東北百名山に登る;八甲田山 77歳の記念の山旅

2023年7月22日〜23日

骨折後4か月たち、本格的な山登りを今回八甲田山で始める。しかし、やり通せるか不安はあった。ダメだったら、夫を犠牲にして、ひきかえせばよい、とにかく始めようと、決意する。

酸ヶ湯温泉の上の駐車場そばに鳥居がある。ここが、登山口だ。10時出発。始めは緩やかな坂道。次第に樹林帯は無くなり、遠くに「南八甲田」が見えてきた。12年前南八甲田に登っている。南八甲田の登山道のあのドロンドロンに泣かされた事、沢に落ち、助けてもらった事等を懐かしく思い出しながら、更に山道を登る。

樹林帯を抜けると黄褐色の土と岩場、あたりは硫黄の匂いがどことなくしている、不気味な場所、地獄湯の沢にたどり着く。「有毒ガスが出ているかもしれないから、早く通過するよ」とリーダーの指示。「早く!」と、言われても、足が中々いうことを聞いてくれない。必死で切り抜ける。

仙人岱の休憩場に1230分到着。ここまで来たら、もう、あの恐ろしい地獄には戻れない。前に進むのみ。昼食もそこそこに、立ち上がると、さあ、出発。「あれ!オタマジャクシがいる!」と誰かが叫ぶ。しかし、こちらはオタマジャクシどころじゃない、「進め、進め」本格的な登りが始まった。最初は綺麗なお花畑の中の登り、ところが上に進み、頭を持ち上げると、火山の溶岩の積みあがった登山道、急登だ。「ヒイヒイ、ふうふう」だ。仲間が「F田さんのザックを皆で分けよう」と、言って下さり、全く申し訳ない。どの人も苦しいのに。すっかり、軽くなったが、それでも、足が動かない。この私の身体が、大根足が、超重くて、「痩せる薬が欲しい」本気でそう思った。

山頂手前の鏡沼がすっごい美しく、なぐさめられた。絵に描くとしたら、この透き通った沼をどのように描くのだろう。と、思いながら、進み山頂14時到着。360度の大展望。しかし、もう時間が押している。ちょっと、休憩して下山開始。「魔の2時、慎重にね」注意喚起の言葉に身も引き締まる。下山道も急降下だ。ストックの使い方を検めて、S水さんから教えていただきました。

避難小屋を通過すると、広々とした高層湿原の毛無岱に着く。キンコウカの大群落が見事。振り向けば、今、下山してきた大岳が立派だ。大きなデッキでホッとして、休憩した。大の字になって寝たい感じのとても気持ちの良い所だった。いつまでもここにいたいなあ。秋は素晴らしい紅葉だろうな。湿原はどこまでも続く、と、言いたかったが、やがて、280段の急な木の階段が現れ、慎重に下ると「酸ヶ湯温泉まで0.5㎞」という看板を見て、やっと終わり、と、思ったが、ここからが凄く長かった。道も悪い。「あわてるな、焦るな、気をぬくな、慎重に、慎重に」と自分に言い聞かせながら、酸ヶ湯温泉1740分到着。もう、ヘロヘロ、ヒョロヒョロ。温泉についても暫くは動けなかった。77歳の記念の山旅だった。皆さん大変お世話になりました。

7/22(土)

リフト乗り場12:30~リフト(10分)~岩木山13:50~嶽温泉16:00

7/23(日)

嶽温泉7:50~酸ヶ湯温泉10:00~仙人岱水場12:30~大岳14:00~宮様分岐15:45

展望所16:00~下毛無16:30~酸ヶ湯温泉17:40

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