那珂川水系苦土川 井戸沢  梅雨の晴れ間に沢登り

2020年7月20日

願の那須の井戸沢に行くことができた。梅雨の晴れ間の平日、メンバーはS木さん、M谷さんと3人である。

井戸沢は栃木県と福島県の県境、三本槍岳から西に延びる稜線の流石山の西に突き上げる沢である。枝沢も少なく、苦手なゴルジュも泳ぎも無く、登りやすい滝と滑床が特徴的だ。今年初めての沢登り、怪我をしないように、二人に迷惑をかけないようにと山の神に願掛けした。

登り初めの15m滝は右の壁を登る。少しかぶり気味なのでM谷さんがロープを出してくれ、プルージックで安全に登った。その後次から次へと短い滝が現れる。100mの標高の間に10m~15m高さの滝が6つもだ。二俣を過ぎると、傾斜のある滑床が続く。沢水が枯れ始めると、段差のある岩がゴロゴロ、さらに傾斜もきつくなり、一歩を高く踏み込まなくてはならない。訓練不足にはとてもつらい。

(緑の木々の中 登り始め)

(気持ちよく登る)

上を見上げると、緑の稜線が薄曇りの空に見えてくる。後ろを振り向くと、鏡のように光る沼原池、深山湖が見える。源流の最初の流れを確認して、笹薮を登って終了点へ。稜線の周囲を見回すと東には赤茶色の山容の那須岳、北は会津の山々、きっと西の先には会津駒ケ岳も見えていたはず。稜線の眺めは米子沢を登り詰めた巻機山の尾根のようだ。

昼食後最短距離で下山できそうな尾根の偵察をする。100m程は膝高さの笹薮だったが、その後は猛烈な勢いの木々と笹に押し戻されてしまった。時間はかかるが、一般道の大峠から沢筋の道を下る。途中渡渉が3か所、沢靴を履いていないと、渡渉がこんなにも恐ろしいなんて。危うく滑りそうになる。入渓地点に戻り、ほっと一安心。暗くなる前に駐車場に到着した。日が長くて良かった。

帰りの車中では、体のメインテナンス方法、ロープワークのやり方、次の沢の計画などの話が尽きない。二人とも本当に沢が好きなのね。そのための訓練も日ごろからたゆまず実践されている。

沢登りの魅力は人それぞれだろうが、危険は皆に平等にある。危険な状態に陥らないようにするために、日々の鍛錬は欠かせない。安易に取り組んではならないし、人を当てにしてもいけない。歩ける筋力、背負える体力、登れるクライミング技術、その場に必要なロープワーク技術、もしもの時のビバーク技術、リーダー力等々きりがない。

私にはどれも不足している。

でも、今日の沢登りは楽しかった。一か所行き詰ってしまったが、自分のラインで登れたし、安全性を共有できるメンバーとの山行の機会はそれほど多くない。

(たわわに咲き誇っている)

(稜線のキスゲ)

↑(沢筋はまっすぐ)

CL:S木 SL:M谷 MS

大川林道終点ゲート8:15―入渓9:45-二俣12:00-稜線1782m13:20―下山道探索15:20-大峠16:30-三斗小屋跡18:10-林道終点18:44

記:MS

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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