山梨・日向山 今まで見たことのない景色 ロングビーチ? 砂漠?

 

山行日:2011年5月21日(土)晴れ

参加メンバー:Ky.T、hama
「山梨県の山」という本には日向山という名前では出てこない。雁ヶ原という名前で日向山が出てくる。雁ヶ原の方が知られている、どうしてだろう、と、不思議に思っていたが、その理由は登ってみて納得。
新宿から特急に乗り、小淵沢に9時36分着。タクシーに乗り込む。矢立石まで30分、狭い林道で駐車場近くになると、たくさんの車が路肩に止まり、「これ以上、上に行くと車をUターンさせられないから」と降ろされた。帰りの車の予約をして、矢立石登山口10時15分出発。

よく整備された穏やかな登りだ。この山はまだ、早春。たくさんのすみれが出迎えてくれている。スミレ街道です。唐松の芽ぶきがとてもきれい。そして木々の新緑の隙間から、雪景色の鳳凰三山と甲斐駒ケ岳がチラチラ見えている。甲斐駒ケ岳はすぐお隣り。すごく近い。びっくりした。カラスならひとっ飛び。この甲斐駒ケ岳はずっと私についてきた。

山頂に近付くにつれ、ミツバツツジや、小さくかわいい「マメザクラ」も咲いて楽しい花の山となった。林の中に三角点。どうやらここが日向山の山頂らしいが、まったく展望がないので、寄っていく人はほとんどいません。三角点にタッチ。その後も平坦な登山道が続き、5分ほど進むと樹林帯が切れ、その瞬間、パッツと、目の前が開け、今まで見たことのない景色が現れた。「わーっ!なに!これ!」「ロングビーチ?」「砂漠?」なんと表現したらよいのでしょう。すごく広い真っ白い砂浜(?)が、キラキラ輝いている。不思議な形の岩がろうそくのように立ち上がっている。これ本当に自然が作り上げたもの? 大勢の人がいたのに人間が小さく見えます。真っ青な空。北方面は八ヶ岳、茅が岳、南方面は雪化粧の鳳凰三山、甲斐駒ケ岳。大展望です。大勢の人が雄大な絶景に圧倒されているように、興奮しています。あまりの広さに茫然と立ち尽くす人。奇岩群によじ登って展望を楽しんでいる人。上半身裸でお肌を焼いている人、ハワイのビーチと間違えているみたい、「ちょっとあれはひどい」。雄大な風景を盛んにカメラにおさめている人。しかし、広すぎてうまく収まりません。ここが、『雁ヶ原』というのですね。不思議なことに「日向山」という標識がでていました。

この標識の前で仲間と写真を撮る若者がいっぱい。我々二人も写真を撮ろうとシャッターをお願いしたら、「ぼくも入っていいですか?」と、若い青年が飛び込んできた。びっくりしました。こんなの初めて。この山は若い人に人気のようです。すぐに下山をしたらもったいないからと昼食と休憩を一時間取った。林の中では大勢の人が休憩をとっていたが、なぜか静か、シーンとしていた。みずみずしい新緑に吸い取られていたみたい。


午後1時下山開始。錦滝コースを下る。いろいろな形の岩を見ながらの急勾配の下り。鎖、ロープ、鉄の階段、なかなか厳しい。これは初心者向きでない。錦滝まで40分。滝の所まで来て矢立石に戻るにはここから尾白川林道を2キロ歩く。途中花崗岩の土砂崩れで道がなくなり、崩落している真っ白な花崗岩の土砂の上を横切る。上から今にも土砂が押し寄せてきそうで、息を止めるように速足で通過した。これがもっとひどければ通過できない。この山を目指すには、前もって現地の役場に問い合わせた方がいい。

今度は秋の紅葉の時、来たい。今日は、Ky.Tさんにリーダーをお願いしましたが、下山の時は大変お世話になりました。なにせ、下山は鎖あり、ロープあり、鉄の急な階段ありで、またまたお恥ずかしい声をあげてしまいましたから。

矢立石登山口に午後2時45分に到着。タクシーに乗り込み、小淵沢駅に向かった。今日は来てよかった。この山へ来るのにお金もかかったけど、その価値は充分あります。(hama記)

 

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