只見大滝沢・浅草岳・守門岳

山毛欅林を堪能した 3 日間

2025年10月22日~24日

900m 続く滑沢を歩く
福島県只見川の布沢川大滝沢で沢歩きを楽しんだ。
ここは林野庁の「森林生態系保護地域」に指定されている。「森の分校ふさわ」で長靴をレンタして、いざ久しぶりの沢へ。駐車場には他の車が無く、私達だけが沢に入ると思われたので、歩きはじめる前に、森の分校のスタッフのアドバイスにより、コメリで買い求めたクマよけ用の爆竹を鳴らした。爆竹を鳴らすのはメンバー全員人生初めての経験だった。

大滝沢
長靴で沢歩きと?疑っていたが、なんと滑らない業務用の長靴だった。沢歩きが初めてのメンバーがいたが、リーダーがアドバイスしながら、おしゃべりしながら、木漏れ日の中、全く緊張しない沢歩きを楽しんだ。

長靴をはいて沢歩き

田子倉只見沢登山口から浅草岳縦走
以前、残雪の時期に入叶津からピストンで浅草岳を登った。ブナの巨木と頂上直下の雪原の水の流れが忘れられない思い出の浅草岳。最近の登山者情報によると、入叶津からの登山道は藪のため、登る登山者も少ないらしい。樹齢の古いブナ林の素敵な登山道なのでとても残念だ。
田子倉登山口には只見線の消えた駅「田子倉駅」があり、駅舎は今も残っている。
その昔、リーダーの U さんはネズモチ平の登山口から縦走し、この駅に降りたという。駅の使用は 1984 年に休止したというから 40 年以上前かな?
駐車場には清潔なトイレがあり、登山口の大きな駐車場には先行車が 1 台。
自分の予想では登り 4 時間半、標高差1000mと久しぶりに緊張感のある山だが、鬼ガ面の岩山と紅葉を楽しみに歩きはじめる。登り初めからブナ林が迎えてくれる。

仮説の橋を渡り灌木帯が始まる

朝日にキラキラ輝く田子倉湖

ヤセ尾根に乗り、頂上が眺められ、しばらくすると鬼ガ面が見え始める。紅葉に彩られた岸壁。どうしてもここで写真を撮りたくなる眺めだ。

にぎやかに写真を撮りあった後、1 時間半の急坂を登り詰めて山頂へ。山頂は 360度のパノラマ。遠い南には双耳峰の燧ケ岳と日光白根、その西側には荒沢岳や越後駒ケ岳、巻機山も見えているはず。今年は幻に終わった中ノ岳と丹後山は越後駒に隠れて見えない。北側には明日登る予定の守門岳が見える。

山頂から前岳へ
ネズモチ登山口のお迎えを 3 時にお願いしているので、急いで昼食をとり下山開始。
山頂から前岳までの草紅葉、振り返った山頂からの裾野の紅葉も名残惜しい。桜曽根を下り、林道を急いで約束の時間までにどうにか登山口に到着した。

ブナに癒される
ルート:田子倉登山口~山頂(1,585m)~ネズモチ登山口
9.2km +1104m -726m 7 時間 30 分

守門岳 保久礼から大白川へ
守門岳の登山口は 5 つあり、私達は西側の保久礼(ほっきゅうれ)小屋からのコースを選択。民宿のご主人に登山口まで送ってもらう。立派なトイレがある。保久礼コースも歩きはじめからブナ林だが、赤土の登山道は木製とプラスチック製の階段が延々と続いている。階段が無かったら、ツルツル滑って怖い思いをしただろう。灌木の先がだんだんと明るくなり、大岳に到着。
大岳からは守門岳のピークに続く縦走路がでーんと見える。快晴の一日、幸せな気分で紅葉の低灌木の中をのんびり歩こう。

大岳からの紅葉の縦走路
青雲(アオグモ)岳付近の縦走路は平坦で周囲の景色が良く見わたせる。春の季節には池塘とお花で美しいだろう。青空の中、目の前はもう山頂だ。山頂で民宿のお弁当(600 円安い!)を食べる。おにぎりとおかず、私には多すぎて食べきれない。

池塘

たくましい U さん
昨日のうちに下山口に車を駐車しておいたので、今日は下山時間を気にせずに降りられる。大白川コースは赤土の上に落ち葉が重なり腐葉土になっている。滑ることはないが、狭いトラバース道や、ロープの急坂が多く緊張する。小烏帽子までの草地の平原でほっと一息。

草原
根曲がりのブナが多くなり、エデシ尾根の949mの小ピークからは地図上の狭い等高線300mを一気に降りる。すすきの原に囲まれた大白川登山口に全員無事にクマにも遭遇せず到着できた。簡易トイレが設営されていてありがたい。
今回私たちが歩いた浅草岳、守門岳の登山道は道脇の草木の刈り払いがされていて歩きやすく、道標も見やすかった。守門岳の登山道、標識、駐車場のトイレの管理などは民宿のご主人が市から委託され、作業しているそうである。どこの山岳会も平均年齢が高齢になり、地元の山の管理が難しいのが現状のようだ。山に登るのは自分の楽しみである。目に見えない方々への感謝も忘れないようにしたい。

元気に枝を広げたブナ
秋はカメムシも忙しい。繁殖したカメムシたちが越冬するため温かい場所を求めて人里を飛び交っていた。民宿のご主人も対策を練っていた。車を出して下さった K氏の車にもカメムシ達が忍び寄り、ここぞという隙間に入り込んでいた。慌てて追い払い、帰りのインターチェンジでもつぶさないように追い払った。
家に戻った K 氏、カメムシと再び格闘し、なんと 150 匹の彼らを見つけ駆除したとのこと。皆さん気をつけてね。
ルート 保久礼~大岳(1,538m)~守門岳~大白川
8.3km +948m -1,105m 8 時間

■メンバー UD(L)、SD、 他 2 名
■宿泊:入広瀬 大雲沢ヒュッテ

 

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