馬ノ神岳から水引入道へ馬ノ神岳から水引入道へ
2025年2月25日
2007年発行の「ハイグレード山スキー」に紹介されている水引入道と馬ノ神岳、その記述と各ワンカットの山容写真に引きつけられて15年以上経ってしまいましたが、頭の片隅にはあって2月になると思い出す、そんな山になっていました。記述は、それぞれの山が単独で紹介されているが地形図を見ると割と近いように思われた。自分の山スキー技術はハイグレードではないのですが雪の山に登るのには、特に、単独で、ラッセル必死の対象が多い趣向なので山スキーは頼りになる。厳冬期はワカンも合わせて持ってスキーで登高できないときは、(スキーアイゼンは購入していないので持っていない)ワカンに履き替えてスキーは担ぐ。対象によってはアイゼン、ピッケルを持つときもあるが、今回はアイゼン、ピッケルは車に置いたまま、標高も高くないのでなんとかなるかと。
計画は水引入道から馬ノ神岳へ下りるようにしていますが、これは雪の量や質と気象条件でどちら1つしか登れなかった時は水引入道が標高も高いし景色も良さそうなのでそこは押さえておきたかったところを狙って。計画書には条件で逆回りも考えると追記しておいた。
朝、白石スキー場に向かうとき山を見ると水引入道はガスの中、馬ノ神岳は山頂が見えていてルートも良く分かる。車の中で馬ノ神岳の下部は藪がひどそうに書かれていたのを思い出し、滑るなら水引入道の方が良いと言うことに気がついて馬ノ神岳経由で水引入道へ上がるルートを頑張ることにしました。山頂が13時位なら15時には駐車場に戻れるとふんで。兼用靴の中で足が遊んでしまうのと、板が柔らかすぎるのでコントロールがうまくできないのがスキー場での雪山救助訓練で指摘されてしまったので今回は靴下を1枚余分に履いてみた。スキー場の広い駐車場の一番奥から歩き出す。数日前と思われるスキーの跡があったのには驚いた。が、二つ目の沢を渡ったところでスキーの跡は無くなった。その代わりワカンの跡がハッキリ進んでいる。こんなところで履き替えるか???と。
ワカンの跡は自分が決めていた尾根の手前の尾根に登るところで消えていた。そこからは踏み跡無し、と、思って進んで行くと左の尾根から足跡が下りてきている、追い返された??人の足跡は気にせず目的の尾根の末端から雑木のうるさい、傾斜の緩い尾根に入り込む。我慢して登って行くとブナ林に変わっていく、ここのブナ林は樹肌に苔が着いていてお世辞にも綺麗と言えない。ブナ林を1260m位まで上がると目の前に後ろ烏帽子岳を見て主尾根に乗る。すっきりすると思っていたが期待しすぎた、残念。水引入道が左手に綺麗な尾根を落としている。あそこを滑るのかと思うと頑張れる。主尾根はやがて雪稜に変わって、雪も深く傾斜もましてくる。ワカンに履き替えて登ることにする。ここから水引入道の下りに入るまで、面倒くさいのでスキーは担ぐことにする。馬ノ神岳の山頂付近はワカンの跡が浮き出ていて面白い雪面でした。景色も期待通り、時間を確認して割と早いので水引入道へ向かうことにする。
馬ノ神岳への主尾根に出たところ、白い後烏帽子岳
手前、馬ノ神岳、奥に水引入道
緩い傾斜を広い鞍部に向けて下り、広い面で構成されている雪面は上部へ行くほど急に見える基部へ立つ。足元が少しでも締まっている所を選びながらまだ傾斜が緩い所を写真を撮りながら登って行く。自然と締まっている北へズレていく。
馬ノ神岳山頂部にあったワカンの跡 屏風は雲の中
鞍部からの水引入道
中段部に入ると雪は良い具合に締まって快適に登れるようになるが上段部に行くと傾斜が増して締まりすぎの雪面はワカンでの押さえが効きづらくなっていく。2~3回蹴り込んで上がって行くが厳しくなり、灌木に片足をかけ、気を落ち着けて、ストックのリングを外しにかかる。ストックを少し縮めて900mm位にセット、700mmほど差し込んでやると引いても問題ない、三点支持で1歩づつ、それでも一足4~5回蹴り込まないと足が1/3から半分位しか乗らない。2~30mの高差のことでは有るが慎重に進めて傾斜が緩くなる稜線近くに上がった。アイゼンワッパにできない装備計画のことを後悔したが後の祭り。
山頂の5mくらい屏風岳側の稜線に出て、安堵感に包まれる。山頂でゆっくりして、景色を楽しむ。計画通りの回り方だったら山頂から下ることができず、引き返すことになったと、逆コースに決め手をくれた天候に感謝です。
H・I記