今年二月に膝の手術を受けたH竜さんの久しぶりのリーダー山行である。リハビリ山行と言っても、やはり一癖ある魅力的な山である。神流川沿いをくねくねとカーブの続く山道を車で進む。道の駅「万葉の里」でテント泊し、H竜さんの順調な回復をお祝いする。翌朝早朝、K藤さんと合流し十国峠街道をさらに進み、野栗沢温泉を過ぎ、天丸橋に駐車する。H竜さんの車を下山路終了点にデポする。 天丸橋から登山を開始するが、登山道があるような無いような、沢沿いの踏み跡微かな道を進む。沢を何度も横切りながら、高度をどんどん上げてゆく。度をどんどん上げてゆく、周囲の木々は広葉樹が多い。三十度を超える日が続いていたが、今日は比較的涼しく歩きやすい。靄の中の歩行はマイナスイオンいっぱいで心地よい。沢の詰めのような急斜面を斜めに歩き終えると、尾根に出た。門倉山(1572m)に到着。この尾根は東方にある両神山の赤岩尾根から続いている昭文社地図の破線の尾根であるが、ここからは実線の尾根になる。歩きやすい尾根を十五分ほど歩くと、岩稜の頂きが見えてきた。天丸山(1505m)である。尾根から十分程歩いて、頂への取りつきに到着した。垂直に近い岩場に、太いロープが下がっている。この頂を登るために、岩稜帯用のアプローチシューズを履いてきた。片手にロープを握り、手を探し、足場を探しながら頂上へ。頂上は360度の展望ながら、本日遠景は望めない。しかし、岩山の頂からの眺めは気持ちよい。緑の山々が美しい。下山路の馬道らしき木々のふくらみも見える。昼食後は、さらに慎重に岩山を下る。馬道のコルから少しずつ高度を下げ、だらだら道に飽きた頃、下山口林道に到着し、本日の山行は終了した。下山後、野栗沢温泉「すりばち荘」で入浴。民宿のご主人に冷やした源泉をご馳走になる。少しの塩気と炭酸の不思議な味のとてもおいしい水である。道の駅「上野」でてんぷらそばを食べて帰路についた。帰り道、御巣鷹山に慰霊に向かう方々のバスとすれ違う。三十一年前の日航機事故の時には、この小さな山村は大変な騒ぎであったろう。本日主役のH竜さんは、手術後6カ月とは思えないしっかりとした歩きである。岩山も難なく登り降りしている。日頃のリハビリを頑張っておられるのだろう。無理せず穏やかな復帰を待っています。岩稜帯好みのメンバーに合わせた地味な山行をありがとう。
八月十一日◎メンバー:H竜(L)塩D(SL)I村・K藤・島D