奥秩父 笛吹川 ヌク沢  260mの大滝を遡行

2019年7月13日

安達太良の湯川に行くはずが、雨で中止になってしまった。クライミングジムで「明日の天気が曇りになったから、沢に行きませんか」とS木さんとM谷さんに声をかけてもらった。気温も上がるという。

H竜さんとTNさんも加わり、『道の駅みとみ』で前泊し、翌朝6時前に西沢渓谷の駐車場を出発した。ヌク沢と平行に走る近丸新道を登る。H竜さん先頭で歩く。何か所か登山道が崩れていて緊張した。近丸新道が沢と横断する上の堰堤を超えて入渓した。

外気温はそう高くは無いが、沢水もそれほど冷たくない。小さな滝やゴーロ帯、堰堤もいくつか超えて二俣に到着。少し上を林道が通っている。右が本流。大滝はまだかな? と独り言を言いながら登っていくと、1725m地点に下段100m滝が見えてくる。いつもはロープをあまり出さないS木さんが、初めからロープを出すと言っている。なんてラッキー。今年は沢に一回登っただけで、登攀に自信が無かったので助かった。H竜さんが上でビレーをしてくれ、緊張せず安心して登ることができた。

中段テラスあたりで、S木さん「もうこれで滝は終了かも知れない」という。「えっ、これで終わり?」M谷さんと二人で ?マークを出し合う。ネットで見た記録だとここで2時間近くかかっているはず。残念な気持ちで先を行くと、見えてきました。四角い岩が階段状に重なり合っているように見える上段の滝が。

少し陽もさしてきて周囲が明るくなってきた。滝を見ると左手にクラックのような窪みが連なり水流が見える。あそこなら登りやすそう。そのルートをS木さんがロープを引いて登って行く。途中の岩を抱えている。そして「動く!」と叫んでいる。もし、体重をかけて支えていたらと思うと、ゾッとする。そのラインは他にも動く石がありそうだ。

S木さんに支点構築をしてもらっている間、滝のしぶきと冷気で寒さが染みる。プルージックでまず、私から登る。右階段状の岩は登りやすく、ルートを探していると、どんどん左のラインに近づいてしまった。そして下からは見えなかったけれど、ヌルヌルの岩肌。思わず「怖いよー」と叫んでみるが下の誰も気づいてくれない。プル―ジックを上にあげ、もし、足を滑らせたら自分がどの当たりに落ちるか、どんな状態になるかを想像してまず大股に一歩を踏み出してみる。良かった。滑らず着地できた。小テラスに登り、S木さんの顔を見てほっとする。その先もお助け紐が準備され、至れり尽くせりの滝登りだ。

滝下から滝上まで2時間半かかった。続く同じ形状の上の滝はM谷さんが右滝脇をどんどん登り、しばらく行くとその先は水流が細くなった。左に戸渡尾根の支尾根が見えてきた地点で終了。

下山はしとしと雨の中、単調な杉林や花の終わったシャクナゲの登山道を黙々と下った。

メンバー;CL:鈴木 SL:M谷 H竜 TN MS

タイム;西沢渓谷駐車場5:50~7:15近丸新道横断点入渓~大滝下9:35~大滝上12:30~戸渡尾根分岐14:40~西沢渓谷P17:3

記:MS

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