山行実施日;9月7日~8日
参加メンバー;Ry.K、Yo.T、Ka.T
この山行は春に計画したものだが今回にずれこんだ。池袋からの夜行バスで鳩待峠に向かう。
鳩待峠のゲートが5時に開く事から、時間調整と経費削減?のためにバスは一般道を走行し、休憩のために高速の上里SAに入るがこの後すぐに一般道に戻り尾瀬戸倉に着く。バスの座席は狭くほとんど寝られない状態で過ごした。戸倉で時間調整を行ないここから小型のバスに乗り換え鳩待峠に向かう。明けきらいない空は雲と瞬く星空が同居している。
鳩待峠には多くの登山者が準備している。ここからは西側にある至仏山登山道に向かう。登山道は雨で深くえぐられている。
暫くは樹林帯の道を進み蛇紋岩の岩稜を進むが、朝方はガスがかかり尾瀬沼を展望する事が出来ない。チングルマやコバイケソウは咲き終わり、チングルマの実が登山道の脇を埋め尽くす。またトリカブトの紫色が美しく咲き誇っている。リンドウは天気がいまいちなのか、蕾みは固く閉ざされている。
オヤマ沢田代の手前の湿原には木道が敷設されている。蛇紋岩に埋め尽くされた登山道は、まるで登山者が滑る事を楽しみにするかのように磨きこまれ黒光りしている。雨が降ると難航するだろう。
ガスがますます濃くなり視界が遮られるが、長くは続かづに直ぐに日が射しこみ始め強い日差しと変わる。だが周りの山々の頂きは相変らずガスで覆われている。足場の悪い岩場を進みピークを迎えると「小至仏山」、御影石?で出来た大きく立派な標識が設置されている。山頂のここかしこには綺麗な「イワシャジン」が群生して咲き乱れている(後日調べると細く長い葉から「ホウオウシャジン」に見える)。「あれが至仏山?」「あまりに近すぎない」「あの後ろに隠れていると思うよ」至仏山らしい頂きを超えるとやはりその先にもピークがあり、「あれかな?」とこんなことを数回繰り返しやっと本当の至仏山に登頂する。
山頂での天気は良好なものの周囲の山々の山頂はガスに覆われたままである。眼下の尾瀬ヶ原も霧にかすみ展望がままならない。しかたなく先を急ぐ事にする。
小至仏山からは、ガスで輪郭のぼやけた「ならまた湖」がはるか彼方に見える「あそこまで行くの?」下る途中にあるクマザサの群生が朝露に照らし出され、淡い緑の絨毯となり目を楽しませてくれる。
オヤマ沢田代手前には見事な龍神のオブジェが設置されている。沢田代分岐から笠ヶ岳方面に向かうと、至仏山の喧騒とは異なり静かな登山道となる。ここから小笠ヶ岳と笠ヶ岳が仲良く肩を並べているのが望まれる。登山者は少ないと思うが綺麗に下草も払われ、歩きやすい明るい稜線を進む。
暫くすると樹林帯となり時折ぬかるんだ道以外は整備の行き届いた登山道となっている。途中3組ほどの登山者とすれ違ったが、どうも笠ヶ岳をピストンしているようだ。
時折振り返ると至仏山や小至仏山が綺麗に遠望できる。東斜面(左側)の法面には笹が綺麗に群生している稜線を行く。小笠ヶ岳の脇につくが、山頂へはあまり登攀欲がわかずパスする事に。
笠ヶ岳は南斜面から登るが、ガレ場とザレ場の続く急斜面を攀じ登る。目の前には日に照らし出された「ヒメシャジン」が綺麗に輝いている。
急登もすぐに終わり山頂に着くが、展望はイマイチ!「ならまたダム」の水もほとんどないが、今年は水不足となるのか?
注意しながら下山し稜線に向かうとすぐに登山道脇にある片藤沼に着く。ここは綺麗だと言われぜひとも見ておかなければと思い立ち寄るが、陽射しの関係かあまり綺麗には感じなかった。
先は長く後は温泉の時間が気になり出し、早めに下山する。樹林帯の急傾斜を下るが、水が心もとないと水場を探しながら下山する。地図には記載されていない小さな沢がP1870付近にあったので水を確保しさらに下山すると、P1800付近にも水場があり。この脇に薄水色のトリカブトが魅惑的に咲いていた。沢田代で見た濃い紫色とは異なる美しさだ。
咲倉沢の頭避難小屋からはさらに急斜面の下りで、まるでつるべ落としの登山道が延々と続くかのようだ。地図には「アスナロの根が張り出し滑りやすい」と記載されているが、アウナロの木がどれだかよく分からない。たしかに木の根が張り出し歩きづらい事。ここでは大蛇のオブジェを見るが写真に撮り忘れた。この急傾斜で雨が降ると苦労しそうだ。ただ登山道は腐葉土が堆積しふかふかで膝への負担は緩和されている。
やっとワラビ平につく。この林道は雑草達がわがもの顔に振る舞い、舗装も見え隠れするようだ。
すぐに左への「ヘアピンカーブ」ここを直進し登山道に戻る。ここを間違えると長い林道歩きを強いられる。
取りつき地点からは直ぐにつるべ落としの急傾斜が続き、傾斜がさらにきつくなり小さなピークを繰り返す。
念仏を唱えている僧侶が目の前に現れる、まるで登山者の安全を祈っているようだ。
変則の四差路に到着、着いたようなものだ。林道の3個所にはゲートが施され、車の往来がなさそうに感じる。西側のゲートを迂回し湯の小屋温泉に向かう、もう少しで温泉とビール。
林道から南側の登山道に戻ると直ぐに急斜面の登りがあり、ピークを越えるとまた急傾斜の下りが始まる、どこまで続くのかつるべ落としの急傾斜!林道を横断し登山道に入ると直ぐ目の前に湯の小屋温泉が見える。
登山道の左手前にある、建物で壁面に十字架の明かりとりが設置されたお宅に温泉を聞きに行くと、親切に温泉まで案内してくれた。
湯の小屋温泉街の中にある「湯の小屋温泉」で道路の直ぐわきにある露天風呂。「料金は?」「私が預かります」「食堂やビールなどの自動販売機は」「ありません、町まで行かないと」温泉の周囲には何もなく、人影も見えない!仕方なく温泉を頂くことに。
露天風呂で源泉かけ流し?けっこう熱めの湯が出ている。我々以外誰もいないのでゆっくりとつかる事に。以後バスで水上駅に向かいJRで大宮に無事帰還する。
標高:鳩待峠1591 至仏山2228 笠ヶ岳2057 湯の小屋温泉780
累積時間:9時間35分 直線距離:19.28Km 沿面距離19.99m 平均速度:2.0Km/h
累積標高差+1284m -2070m
【1日目】平成24年9月7日(金曜日)雨
大宮21:30/21:49-池袋22:14-サンシャイン文化会館22:35/23:10-夜行バス
【2日目】平成24年9月8日(土曜日)曇り・晴れ
鳩待峠5:10/5:45・・・オヤマ沢田代7:10・・・至仏山8:05/8:25・・・オヤマ沢田代9:15
・・・小笠10:20・・・笠ヶ岳10:55/11:15・・・咲倉沢の頭避難小屋12:40・・・ワラビ平
13:40・・・P1187 13:40・・・変則四差路14:40・・・湯の小屋温泉・入浴15:20/16:20
・・・湯の小屋バス16:36-水上駅17:23/17:29-大宮19:43
<鳩待峠から至仏山 2時間20分 距離:4.8Km 速度:2.06Km/h
<至仏山から笠ヶ岳 2時間30分 距離:4.9Km 速度:1.96Km/h
<笠ヶ岳から湯の小屋 4時間05分 距離:9.6Km 速度:2.35Km/h
温泉:湯の小屋温泉600円 透明 露天*1 ビール自販機等無