2023年12月 第一例会(学習会)報告

2023年12月 第一例会(学習会)報告
2023.12.05 19:30~21:00
シーノ・ZOOM併用開催 参加者 シーノ7名ZOOM 6名
学習会メインテーマ 『雪山の知識』
講師 H高さん
これから雪山のシーズンを迎えます。雪山の基礎知識を日高さんにお話ししていただきました。雪山の歩行やテント泊をされたい方を対象としての初歩的な事項の説明です。
以下、簡単に概要を掲載しますが、詳細はさくらポケットをご覧ください

1.雪山の登り方
◦フラットフイッティング(足の裏全体を雪面に置く)による足の置き方を意識する。
◦斜面がきついと思ったらキックステップ(又はキックステップ+フラットフィッティング)で登る。
◦フラットフィッティングを意識して登ると自然と逆ハの字になる。
➤雪山の事故は雪崩も想定されるが、転倒もかなり多いので注意が必要だ。斜めに上がっていく時は、谷足(足の向きは下)・山足(足の向きは進行方向)の向きに注意する。ピッケルは常に山側に持ち(どちらの向きにもなるので両手で扱えないとダメ)、体の前方に突く。
ピッケル→山足→谷足→ピッケルの順に動かしていく(2点確保)。こうすれば転んだ時に初期制動が効きやすい。

2.雪山の下り方
◦上半身は両脚の間に重心が来るように意識する
◦ある程度の斜面までならばキックステップにより直下降する。
◦ピッケルはバランス保持を意識し、必要以上に寄りかからない。そうしないと上半身が寝てしまい、滑落の原因となる。
◦急斜面ではダガーポジション(後ろ向きでピッケル活用)で下る。

3.アイゼンの注意事項とツァッケ(アイゼンの爪)の使い方
アイゼンやワカン・スノーシューは斜度がきつくなる、雪が堅くなる等の事前段階で装着する。
左右の足の幅を広げ、逆ハの字で歩く。広げないと、反対側の脚にツァッケを引っかけて転倒する原因になる。
(☞アイゼンの付け方)

4.ワカンの注意事項とラッセル(スノーシューも同じ)
引き抜き時に反対側の脚に引っかけないよう、外回しに脚を廻して大股で歩く。
ストックは体重分散のために両手で使った方が沈みにくい。
ストックリングは雪山用の大きい物に変えておく。

5.ピッケルの持ち方
斜面を登下降する際、初期制動を意識して通常はブレードを前にして持つ。左右両手で初期制動できるよう、事前の訓練が必要。
その他、ピック前・シャフトを持つ・クロスボディなどがある。
(☞ピッケルの持ち方)

6.耐風姿勢
突風に耐える・コンテニュアンス時、相手の滑落を止める。
両足とピッケルで正三角形を作り均等に体重をかける。

7.滑落停止
斜面下降中の時等に滑落した場合、初期制動が非常に重要であり、どちらに斜面があるかわからないので、利き手でない場合も練習する。また、転倒した時にはアイゼンを付けた足が雪面に接触することを避けるために膝から下は雪面に接触しない様に上げる事を意識することが大切。
とにかく、転んだ瞬間にピッケルを雪面に突いて体重を預ける。これが非常に重要。
(☞身をもって転び、ピッケルを突く日高さん)

8.スタンディングアックスビレー
ピッケルを使った確保方法。通常の肩がらみより確保者の安全性は高くなる。ただし、要確保者が滑落した時にすぐに確保出来る様、常にロープのテンションを意識していることが必要(ロープがたるんでいると自分も吹っ飛ばされる)。

9. テント設営
場所;強風、樹木からの落雪、雪崩が発生しない場所を選定する。
整地・入り口・トイレ設置場所・装備の置き場所
➤注意;テントを広げ、その上にポールを置く(直接雪面に触れると凍る原因になるので気を付ける

10.テントの中での過ごし方
自分の荷物は自分の廻りに集め、整理整頓を意識する。

11水の作り方
雪をテント内に極力入れないようにする。また、お湯を沸かすとき以外は水蒸気を出さないよう注意する。

12. その他
H高さんが今回の資料作成で引用したヤマケイ・テクニカルブック『雪山登山』☞

13. 質問
☆水を作る時、ゴミを取り除く方法は?
⇒・手で取り除く
・折り畳み式の漏斗にストッキングや台所用ゴ ミ取りネットを被せる。
☆トイレの設置場所は?
⇒・水にする雪を取る所とは反対側
・かなり深く掘る(使用後に雪を少しずつ被せていくため)。
☆雪山の経験が少ないが、どんな山がいいか?
⇒ex.リフトで上がれる谷川岳の天神平・上州武尊山・日光白根山etc.
ただし、初心者は絶対にソロでは行かない事。
⇒降雪直後はよく潜り、春になると安定してくるが、現地に行ってみないと分からない。
⇒同じ様な山域でも、谷川岳の雪は重く、尾瀬はパウダースノーだといわれる。
報告 教育部 T中・監修 H高

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