はじまりの山、雲取山
2025年9月14日(日)
都民にして東京都最高峰に登ってないとは何たることや。小池さんに顔向け出来ない。
特別避けていたワケではないが、雲取山はとにかくアクセスが悪い。電車とバスでなんて来たら日帰りピストンは走らなければならないし、車で来ようにも駐車場はすぐに埋まり、前泊か未明には着かないと留められない、ホリデーハイカー泣かせの山だ。近いのに前泊とか面倒だし、なんだかんだで後回しにしてしまったが、当初予定していた南アルプスのテン泊が天候不良で中止になってしまったので、かろうじて天気の持ちそうな雲取山へ日帰りハイキングすることにした。
雲取山を知ったのは20代半ばの頃。当時山をやっていた友人が雲取山にテントで泊まって山登りをしていると聞いて、その頃山など富士山と高尾山くらいしか知らなかった私からすると、真っ暗な山の中で野宿なんて、とんでもない事であると同時にその壮大さに憧れを覚えた。
時は流れ、気付けばたくさんの山を歩くようになった今、まだ雲取山の山頂を踏んでいない事を思い出し、せっかくいい時期に時間が空いたので取りかかってみる事とした。
その日は朝?1時に起きて2時に出発。
八王子ICで下りて下道で鴨沢の駐車場に4時半頃に着くも駐車場は8割方埋まっていた。狭いスペースに車をねじ込み、5時に出発。ヘッデンで歩き出すが、すぐにライトが要らなくなるくらいに明るくなってきた。
七ツ石までは延々と緩やかな登りで長くてうんざりするが、逆に言えば整っているから緩やかに登っていけるのだなと管理者に感謝。
七ツ石小屋から七ツ石山までは斜度のある登りが続くが、七ツ石山を過ぎると気持ちの良い稜線歩きになる。
(七ツ石小屋はとてもいい小屋だった)
予報はイマイチのハズだったが、まさに快晴。稜線からはずっと富士山がキレイに見える。富士山には笠雲がかかっているから、あちらの方はやはり天気が悪いのだろうか。曇りくらいかと思ってサボった日焼け止め。こちらはもう頬がピリピリしてきたぜ・・・。
えっちらおっちら歩きつつ、小雲取山手前の坂を気持ちが折れそうになりながら登り続けるも、振り返ると富士山。その雄姿に何度も励まされた。
そこからいくらか木々の中を歩いて抜けると雲取山のピーク。
正直、小雲取山から振り返って見た時の展望の方が感動だったかな(笑)
昔、あいつはこの道を歩いてこのテン場に泊まったのかとか考えてみる。別に故人ではないけれど。
あの日憧れた山頂に立ち、友人の話に心を躍らせ、頭の中で思い描いた空想のアドベンチャーと、こうして現実に歩いてきた光景が一つに重なって実に感慨深い。
山に憧れたきっかけの山の山頂に立ち、自分の気持ちに一区切りできた、そんな山行でした。
■メンバー L:SM
■ルート 小袖登山口~七ツ石山~雲取山(ピストン)