201910月5日~6日
「ここキレット?」「うん」「でも岩場じゃないよ」「キレットって大きく切れ落ちてる所の事だよ」「あれ? 切れ落ちてる所っていうのは知ってたけど、岩稜帯じゃないの。だって、大キレットだって、八峰キレットだって岩稜帯じゃない」「もっと勉強しろ」「……ハイ、すみません」
以前、文三郎尾根を登った時、赤岳分岐からキレットへ行ったパーティを見かけた。その時から、気になっていたが今回やっと実現。
舟山十字路に駐車。キノコの季節のため、駐車スペースは既に満杯状態だった。かろうじて駐車させ出発。山の中にやたらと赤い杭(?)や赤ペンキ・赤テープがある。山の中に誰かいた。その人は、葉っぱを被せた籠を腰からぶら下げ、じっと私達の様子を伺っていた。やっぱりマツタケ? 長野県産かな。高そう。私達の会話が小声になってしまう。
ま、マツタケはどうでもいい。今日は山。今回は全て一般道だ。ただ、西岳経由赤岳というマイナールートのため今回も人に会わないだろうな。まず千枚岩へ。徐々に傾斜がきつくなり、展望もなくトラブルもなく、西岳到着。
八ヶ岳らしい原生林を来たが、やはりこの山って不遇の山? 休日なのに山頂に3人しかいない。編笠の右に遠く富士山が霞んでいる。
(遠くに富士山)
これから行く権現岳が目の前にドン。私にとってはチョビットだけにしか感じられない“山頂おやつタイム”の後、青年小屋を目指す。
(権現岳)
緩いアップダウン。足元フカフカ。楽だしフィトンチッドの香りが気持ちいい。天国だ。乙女の水に到着。じいさんばあさんが飲んでも乙女の水! 冷たい! シワ減るかなぁと、天国はここまでだった。青年小屋のオーナーと従業員のお姉さんが水を汲んでいた。この水は一年中枯れない。この辺りに永久凍土があるので1年を通して2〜3℃。ただ、このところ雨が少ないので水量が減っているそう。確かに以前来た時より水量が少ない。キレット小屋へ行くの? オーナーが違うからはっきりは判らないけど、あそこの水は無いかもしれないよ。権現小屋ならペットボトルあるけど。500ml400円なり。値段を聞いたH竜さん4.5Lの水を担いだ。仕方ない。か弱い(!)私も3L。
重くなったリュックを背負って権現岳を目指す。八ヶ岳らしい原生林大好きだけど、やっぱり水は重いなぁ。徐々に開けてノロシバ着。目の前にギボシが大きい。
(ノロシバからのギボシ)
その右先に権現岳。ずっと岩場が続いている。左手には阿弥陀南稜。青ナギが見えP3がそそり立っている。カッコイイ。先週あそこを登るはずだったのに…。「写真撮りたい。(大好きな休憩したいし)」と休憩をもぎ取った。ギボシの基部まではハイマツの稜線歩き。気持ちいい! その先、出ました岩稜帯!
(ギボシの基部をトラバース)
トラバース気味に登りながら権現小屋に出た。ここでお水を¥400で売ってるのね。お水は命。でも大丈夫。背中にあるもん。重いけど。それにしてもH竜さん、プラス3.5kg、登りなのによく歩くなぁ。
(権現小屋)
山頂手前に荷物をデポして権現岳山頂へ。登り易いプチ岩場がある。背中軽いから大丈夫。岩場を山頂まで直登。
(山頂)
絶景、でもなかった。ちょっとガスっぽい。ま、いいか。目的はこれからだもんね。次、キレットに行こ。水の入ったリュックを再び背負い、キレット入口のゲンジー梯子へ。61段あるそう。途中でH竜さんには梯子が見えたそう。私には見えなかったが、「確かに長いな」と言っていた。
(ゲンジー梯子を下りる)
更にやせ尾根を下りる。トラバースし、登り返してつるんとしたツルネ。岩場なし。
(振り返って権現岳)
あとは下りのみ。結構下るな、せっかく登ったのにもったいないなぁ。かなり下の方の樹林帯にキレット小屋が見え隠れする。今夜はここでテン泊。結構斜めっているので樹林帯に張った。最低鞍部のため夕陽も朝陽も見られなかった。テントから見る夕陽が大好きなのに。
(キレット小屋)
翌朝、昨日より軽くなったリュックを背負って赤岳へ出発!
(朝日を受けて出発)
こっちは岩稜帯だ。赤岳までアップダウンあるが標高差は400m。ロープに梯子に鎖。
(梯子)
(岩場)
ピークが2つ見えるが、かなり奥のピークが赤岳らしい。
(赤岳はこの奥かな?)
振り返ると権現岳と小さなキレット小屋。阿弥陀南稜も。
(権現岳とキレット小屋が白く小さい)
ガスが出てきた。下り坂という天気予報はあたりかもしれない。さ、行こ。
(岩場の登り)○印寄りに行くと「違う。右」「○印通り行かなくてもいい。歩き易い所を行け」「コース取りできなくちゃ岩場に行けないぞ」「もっと先を見ろ」「ハイハイ」後ろからの有難いご指導を聞き流しながら文三郎分岐へ。
岩角を抜けると、わー! すごい!人、人、人! 赤・青・黄色の珠数繋ぎ! 遠目からでも渋滞しているのが判る。大宮駅か? 今まで静かだったのに。仕方ない。渋滞に突っ込む。前の人に続き、対向者を避けたり避けられたり。山頂到着。
(山頂)
当然ここも渋滞。写真を撮るのも渋滞。「赤岳沈むな」とH竜さん。
私の大好きな休憩なしで早々に下山。これは仕方ない。文三郎分岐からは人が減った。
(中岳へ登り返し)
更に中岳を越え、阿弥陀岳に。その手前、行者小屋分岐にはリュックがたくさん置いてある。空身で阿弥陀往復するらしい。見上げる阿弥陀にも人の列。赤岳程ではないがやはり多い。譲り譲られ、ツアーと交差する。梯子も然り。ただ、ビックリしたのは“フロックス”とかいうサンダルで来ていた人がいた事。ツアーであってもなくても、それはないでしょ。ガイドさん注意しないのかな。お金もらってるお客様だから何も言えないのかな。山を舐めんなよ! 山に来るな!
阿弥陀山頂から南稜の終点を確認。その際下山する中央稜の稜線も。
(中央稜)
それから今日登ってきた権現岳からの稜線も確認。
(阿弥陀からのキレット)
「あそこを登ってきた。切れ落ちてるだろ。だからキレット。もう見えなくなるから見納めだぞ」「こう見るとすごい登りだねー」ガスが上がってきて、赤岳山頂も隠れてしまった。また来るね。See you again.
下山もマイナーな一般道。わかってはいるが人に会わない。赤岳とは大違いだなぁ。最初は急だが、水場からは緩くなり、御小屋山を越えてハイキングだ。かなり降りてきてから『虎姫新道コース』との表記があった。
(虎姫新道コースの案内板)
この下辺りが中央稜の取り付きかも知れない。ン? 虎と姫? あら、H竜さんと私じゃない! まさに美女と野獣だね。と言っている間に車に着いた。キノコ採りの人達は帰ったのか、車は少なくなっていた。
山行日 10月5日〜10月6日
メンバー LH竜 TN(記)
コースタイム(休憩含む)
10/5:舟山十字路(7:50)千枚岩(10:05)西岳(11:20)青年小屋(13:00)権現岳(14:40)キレット小屋(16:05)
10/6:キレット小屋(6:05)赤岳(8:00)中岳(9:20)阿弥陀岳(10:00)水場(12:10)御小屋山(13:00)舟山十字路(14:15)