2021年9月25日
八海山」て山? 日本酒? 山岳会員としては山と言わねば。越後の名峰、信仰の山だ。私も八ツ峰や新開道は歩いた事があるが、屏風道は初めて。鎖の連続で屏風道登山口〜千本檜避難小屋まで34本、その先大日岳まで更に18本あるとか? 私には数えられなかったが。
昨夜は粒の大きな霧雨(?)が降っていた。登山道滑らないかな? 岩の染み出し大丈夫かな? 低い雲を仰ぎなら不安になる。
さあ、出発。あれー? ストックがない! 忘れてきちゃった。膝が…。下りの新開道大丈夫かなぁ。あそこの下山きつかったのに。不安がよぎる。H竜さんが1本貸してくれた。ありがとう。H竜さんも膝が痛いのにごめんなさい。
気を取り直して出発。すぐに渡渉点に着く。増水時用のカゴに乗ってみたいが足で渡渉する。
(カゴは対岸にあった残念)
清滝分岐までは普通の登山道だ。アップダウンやトラバースが続く。清滝が見え一本立てる。
更に進むと夏草に埋もれるように鎖が見えた。わーい鎖場だ。ここから千本檜避難小屋まで約950mの標高差を鎖で登る。初めの1本だが、かなりの急勾配だ。先行者がいる。落石を避けるため少し間を取る。「落石させないように気をつけるけど、オレの後にピッタリ付いて来いよ」今回ルーファイは必要ない。必要なのは体力のみ。北斜面なので濡れていて染み出しもある。土も岩も滑るので余計に疲れる。
(すべるー)
何本登っただろうか。
段々とガスが薄れて視野が明るくなってきた。うっすらと青空も見えてくる。一瞬、ガスが切れて左手に岸壁が見えた。あ、屏風岩! すぐガスに覆われた。少しずつ少しずつガスが薄れていく。反対に私はどんどん疲れていく。右側には稜線まで突き上げるのかすごいスラブ。
登れども登れども鎖と岩の急登のみ。鎖だけでなく、木の根・草の根にも助けてもらう。
(H竜さんは遥か上)
H竜さん早い! 見えなくなる。でも、要所要所、絶妙な位置で待っていてくれる。「なんだその死にそうな顔」「うー、死ぬー」また見えなくなった。さっきまでそこにいたのに…。70歳を過ぎてもこの体力はすごい。さすが大宮労山3Gの一角だ。途中H竜さんに見えない所で内緒で立ち休憩をした。振り返ると、わー、眼下に見事な雲海。が、写真を撮る余裕はない。
(遥かな稜線 左の緑の中にH竜さんがいる
2時間余、鎖と格闘し、遥か上の稜線上に見えていた避雷針が眼前に見えて、やっと千本檜避難小屋に到着。汗のシャワーがすごい。ここでロープウェイからの道と合流する。さすがに人がいた。最近、人と会わない山が多かったので、コロナを意識する。
大休止を取って生き返った。さ、八ツ峰だ。鎖を登って地蔵岳。鎖を下りてまた鎖。
振り返ると目の前にまた鎖。もう鎖ウンザリ。人も多くなってきた。鎖場では渋滞だ。
やっと大日岳山頂に到着。「もうイヤ。入道岳は行かない。この先はもう岩場ないし疲れた。」
(大日岳より入道岳を望む)
下山は予定通り新開道を行くというH竜さんに「ストック1本で新開道はきついから、いーっちばん楽なコースを行きたい」とワガママを言う。H竜さんには物足りなかっただろうがロープウェイ下山に同意してくれた。へへ、ありがとう。
下山は快調。そして! なんと! ロープウェイ山麓駅からH竜さんが約1時間、一人で歩いて車を取ってきてくれた。ストックを貸してくれたり色々とありがとう。お世話になりました。
言わずもがな八海山は名峰だ。でも日本酒の八海山もいいなぁ。
山行日 9月25日
メンバー LH竜・TN
コースタイム
屏風道登山口5:40-清滝分岐8:00-千本檜避難小屋10:15~10:25-地蔵岳10:45-大日岳12:00-千本檜避難小屋13:00-女人堂14:00-ロープウェイ山頂駅15:10
記:TN