癒しのナメ・圧巻のゴルジュ(道平川左俣)
2025年5月18日(日)
心配されていた雨も前日までにあがり、穏やかな空模様の中、道平川ダムを横目に林道を車で少し進むとゲートがあり、ここからは歩いて行くことになる。入渓点は目の前で、アプローチはとてもいい。昨日までの雨のせいか水量は多く、流れも早いように感じる。
林道から沢に下りるとすぐにゴルジュが始まり、ナメを少しずつ上がっていく。
途中、小さな滝を越えつつ、難所もなく歩きやすい。歩いて暑くなってきたら釜に入って腰まで水に浸かり涼む。気持ちがいいのでやたらと水に入ってしまう。ザックの浮力が浮き輪みたいで楽しい。
ゴルジュに圧倒されつつゴーロを歩き、ナメを越えると二俣に出て、6mの滝にあたる。左のハング滝も壮観だ。
6mの滝は取り付けば手も足もあるが、念の為ロープを出していただいた。
ロープを出す練習も大事なのだと。
しばらく行くと涸れてきて稜線へのツメになるが、ここからが悪かった。
傾斜も強く、足元の土もフカフカで、進もうとすればズルズル滑るが、生えている木も枯れていて、掴むとポキポキ折れる。
慎重に足を置き、四つ足でじわりじわりと登り稜線へ出る。尾根道は整備されていて、やっと終わったと安心したのも束の間、トヤ山直下の登山道は幅2mも無い痩せ尾根で、泥濘んでいて足元が危うく、やはり立ち木も枯れている。
登りはいいが、ここを下るとなるとシビれるものがある。
やっとこさ登りつめたトヤ山のピークからは妙義山や荒船山、長野、群馬の山々が遠くまで見渡せて、ここまでの苦労を労ってくれるかのような気持ちいい空と景色だった。
マイナーピークを自分達で独り占めして休憩したのち下山開始。
トヤ山の直下はやはりシビれたが、その先の沢下りの方がもっとシビれた。
標高差650mくらいしかない下りなのに、足元が悪いせいでとても緊張する。
足の置き方が下手だからとても疲れるのだ。これはひたすら経験を積むしかないだろう。
途中、滝の下部が切れ落ちている滝に差し掛かり、ここは安全のためロープを出して懸垂下降で下りる。
林道と当たる地点で沢から上がり、林道を下る。やっと道らしい道を歩けて大腿四頭筋も喜んでいる。
道路端から覗く沢はやはりナメが美しい。
ここは是非また訪れたい沢である。今はまだ沢歩きに一生懸命だが、上達していけばもっとゴルジュを楽しめる心の余裕が出来るだろう。
しばらく前からの天気予報はあまり良くなくて、なんとか雨さえ降らなければと天に祈っていた気持ちと裏腹に、空は清々しく晴れ、レジェンド達に囲まれて、とても実りのある素晴らしい山行であった。
同行させていただいたみなさま、とてもお世話になりました。ありがとうございました!
■メンバー L:IB、AB、KK、OT、記:SM、会員外1
■ルート 道平川ダム→林道→林道ゲート→道平川左俣→稜線→トヤ山→稜線→道平川右俣→林道→林道ゲート