九竜山・鋸山・天地山

2023年108

昭文社の奥多摩の地図に、天地山への一般道は載っていない。九竜山にもない。となると余計に行きたくなるのが人情だ。でも行けるかなぁ。地図を見ると急登ばかり。滑落したらどうしよう、と迷っていたところに、今回やっとそのチャンスが来た。

 奥多摩駅近くの病院を左折し、後ろに建つお寺の墓地の中の階段を上がる。病院の後ろにお寺かぁなどと、不謹慎な事を考える。いけない、いけない。

 いきなりの急登。僅かな踏み跡を行く。先を行くリーダーは何度も声をあげて立ち止まる。蜘蛛の巣だ。顔に張り付くらしい。あまり歩かれていないようだ。後続の私の顔は無傷。へへ。程なく林道に出た。鉄ハシゴを登り、尾根に取り付く。

急登が続く。が、踏み跡はしっかりと付いているし、尾根もはっきりとしている。芯を外さなければ危険は無い。地図を見ると、九竜山までほぼ同じ様な急登が続くようだ。途中、少し開けた所で奥多摩湖が見えたが、展望はここのみだった。

九竜山山頂も展望なし。江戸小屋山然り。ただただ黙々と登る。

九竜山

次のピークは鞘口山だが、その手前に山頂を巻くショートカットをリーダーが発見。「おれはいつもショートカットだ」。確かに距離だけはいつもショートカットだ。でも、時間は? 労力は? いつものことなので素直に従う。最初は明瞭だった踏み跡が、ご多分に漏れず不明瞭になっていった。「上に尾根が見えるから大丈夫だよ」 とリーダー。なるほど。地図を見、前方にあるであろう尾根を目指す。道なき道を進み尾根道に合流した。ここは御前山からのハイキングコースのようだ。今まで赤テープが所々にあるだけだったが、急に道標が多くなってきた。

ベンチのある鋸山

と、リーダーが突然立ち止まる。「何か黒い物が走って行った。熊か?」 地図に載っている一般道で熊? 確かに木の実が少ない。逃げて行ってくれて良かった。気をつけて行こう。

鋸山へのルートに入る。最後に岩場と梯子と急登10分格闘後到着。ここは奥多摩からの直登ルートがあるからか山頂にはベンチがあり、今日初めて人に会った。

次が今日のメインテーマ天地山。奥多摩へのルートを外れ、急な尾根を下って行く。仰ぎ見た木の間越しに鋭角のピークがそびえていた。ワッ! あれだ! ここまでの下りもきつかったが登り返しもきつそうに見える。行くしかないなぁ。フー。

ロープ

見た目通りきつい。ロープがあり岩場もある。が、岩場が多いためにエイコラサとやっているうちに山頂に着いた。急登をただ登るより気分的に楽だ。

 あーあ、ここの展望も…。北西側が少し開け、長沢背稜らしき尾根が連なっていた。

 さ、あとは下山のみ。地図が 『途中からは林道だよ、楽になるよ』 と教えてくれていた。が、地図上にショートカットの支尾根を見つけてしまった私。

見た目より急斜面

取付きが分かりづらいから一般道で行こうと言うに、いやいや、せっかく見つけたからにはその尾根で行くと言うリーダー。あの尾根に乗るぞとズブズブの斜面を楽しそうにトラバースして行ってしまう。

尾根筋はしっかりしているが、緩急が交互に来る。奥多摩全般、下の方が急斜面だ。行く先を見下ろしてため息が出る。この尾根どう? なんて言わなきゃよかった。リーダーについていくのに必死。写真なんて撮る余裕なし。ここが今日一番の難関だった。フー! でも、ちょっと楽しかった。

やっと林道に出た後、車道を避け、あろうことかまた山道に入り、車まで戻った。

メンバー (L).H竜 T

ルート  635駐車場-840九竜山-915江戸小屋山-950大ダワ-1030鋸山-1130天地山-1400駐車場

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