『1科1属1種の正真正銘の日本固有種。しかも10cm近くにもなる大型の華麗な花(正確には萼片)が咲く、まさに日本を代表する植物といってよい』と、白根葵(シラネアオイ)が「山の花1200 (青山潤三著 (株)平凡社発行)」に紹介されている。残念ながら、関東近辺では高山に登らないとなかなか出会えない。地元柏崎市の地元のHPには、「白根葵が八国山(ハチコクサン)に群生し『八国牡丹』と言われて大事にされていたが、乱獲により激減してしまった」とある。有志により保護、植栽されたりしてかろうじて守られているらしい。八国山は標高518mで他の刈羽三山の米山993m、黒姫山891mに比べれば低い。ガイドブックにも紹介されておらず、1/25000地図にも登山道などの記載もない。地元の『八国の自然を守り親しむ会』作成の地図を送付してもらった。中腹の桐が3・4本植えられている場所には「カヤカリ場」跡があり、実を着けたたくさんの片栗や菫類、三葉土栗(ミツバツチグリ)等を見ることが出来る。里山である、正確には里山であったと書くべきか? 茅葺きの家はもうないそうであり、今は利用していないとのこと。コシヒカリの本場だけに休耕田はほとんどないが落葉の堆肥作りもしていないだろう。朴乃木(ホオノキ)には花が咲いている、その朴葉も今は料理には使われていないと思われる。標識・案内板もあり、登山道は整備されており道迷いの心配もない。積雪も見当たらない。当日も地元の方による登山道、小屋等の保守点検がなされ、山頂の神社も雪避けの板を取り除いていた。青々とした木々の葉や群生する白い二輪草の花の中に咲き誇った八国牡丹は、数は少ないながらも私たちを癒してくれた。他にも多くの種類の花に巡り会えた。現状の姿は、地元の『八国の自然を守り親しむ会』等のボランティアの方の多大な貢献のお陰と想像できる。いくら感謝しても感謝しきれない。
【見られた花々や蝶】
白根葵、天南星(テンナンショウ)、浦島草、二輪草、大葉黄菫、常葉錨草(トキワイカリソウ)、花筏(ハナイカダ)、山荷葉(サンカヨウ)、雪椿、猩々袴(ショウジョウバカマ)、越後寒葵(エチゴカンアオイ)、稚児百合(チゴユリ)、青木の花、楓もみじ類の花、朴乃木の花等など。
ギフチョウ、逆八蝶(サカハチチョウ)、揚羽蝶(アゲハチョウ) (記 TK)
GW後半の4日から6日まで、新潟県の刈羽三山へK原塚さんリーダーの9人で行った。4日の朝、新潟の山へ登るのだからと、雪山山行を想定し、完全装備をして北上尾駅へ向かった。黒姫山へ行く予定が登り場所が分からず、急遽秋葉山に行った。標高340m。その後、河原塚さんの「道なき道を行く」訓練があった。小枝を踏みかき分け、木をまたいで、登ったり降りたりと道なき道を行った先には、満開の藤の花が綺麗に咲いている木を見つけた。その高台から降りようと降口を探すと道のようなものがあり、そして下山。夜、キャンプ場にてテント泊。自炊場があり、トイレもあって快適だが、ブヨが多かったのが難点。K原塚さんお手製の料理を食べ、その後の語らいも楽しかったが睡魔には勝てず明日からの山行もあって早々に就寝。夜中に、すごい雨音!5日、朝起きてみると雨は上がっているが、そこここに濡れた後。テントの中も湿っていた。この日は米山。標高993m。夜中の雨が嘘のように、よく晴れ渡った天気。空が真っ青。米山の頂上から日本海や佐渡がすぐそこに見えた。この日の夕食は惣菜を買って食べようということになり、スーパーへお買い物。パック詰めのお惣菜、巻き寿司や餃子や何やら、めいいっぱい買って、賑やかに夕食。でもね、何か温かいものが飲みたいとわがままを言って、河原塚さんからカフェオレのスティック袋をいただき、お湯を沸かして飲んだ。やっぱ、カフェオレだね♡ うまッ♪
6日、テントを撤収し、残り物で朝食。
印元と厚揚げのスープ、餅入りだったっけ?他、パンなど。この日は八石山へ。この日も天気は快晴。登山途中、ピンク色の花びらが大きいシラネアオイが咲いていた。福田美子さんが「この花が見たくて登ったんだ!」と、とても嬉しそうに言っていた。八石山の頂上から米山がくっきりと見える。その頂上では、その日が八石山の山小屋開きのようで、ボランティアの方々が忙しそうに山小屋やトイレや神社の掃除をしていた。夜に雨が降った日があったが、昼間は天気に恵まれた3日間だった。ブヨが非常に多くて閉口した。新潟と聞いただけで雪深いと思い、完全装備で参加をしたものの、アイゼンを使う必要も全くなかった。米山に登る時に少し雪があったくらいで、大層楽しく山歩きができた。シラネアオイの花は初めて見た。4枚の花びらが菱形の形をしていて、鮮やかなピンク色。ちょうど満開時だった。
春の雪解けの新潟の山を訪れたのは何回目になるだろうか5月の連休に行くのは昨年の五頭山に続いて2回目である。今年も期待通り、たくさんの花に出会えました。低山なのに高山の花畑のように一面に花、花、花です。地元の人々にあいされ、守られている里山の景色がそこにはありました。春の新潟の山は私にも楽しめる雪山があって、花があり、最高です。企画してくださったK原塚さん、TKさんに感謝です。 (記 S々木M)
【参加者】CL:K原塚、S々木雅、福D美、福D利、Y辺、及K、石D、植M、TK