幻の小田代湖~中禅寺湖~ 湯の湖を見ながら湖上山

山行実施日;2011.11.20
参加メンバー;Mi.M、To.U、Ky.T、Ka.T

日々絶えず「住宅地図」(千五百分の一)あるいは道路地図と格闘している。

住宅地図は道路と表札、信号名などから現在地や行きたい方向が把握出来る、コンパスは無くてもなんとかなる。しかし、夜は表札は見えず昼と全く異なる景色となり苦労が絶えず時には迷い、適当に走ってリングワンデリングも経験している。更に先日の五頭山山行でも家から待ち合わせ場所の間で迷い込み迷惑を掛けたばかりである。
また、住宅地図と「二万五千分の一」地図との大きな違いは平面的感覚だけで済むか、立体感が必要かであると思う。標高線は基本的に書いていないので坂があると戸惑うことがある。
そのような状況もあり、今回の地図読み山行に参加させて頂いた。いくつか学習させてもらったが、まだまだ慣れ・経験・勉強が必要だと痛感した。
・貴婦人(白樺) ・幻の湖小田代湖などの湖の展望・霰や虹・長く密度の高い石南花とコメツガの薮・鹿接触による電車遅れ など印象に残る楽しい山行でした。  (Ka.T記)

遙かなる湖上山

(2011.11.20 日)
「湖上山(コジョウサン)」綺麗な響きだ。そして、地図読みということにワクワクしながら出かけた。地図読みといっても、方角は単純だし、尾根も迷うような所もないだろう。天気も良くなるという予報だったのが既に晴れてきているので、周辺の景色も見えれば条件は悪くないはずだった。

10:00 弓張峠から尾根にとりつく。初めははっきりしない踏み跡も冒険気分でワイワイと登った。ところが・・・、やがてシャクナゲの群生地に入り、尾根筋を外せば斜面は急だし、尾根筋も何処を通ろうかと迷うほどの藪こぎになった。カメラマンの高橋さんも写真の撮りようが無かったのでは。腕だけの藪こぎでは進まない、体当たりで枝をかき分け、更にこっちのほうがましかも・・・と何回か先頭交代しながらという状態だった。


地図読み中、眼下に幻の小田代湖

湖上山に近づくにつれ、ますますシャクナゲの密集度は増し、加えて天気が怪しくなってきた。シャクナゲの密集状態は、間下さんの言葉を借りれば、「ただ、重なり合っているだけではなく、両側から手を繋ぐように絡み合って」私たちの行く先を阻んでいるのであった。風が強くなり、なにやら白いものが落ちてきた!?天気は良くなるんじゃなかったの??予想以上の藪こぎに時間がかかり、帰りの時間に若干の不安も出てきた。でも、湖上山から外山の方には踏み跡があるらしいという情報を頼みに突き進んだ。

湖上山山頂に着く頃にはすっかり上空は雲に覆われ、風に霰がまじり、寒くなった。それでもここまで適当な休憩を取る場所がなく、気分的にも余裕が無かったので、ここでしばし長めの飲食タイムとなった。思えば、方角や地形でなく植生に苦労した地図読みだったけれど、格闘技のような藪こぎの合間には鏡のように輝く中禅寺湖、湖上山山頂からは日光連山や戦場ヶ原も見えたという感動もあった。

寒いのと、天気が悪くなりそうだったので、早々に外山に向かった。外山は木が生い茂り立木に山名板が有るだけで見晴らしは無かった。既に14:40。この状況ではとてももう一度道無き地図読みで下山する元気は無かった。時間を気にして白根山登山道に出て、確実な登山道で下山することにした。今までよりははっきりした踏み跡を辿って、白根山の登山道に出たときは、この登山道も結構段差が大きく急ではあったのだが、まるで舗装道路の様に感じるねと言い合ったほどだった。降り出した白いものが多くなり、茶色い道が白くなっていく。「行こう。」の上神さんのかけ声を合図に、みんな足早に下山。湯元スキー場に入ったときにはホッとした。何とか暗くなる前に湯元温泉の町に下山完了できた。16:30。

湯元温泉から東武日光駅まではバスで小1時間、バスは空いていて良かったのだが、この時間帯になると電車は本数が少ないし、ほとんどが各駅停車だ。下今市から特急に乗り継げば早く帰れる、と特急券を買い込み各駅停車に飛び乗った。東部日光駅から下今市駅までたった2駅というのに、1つ目の駅を出たところで急停車。「鹿と接触したため車両点検するのでしばらく停車します。」という。「この線には何回も乗っているけど鹿とぶつかるなんて初めて。」と間下さん。そういえば湯元スキー場の中を歩いていたときは草地の所は鹿の糞だらけ、時折声も聞こえていた。かなり人家の近くまで鹿が下りてきているのだろう。やがて乗り継ぎできるはずの特急電車の出発時間は過ぎてしまい、「車両点検中・乗り継ぎ特急とは問い合わせ中」というアナウンスはあったもののどの位待つのか解らない。ぶつかった鹿はどうなったのか?車両点検にそんなに時間がかかるほど鹿は電車を壊したのか?特急は待っていてくれるのか?特急が行ってしまった後の電車まではどの位待つことになるのか?折角買った特急券はどうなるのか?等々気を揉むこと20分。電車は動きだし、乗り継ぎの特急も待っていてくれた。同会社だし、ほとんどの乗客がその電車に乗り継いだのを見ると、まあ、それも当然か。こうしてこの日の山行も無事終わったのでした。今日はいろいろあったなぁと思いながら、ハプニングを楽しんでしまう私でした。

遙かなる湖上山。あの湖上山はシャクナゲの花が咲く頃、ひっそりと花に包まれているのだろうか。(Ky・T記)


湖上山山頂にて

 

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