九州山巡り

2018年4月27日

当初二~三週間の予定が、仕事先の了承が得られたので一か月以上の計画とすることになった。車中泊、自炊でなるべく出費を出さないことを基本にしたケチケチ旅行。自分一人何とでもなる気軽さで始まった。車内はシートを倒すと1,80mの平らな空間ができ、収納を兼ねたキッチン台を設けて雨天時でも食事に困らないように設定した。今回は新たに座椅子を持ち込み快適さアップ。

4/27  ゴールデンウイーク中は人混みを避けて比較的マイナーな英彦山から始めた。九州の玄関口らしく中宮で奉られているのは宗像三女神、参道の両側には今でも僧坊が残り、修験道の当時の賑わいを思う。

4/28  背振山ではコバノミヤマツツジが美しい。修験の山、役行者が奉られている。当時見晴らしが良かったのだろう「唐人の舞」で故郷を思い舞ったという。今は玄界灘に向かって自衛隊のレーダーが立ち並ぶ、今も昔も中国、朝鮮半島とのつながりは深い。来てみて初めて触れることの有難さをを感じる。

4/29  多良岳にも役行者が奉られ、経ヶ岳への尾根道は修験の道を思わせる。有明海に沿う生ガキの店を振り切って雲仙岳に向かった。

4/30  仁田峠のツツジは満開で、ミヤマツツジが山腹を彩る、急速に天気が回復し、風穴を回ることにした。火の山の大地に生きるヒカゲツツジの白さが美しい。

5/1  フェリーで熊本に渡り、翌朝阿蘇山中岳、高岳を目指す。ロープウェイ駅のゲートに車を置き、砂千里浜を火口を回り込むように行き、九州の盟主たる雄大なパノラマに浸る。大地の上に一瞬授かった命に感謝、少し感傷的か。

高岳からの天狗の舞台に広がるミヤマキリシマはこれからのようだ。久住山で出会った人の話では、5/20前後、草千里浜のルートは閉鎖され、烏帽子岳はミヤマキリシマで満開だったという。

5/2 通潤橋を目の前にした道の駅で雨の通過を待ちながらパソコンを相手にデータ整理。

5/3 翌朝国見岳を目指し、内大臣林道の谷に下りるが、通行止めや昨日の大雨で沢沿いの道をウロウロするのは危険なので、登山口を五家荘に変更した。国445号で峠を越え、県道159のうんざりするほどの山道を車で行く。山頂付近ではシャクナゲが群生して花をつけていた。フェンスの中のうっそうとした植物が鹿の食害の凄まじさを物語っている。

5/4 市房神社から市房山を目指す。今日も冷たい風が吹きつける。山頂からの眺望はいいが、周りは低山、付近はツクシアケボノツツジが満開。結構急登でした。

5/5 尾鈴キャンプ場から長い林道、沢には魚の姿、甘い香りの白い花が和ませる。少し疲労感、登山口から頂上まで倍の時間を覚悟して頂上にたどり着き、シャクナゲ千本林への尾根を諦め、ピストン下山とした。

5/6 ~ 5/8 雨のため本とパソコンが相手、クーラーの氷確保のスーパーも欠かさない。節約一番。

5/9 天気予報では晴れであったが、高千穂河原で霧雨が晴れるのを待ったがあきらめて登り始めた。天孫降臨の地はさすがに気持ちが引き締まる。5分咲きのミヤマツツジが溶岩にへばりつくように花をつけている。地元のカメラマンと親しくなって名刺をいただいた。写真の話を聞きながらの山歩きも楽しい。

5/10 大箆柄岳に通じる林道は車を擦りながらの荒れ道。ほとんど眺望がない中、突然頂上で視界が開けた。高隅山系が並び桜島、その脇に錦江湾が小さく見える。

5/11 S木さん、K端さんを空港に出迎え、仙厳園へ。今日の桜島を目の前に殿様気分を味わう。道の駅「いぶすき」で1泊、翌日開聞岳へ。
朝から快晴、近づくにつれて眼前に迫る姿に圧倒される。登山口から照葉樹の中を歩く。三ヵ所ほど展望が開け、美しい海岸線が望まれる。山頂は溶岩ドーム状で展望がいい。青い海と海岸線が印象的だ。指宿で入った公衆浴場は運よく露天風呂もある地元の静かな温泉でした。道の駅で求めたシイラのすり身で鍋になった。カツオのハラミもうまい。S木さん、K端さん、爆食い(驚)。二人のおかげでうまいものにありつけた。

5/13 空港で座席を確保して、坂本黒酢を見学した。この辺りは桜島からの火山灰が降り注ぎ作物には適さないかも。黒酢醸造が多いのはそのせいか。空港に二人を見送った。天気に恵まれ、新鮮な三日間でした。ありがとう。

5/14 来週天気が持ちそうなので車を港に置き、屋久島行きのフェリーに乗り込んだ。錦江湾を抜ける景色を楽しみながら、薄く霞む開聞岳にシャッターを切る。港から白谷雲水峡までのバスは私だけ。終点の駐車場はレンタカーであふれんばかり。屋久島観光はレンタカーに人気があるようだ。避難小屋白谷山荘でも私だけ。夕方遅く一名入ってきたが、静かな夜だ。

5/15 昨日教えてもらった太鼓岩に立ち寄り連なる山々を展望することができた。下調べはほとんどしていないので、頼りになるのは昭文社の地図と登山者の話。楠川分れからウィルソン株までは荒川口からのハイカーでにぎわっていたが、縄文杉まではなかなかいない。午前中に新高塚小屋に着いたのでその先まで行くか迷ったが、オーストラリアからの青年Kimと会話が弾み、ここに一泊とした。会話にもならないが私の意図は伝わったので楽しい。

5/16 今日もスッピンの快晴。シャクナゲが美しい。満開のころは素晴らしいことだろう。高山の明るい稜線、火成岩の白い造形、シャクナゲの道、永井岳に寄り宮之浦岳へ。淀川小屋に泊。

5/17 Kimは尾の間温泉へ、私は紀元杉からバスで宮之浦港に向かう。登山口から紀元杉に向かう途中で民宿の方と常連さんに声を掛けられ、港まで車に同乗させてもらうことになった。車窓からの山はすでに雲に覆われていた。こんなラッキーな屋久島はもうないかも。鹿児島港から日当山温泉を経て大崩山へ向かう。

5/19 午後を待たず天気は回復する予報、十一時山頂を目指して登山口に入った。雲の中の尾根歩き。山頂はツツジが終わり展望は開けない。車に戻り竿を持ち出したが、魚の気配はない。明日の登山口である尾平口まで車で来たが、ここからの八時間半の縦走の元気は残っていない。北谷口に回ってのコースに変更し、登山口駐車場泊とした。

5/20 千間平コースから歩きやすい道が続く。笹の花が満開だ。頂上からは九州の山々が一望される。風穴コースで下山。明日の傾山の近く、原尻の滝に向かう。途中岡城に立ち寄った。九州のど真ん中の山奥の岩山の上に堅牢な石垣が築かれていた。穴太衆を呼び、高虎の助言を仰ぐほどの城がなぜここに。島津への備えか。後詰は清正。石垣が美しい難攻不落の城は一夜の内からの炎で焼失してしまった。

5/21~22玄界灘は快晴、太平洋側は雨、山はやめて西海市の旧友を訪ね崎戸町に行くことにした。

5/23 久留米に戻り、車内でパソコン入力。

5/24 長者原から入山し、坊ガツルでテントを設営、大船山に向かう。尾根はミヤマキリシマが3~4分咲きというところ、まだつぼみが多い。花に引き寄せられて大戸越に。平治岳への尾根、山頂からの西尾根が素晴らしい。今年は一週間ほど例年より早く、幸運にも満開に出会うことができた。

5/25 北千里浜の火口底から久住山へ、硫黄山から今でも煙が上がり火山の国だ。火口を囲むように山々が立ち並ぶ。昨日の大船山、平治岳が今日も美しい。山頂を染める平治岳の向こうに由布岳がかすむ。

 

5/26 午前中天気が良くないので、国東半島を歩くことにした。熊野摩崖仏から鋸山の尾根まで往復し、真木大堂、田染荘を廻り、富貴寺、宇佐神宮を回ってきた。神仏習合のおおらかさを感じる。

5/27 正面登山口から由布岳に向かう。小さな子供でも登れる町の裏山のような整備された道が続く。山頂直下になり鎖や岩稜が現れ、疲れた体が引き締まる。初老のいかにも地元の方と思える方がお鉢周りに入っていったので、私もつられてはいってみた。稜線のミヤマキリシマが美しい。お鉢周りの岩も美しい。鶴見岳を登り返す元気はもはやないので、日向岳分岐を登山口に帰り、ロープウェイで鶴見岳へ。明日から梅雨入り、四日間の雨は長い。

6/2まで日程はあったがここで終了とした。別府温泉で汗を流し翌日高速に乗って帰宅となった。ほとんど余裕なく動き回る毎日でしたが、充実した山行でした。仕事先のご理解、会の皆様のご協力、家族の理解があってこそ実現できました。ありがとうございました。佐々木雅枝さん、川端さんありがとうございました。またどこか行こうね。

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