山行実施日;2013年7月5日~8日
参加メンバー;Mi.M、Ki.K、Ky.T、Ka.T
知床にしれとこすみれを見たくて中標津空港に降り立ちました。
6月の時、釧路空港が霧で欠航して次の日に帰りました。今回は降りられない時は戻ります、と言われたが、無事到着しやれやれです。何も見えず木下小屋に到着。岩尾別温泉、小屋の野天風呂。
6日、天気は余りよくなく、今回の目的“しれとこすみれ”を見るため硫黄岳に向かいます。縦走はできたらということにして、樹林帯をぬけ硫黄のにおいのする第1火口をぬけやっとの思いで、沢の出会いにたどりついた。雪渓の上を歩く予定であるが、崩れ始めていて流れも速く上の様子も心配なので、引き返す事に決定しました。帰りながら雲の間から海が見えます。 小屋の風呂に入りながら、明日天気になーれ。
7日、縦走をあきらめ今日は羅臼岳花見物です。「つまとりそう」「みつばおうれん」「エゾたちツボすみれ」「えぞえんごさく」「ななかまど」「うこんうつぎ」など春の花がかわいく咲いてます。
大沢の大きな雪渓を登りつめると、羅臼平、「えぞつがざくら」「ちんぐるま」やっと咲き始めたところ、「えぞとらのお」「えぞきんばい」等は、まだつぼみも無いようです。
8日、朝岩尾別温泉、地の涯の野天風呂3段階になっている林の中に入りました。気分最高。知床峠から見た、羅臼岳 来たときは何も見えなかったがこんなに素晴らしいとは。皆で「リベンジ」を誓いました。
「羅臼熊の湯温泉」は、透明なキラキラと輝く、少し熱めのすっきりとしたよい風呂でした。 (Mi.M記)
温泉三昧・北海道 短冊に願いを込めた。「リメンバー・知床すみれ」
北海道で採った大きく太い蕗の煮物を食べながら書き始めている。蕗は見た目と異なり柔らかく苦味もあり大変美味。そして、参考書を横に置き見ながら書いている。
◆7月5日 大宮=中標津空港=木下小屋
羅臼ビジターセンターに立ち寄り、情報収集する。「予定日内では晴れは期待出来そうもないが、明日が一番雨の確率が低い」、「知床すみれも見られる」とのことから、明日は硫黄山からの縦走を目指すことにする。
ヒグマについても色々問合せをする。「コーヒーの香りは漏れないように」「ヒグマは自然界にないものに興味を持つため、蚊取り線香は熊避けどころか逆に誘き寄せてしまう」と聞き、予想と異なり驚く。Tyさんも私も蚊取り線香を持ってきていた。
霧の中、所々に雪と木立しか見えない知床峠をレンタカーで通過し温泉のある木下小屋に到着。
◆7月6日 カムイワッカ湯の滝~硫黄川分岐往復
鈴を鳴らし笛を吹きつつ、霧の中を歩を進める。蝉の鳴き声も聞こえる(エゾハルゼミ、コエゾゼミが知床にいると参考書)。新緑の中、白い花のイソツツジやゴゼンタチバナ・ナナカマド・ウコンウツギ・マイヅルソウなどが、水滴につき文字通りみずみずしく活き活きしている。
そして鮮やかな赤紫のエゾツツジ。草木の少ない岩が露出し展望が開けた地点から初めてのオホーツク海を見ることが出来る。白い航跡がなければ海とは分からない。海面は穏やかに見え、冬の流氷のイメージは想像出来ない。
カムイワッカの谷からは噴煙や滝も見られ、硫黄の匂いも漂ってくる。名前通りの硫黄山の登山道である。尾根から硫黄川への分岐に着くが唖然とさせられる。水がゴウゴウと音を立てて流れ、雪はブリッジになっている。張ってあるロープを頼りに沢に落ちずに渡ってもその先はどうなっているかわからない。
登山口に戻り木下小屋に連泊。小屋番の方に沢の水量を話すとビックリし、「例年は涸沢」と言っていたとのこと。
◆7月7日 木下小屋~羅臼平往復
2時半に起床、3時に出発、ヘッドランプの灯りを頼りに、今日の羅臼岳山開きに先駆け、露払い・熊払いをしながら登る。北海道の夜明けは早い、3時半頃にはもう明るくなっている。
今日のコースの方が花の種類も数も多い。白い花ではイチヤクソウ・ツマトリソウ・ミツバオウレン・オオバナノエンレイソウ・ツバメオモト、ウコンウツギ・・・等々。ちょっと暗い紫色の花ミヤマハンショウヅル、雪の溶けた際には空色のエゾエンゴサクも清楚に咲いている。紫色のすみれもたくさん咲いている(参考書よりミヤマスミレ?らしい)。他、ハクサンチドリ、チシマフウロ等々。
大沢の雪渓前でアイゼンを装着し、コンパスと踏み跡を頼りに深い霧の中を登る。ノーアイゼン、軽アイゼンで引き返す方もいる。
キタキツネが突然現れ、「あんたたち、大変だねぇー」と言う顔をして、上部の霧の中に我々を追い抜きアッと言う間に消える。 大沢の雪渓がやっと終わりほっとしてアイゼンを外すとキバナシャクナゲが霧の中から現れる。
さらに羅臼平に近づくとエゾコザクラが赤紫色にしっかり自己主張している。他エゾノツガザクラ・メアカンフスマ・メアカンキンバイ等。
羅臼平のフードロッカーを後々のため開けようとしたが開かない、開け方を皆に教えてもらう、私の頭脳は熊並みだった!。山頂も霧の中、展望なしとのことなので往路を引き返す。
大沢の雪渓を下る最中、霧が飛びオホーツク海まで見える。雪渓は思っていた以上に長く急であった。登山口に置いてあった開山祭の缶のお茶を戴き喉を潤す。
木下小屋三連泊を申し込んだ後、ウトロまで食事に行く。途中、知床連山の羅臼岳から硫黄山の稜線がよく見える。木下小屋の二階は貸し切り、参加予定だった前T会長の遺影を前に四人でビール缶で三日間連続の乾杯!荷物を広げたまま、Kさんの♪知床旅情を聞きながら夢の世界へ。
◆7月8日 木下小屋=知床峠=中標津空港=帰埼
車での帰り道、知床峠に立ち寄ると、羅臼岳が間近に国後島が霞んでいるものの目の前に大きく見える。新潟から見る佐渡島より近い。ガイドブックには国後島・択捉島にも知床すみれが咲いているとある。
ギンザンマシコ?という鳥の撮影に訪れていた方は、トイレもあり熊の出没も心配ないと知床峠に野営している。
昨夜は満天の星が見えたという。いつか、山のシルエットと満天の星の写真を撮りたいと思っている。峠近くの路肩にはエゾスカシユリが咲き、青空の中の羅臼岳を賛美している。そして、女性達は赤い鳥が飛んでいるのを目撃、ギンザンマシコかも?。大きな蕗がある。硫黄臭の白濁の熊の湯温泉でまた入浴。
温泉三昧で食事もおいしかった(特に夕張メロンとアスパラガス)。リーダー・同行者に感謝しなければならない。印象に残る楽しい山行であった。知床すみれが見られなかったのは残念だったが、帰りの大沢で会った森林関連の方は「今年は例年の積雪量である」「何回か来ているが、知床すみれが見られたのは一回」と話していたので致し方ない。空港には七夕の短冊が置いてあったので、『いつかまた訪ね、知床すみれに会いたい』と書いてきた。 (Ka.T記)
参考書 自然ガイド知床宇仁義和著 北海道新聞社