジリと直射日光の火あぶりだ。私、豚の丸焼きになりそう

(これから行く鉾立峰(左端)の急登)

フーフーしながら鉾立峰に到着。下山する人に話しかけられたが返事も出来ない。その先には、わー!目の前に朳差避難小屋と後ろに朳差岳!この稜線きれー!急登を登った甲斐があったー!でもちょっと待って!もうひとつ鞍部があった。フー。

(避難小屋までの稜線)

ゆったりとした稜線を歩き避難小屋到着。きれいな小屋だ。

(避難小屋)

トイレもある。ただひとつ難点が。水!水場5分というがホント?もし枯れていたら池塘の水だと腹を括っていた。荷物を置き、H竜さんが取水に行ってくれる。汗びっしょりになって帰って来た後の言葉「鉾立峰の鞍部と同じ位降りた」。秋になってきたのでドンドン水場が後退してるらしい。H竜さんありがと。貴重な水だね。大切に使おう。感謝感謝。そこに大石山で会った単独の女性が来た。私達がこっちに来たので自分も来たとの事。また賑やかなお喋り開始。
身軽になり山頂を目指す。5分で登頂。

(山頂)

わー大展望!先には池塘が広がりその先に前朳差。日本海も。お天気が良ければ蔵王連峰も見えるそう。

(山頂先の池塘)

振り返ると飯豊連峰への縦走路が緩やかに伸びていた。頼母木小屋の後ろに地神山、北股岳や飯豊本山もチョッピリ。ここに登るきっかけを作ってくれた二王子岳も目の前だ。二王子岳って結構大きいんだね。

足元にはトリカブトやハクサンイチゲが群生している。こんな絶景に会えた。仕方ない、あの急登、許してあげる。

ここでゆっくりとコーヒータイム。
時間を持て余し、小屋に戻って早目の乾杯と夕食を済ませる。ガスってたのに、お日様が低くなると雲が赤くなってきた。じわじわーと新発田市の光が濃くなり、漁火も3つ。わー、なんて綺麗なんだろう。

(日本海に沈む夕日)

それに今夜は中秋の名月。お月様も大きい。じっと佇んでいると冷えてくる。あっ、こら!そんな所でお花に栄養あげるな!避難小屋の中は暖かかった。

翌朝。名月の次はご来光。5時半頃を目指して山頂へ。

(曇の中に朝日)

今日は曇が多く、モルゲンロートは無し。でも、黒から赤への変化には言葉が出ない。山頂の朝っていいなぁ。今年は3度目だ。更に山頂の先にあった池塘へ散策に行く。池塘の点在する窪地は長者平というらしい。笹原のプチ藪漕ぎやプチピークを越えて前朳差を眺める。

(朝日を受ける前朳差岳)

いいお天気、いい気持ち。外で朝食中、単独の女性も来てお喋りと朝食再開。ヤマレコに投稿しているという。お餅とウインナーと食後のチョコをいただいた。こんなのくれる人っていい人に違いない。昨夜といい今朝といい、こーんな、のーんびり山行滅多にない。いいねー。至福の時だ。

(山頂からの避難小屋)

もう下山かぁ。帰りたくないなぁ。「帰らないならツェルトを置いてくぞ」という意地悪な言葉を横目にパッキンを済ませて下山開始。頼母木小屋に泊まった人達が、大石山に荷物をデポして大汗をかいて登ってくる。朝一でこんな急登は嫌だ。こっちに泊まって良かった。H竜さんの読みに感謝。

(鉾立峰から延びるアゴク峰)

大石山で休憩。休憩中の人々との雑談中「山頂の先のギョウザ平って所に池塘がある」とH竜さん。皆「?餃子?」「判った『長者平』でしょ」受けを狙わなくても受けてしまう羽竜さんって…。
西ノ峰までは気持ちのいい稜線歩き。後ろ髪を引かれながら振り返り振り返り朳差岳にお礼を言う。朳差岳さんありがとう。またね。

(見納めの朳差岳)

その後は樹林帯。「休みたい」「休んだばかり」、「お腹すいた」「さっき食べた」、「喉乾いた」「さっき飲んだ」、「暑い」「気持ちいい」、「疲れた」「ツェルト置いてく」と文句の応酬をしながら来た道を登山口へ。更に乗合タクシーまでの時間がありすぎるので、徒歩で林道40分、車を目指した。フー。
急登だったが、たおやかな稜線最高!

山行日
9月13日(前泊)〜9月15日(夏の花にはちょっと遅かった)
メンバー
L:H竜、TN
コースタイム
9/14
足の松登山口(5:35)→水場分岐(8:20)→大石山(9:50)→鉢立峰(11:05)→朳差小屋(11:45)取水・休憩→朳差岳(12:50)
9/15
朝の散歩/山頂(5:20)→池塘周遊(6:15)
下山/朳差小屋(7:40)→鉾立峰(8:15)→大石山(9:00)→登山口(12:45)→奧胎内ヒュッテ(13:25)

記:TN