埼玉県連沢登りネットワーク主催・大滑沢世の喧騒から遮断され自分を見つめる

 

山行実施日;2012年8月25日~26日
参加メンバー;Hi.T、Ry.K、Na.G、G2

五月に足を痛め足底筋膜炎と診断されてから早3ヶ月。痛みも和らぎ、8月沢再開。先ず谷川、赤谷川の渋沢。次週は同じ赤谷川の千の沢。どちらもタープで一泊。千の沢は体調不良者が出て撤退。三本目は、中津川の大滑沢である。

打合会では9名の出席だが、当日は5名のみ。リーダーは救助隊長のT氏。男性3名、女性2名。沢は初めての人、二回目の人、何十年ぶりの人。年齢は50~60代。私が最高齢だが、70歳迄は水と戯れたい。しかし筋力の衰えはバランスを崩し、転びはしないが体がふらつく。無理は禁物。この言葉が頭の隅にこびりついている。

ゆっくり進む。簡単な滝も沢山あり、初心者でも十分楽しめる。慣れてくるとシャワーも水中も迷わず果敢にチャレンジする3人。私は身の保持が優先で少々消極的である。

リーダーは後から全体を見ている。危なそうな所は躊躇せずにロープを出す。時にはお助け紐もある。素早い判断に脱帽。沢も中盤、テン場を探しながらの遡行。妙に辺りが臭い。動物の死骸があるのかなと思った時。「熊だー。」一斉に沢上を見る。声に驚いたのか、一頭が右の崖を猛スピードで駆け上がる。もう一頭は沢からこちらを見ている。餌は大事だ。渡さないぞとばかり睨んでいる。ピクリとも動かない。20m位先であろうか。結構大きくて丸々太っている。「左上に上がって。」とリーダーの声。あわてて登り、今度は静かに歩く。仲良く食事中お邪魔してごめんなさい。ゆっくりお楽しみ下さい。

やっとテン場を見つけ整地し、タープの張り方の説明を受ける。広く使用したいので、二枚を中心で重ねる。雨を考慮し、高さ角度を調節する。枯れ木を集め、食事作り、楽しい宴の始まりだ。山でしか味わえない、ゆったりした時間が過ぎる。静寂。世の喧噪から遮断され自分を見つめる大好きな時間。就寝。

夜中寒くて目が覚める。隣のG.Kさんがツェルトを掛けてくれる。Ry.Kさんが消えた焚き火をおこし、そっと何事もなかったように寝袋へ。

朝一時間遅れで起床。7時出発。晴。足並みもそろい、ペースも良好。源頭近くで水を取る。心配した藪こぎも30分で終了。昼前に尾根に出る。しかし尾根に出る迄、明確な踏み跡は無く紛らわしい。沢も二俣が多く間違いやすい。ベテランリーダーが居なければ危険度は高くなります。余裕ある計画が必須と思いました。下山。私は下山が嫌いです。膝が悪く滑らかに動かないので、トレーニングで筋力を付けなければと思っています。まだまだ仲間と沢や雪山を楽しみたいので努力します。

この沢は楽しめる要素も多いが、ランクの高い滝もあり、地図読みも難しい。是非チャレンジして下さい。(Na.G記)

大滑沢(沢登り・秩父)沢ネット

    初入渓、イバラの道と熊の洗礼

沢登りは今回が初めての入渓となる。これは沢ネットが企画した初級の沢で、タ―プを張っての1泊2日の沢遡行である。

【1日目】8月25日(土曜日)晴れ

大宮から大滝温泉に集合し目的地に向かうが、大宮との温度差が大きく「秩父てこんなに涼しいんだ!」と改めて実感する。車二台で白泰山(ハクビサン?ハクタイサン?)の東方にある登山口に向かう。沢を遡行してからこの登山口に下山するため、車一台をデポし全員で入渓地点の大滑橋に向かう。ここは公園となり駐車場(10台程度)と綺麗なトイレが完備されている。

共同装備の分配およびリーダの注意事項を確認して入渓する。

【2日目】平成24年8月26日(日曜日)晴れ

何か臭うな!1時頃か、焚き火は燃え尽きている。「おきび」が残っている事を期待し、手をかざすと燃え尽きて冷たい。さっそくタネ火を点け焚き火を熾すが、朝まで燃やすには薪が足りない。仕方なく薪を集め出すとKさんも起きだし手伝ってくれる。焚き火は安定し、朝まで持ちそうなのでもうひと眠りする。

寝坊する!4時起床予定が5時10分前、みんな慌てて置き出し朝食の用意。タープを撤収して遡行を行なう。

この辺からは水量も減少し、川幅も狭くなるが、倒木が増え出し遡行し辛い。おまけに蜘蛛の朝食時間なのか、顔にベールを被せられる。

いくつかの小滝を超えると滝が立ちはだかり出す。これがF7-15mの滝かな?ここで休息し、コースの再確認。左岸側を高巻きし抜ける事とする。

巻き道を過ぎると直ぐに(1:2)奥の二俣につき左の支流を登る。源頭に近づき、水の確保を行ない登山道を目指す。コースは白泰山山頂ではなく、山頂の東方を目標とする。

源頭から東の法面をトラバースする。「これから獣道を拾って歩く」との事である。確かに薮の下部が解放し獣道らしき軌跡が見えている。また鹿らしき糞がそこかしこに点在している。

ただいやな薮だ、中途半端な丈だけに掻き分けたあと薮の先端が顔に向かってくる、目に刺されないように注意しながら登ることになる。

蒸し暑い、P1550からは東へそのまま進めそうに見えるが、目の前の視界からは難しそう、このためここからは南へ向かい登山道に出る事にする。

登山道は綺麗に整備され歩きやすそう、運動靴に履き替える事もなく沢靴のままで下山する。この道は白泰山から十文字峠まで縦走できる登山道であり。整備も行き届き道路幅も3m程の広い道だが、その割に登山者とすれ違わない。もったいない気がする。

鳥の囀りを聞きながらゆったりと下山していると、右斜面下方でガザガザガザーと大きな音とともに獣の移動した気配にみんな緊張する。しばし様子を伺いそれ以上の動きが見えないために下山を再開する。「熊かな?」無事下山をし温泉につかり帰途に就く。      (Ry.K記)

 薪を確保し宴会の用意を行なう。焚き火を囲み宴会から夕食へ。焚き火の燃やし方の講習がある。風は源頭から川下へと川と並行して風が吹くので、太い焚き木4本程度を川と並行に敷き詰め、その上に枯葉や細枝等の燃えやすい物に火を点け、徐々に太い枝を燃やしてゆく。その際井形には組まづに川と平行においてゆく。

今晩は、熊が来ないように焚き火の火は一晩中燃やし続ける事に。とはいっても、昼間の疲れで夢の中へと導かれる!

水量は少なく、川に入らないで遡行する事はたやすいが、せっかくの沢登りなので出来るだけ沢に入りながら進む事にする。足の指先から腹部まで濡れながらの遡行は、慣れるとあまり違和感がなく。早い時間帯での寒さも次第に気温が上昇してくるに従い心地よく感じだす。

「初級コースの基準て何ですか?」「高巻き出来るコース」成るほど、このコースでは全く沢に入らないで遡行する事も可能のようだ。

入渓から1,500mほど遡行すると、先頭者が叫ぶ「動物がいる!……熊だ!!」の声で前方を注視する。ガザガザとケタタマシイ音と共に左岸の斜面に熊が駆け登って行く、早い。毛並みは綺麗な漆黒で、体は大きく大人と思われる。「二頭いたぞ」「まだいるんじゃないか」「餌を引っ張り上げていたんじゃないか」。遭遇した離隔距離は40m程度?

右岸側に渡りしばし待機、リーダが様子を伺い前進する事に。右岸側の法面を小走りに移動する。「熊が出てきませんように」と願いつつ500mほど進んでから再度沢に入渓する。

やがてF4-10mの大滝に着きチャレンジを断念して左岸を高巻く。山道はザレ場の急斜面を北方にトラバースする。踏み幅は20cm程度で路肩は脆弱、左眼下にはブッシュに覆われた滝が見え隠れし落ちたら止まらない!注意深く進む。リーダが「ここからは、棘のある野ばらがあるから気をつけて」の注意。

丸太を数本並べた橋を渡ると西方に向かう。さきほどの道よりさらに条件が悪く、山道の両側に棘が待ち構え文字どうりの「イバラの道」となる。次は何?イバラは無くなったが、路肩はさらに崩れやすいトラバースとなる。頭上にはロープが張ってあるがトラロープで古そう。危なっかしくて体重は掛けられない。

避難小屋跡らしき場所に到達しここから再入渓するが、石積みの石が脆弱で崩れやすい。 腹部まで入渓しすぎたのか、お腹の調子がイマイチ。左岸に高巻くと営林署小屋が見え出した。この付近に寝床を確保しタ―プを設置する。凄い酒瓶の山。

①熊との遭遇場所
②熊が入り込んだ左岸の藪
③待機場所(小屋の跡地)

④速足で右岸法面移動
⑤F4-10mの大滝
⑥高巻き(左岸法面)
⑦タ―プ泊
⑧F7-15m3段の滝
⑨登山道

標高:入渓574 F7-15m大滝1250 登山道1620 登山口1140
累積時間:10時間35分  累積距離:10Km 平均速度:0.944Km/h

【1日目】

大宮5:00-川越(ピックアップ)-国道299号・秩父-大滝温泉7:40/8:30-白泰山登山口・・・大滑橋
9:00/10:00・・・P766クマ出現12:00/12:10・・・P850F4-10m大滝13:15・・・避難小屋跡再入渓13:35・・・P1000
タ―プ14:50 宴会/就寝20:00頃     タ―プ泊

<入渓からP1000まで  4時間50分 距離:3.5Km 速度:0.72Km/h

【2日目】

起床・発4:50/7:00・・・F7-15m三段の大滝8:40/9:00・・・登山道11:20/11:45・・・登山口13:10-大滝温泉
13:50/15:10-大宮

<P1000から登山道まで 4時間20分 距離:3.0Km 速度:0.69Km/h
<登山道からの下り   1時間25分 距離:3.5Km 速度:2.47Km/h

メンバー:Hi・T(L)、Ry・K、Na・G、大宮外2人  5人(男性3人、女性2人)

温泉:大滝温泉600円 透明 室内*1・露天*1

返信を残す