山行実施日;2015年1月8日~11日
参加メンバー;To.S、To.H、Yu.I、Mi.S、Mi.T、Sa.
初めての岩合宿、初めてのマルチピッチ。
1日目
メンバーは、S田塾長・K池T、H竜、K坂、S田Tの2パーティ構成。初めてのマルチは伊豆、城山は西南カンテ。思えば、教育部のつづら岩で初めてマルチシステムを教えてもらい、この合宿に至るまでに塾長に何度も復習して頂きました。登る技術もロープワークもまだまだですが、いよいよ本番です。
初めてのマルチですが、初日は1ピッチ上がる毎に足をついて休める場所があるので、登り切ってしまえばほっと息もつけます。1、2、ピッチ目は順調。3ピッチ目は初リード、とはいえ登山道に近いほぼ歩いて移動できる短いところです。それでも、立木にロープをかけていくと、ロープがスムーズに流れるようにセットするのが難しいことがわかり、なかなか勉強になりました。4ピッチ目は塾長がお助けスリングを出してくれて何とか登れました。ここを終了したところで、全員揃い、ちょっとしたスペースで休憩。眺めも天気も最高で、しかも貸切。出だしの緊張もかなりほぐれました。最終ピッチは私には悲惨なもので、ヌンチャクをつかむ箇所もあり、とりあえず終了した、という結果でした。登ったというか、引っ張り上げられたというか・・・そんな箇所もありましたが、何とか1日を終われました。初めてのマルチ体験は楽しかったです。
2日目
バトルにつぐバトル、バトルランナー!2日目のメンバーは塾長の友人竹田さんとI村さんのチームが合流して3パーティです。昨日と打って変って、ここどこ登るの??と思える1枚岩(に見える)。最後までいけるのか登る前からかなりの不安と緊張が・・・。塾長は私が登れる可能性の高いルートを考えて登っていきます。しかし、極度の緊張で喉はカラカラ、足はガクガク。一番登りやすい、といっても私にはかなりのグレード。自分との闘いの幕開けでした。
苦戦を強いられたのは、登りの他にビレイをロープにぶら下がった状態で行う事。疲れない姿勢、自己確保のロープやデイジーの長さ、足の置き方など、自分が長時間ラクな姿勢でいられる技術も重要と感じました。だんだん腰が痛くなって辛かったし、空中でロープをさばく事の難しさも実感。
2ピッチ目のハングの乗越。お助けもありでしたが、乗越す前にちゃんと休むよう指示が。セルフを取ろうとヌンチャクで残置の複数のボルトに通っている太いワイヤーにセット。しばらくしたら、ワイヤーを連結していたリングの付け根からリングが取れて体が一瞬沈みました。ひやっとしましたが、中心でとめられ8の字だったものが輪に戻っただけで、ワイヤーの長さも短く、ボルト3つに通っていたので危険はありませんでした。しかし、切れる、取れる、こういう現象は確実に起きるのだと身をもって理解しました。
充分休んだせいか、乗越しはアブミを手と足を使って(笑)登り、何とか上がりきりました。ここで半分。そのころ、最終パーティのK坂さんリードのH竜、S田チームは先行パーティの進み具合を見ながらの登り、待ちが多いです。スムーズに進行できない自分もかなりの時間を費やし、みんなに迷惑かけているかも。
一方、竹田、I村パーティはシングルロープなので早い。すぐ後ろに待機です。3ピッチ目では、ダブルロープのキンクがひどく、ロープをさばき直すのに更に時間をくいました。ただ、竹田さん、I村さんが近くまで来ているのでロープさばきの指示をもらえて精神的に大きな安心を得られました。
最終ピッチはもう良く覚えていません。もう、精神的にも体力的にもヘトヘトで、とにかく早く地面に降りたいと思い頑張りました。懸垂下降の準備になり、ようやく終わりが見えてきました。50メートルロープで2回の懸垂。まずはあのリングがはずれた場所まで降ります。
最終のK坂パーティは、まさにこれから乗越すところでした。K坂さんが上がり、S田さんが登ろうと途中まで来ていましたが、竹田チームも降りてきたので、大混雑の乗越し下。ここまでに最終パーティは待機、待機でほぼ宙吊り。他のクライマーに嫌味を言われ、ひたすら我慢の1日でした。結局、H竜さんも蓑虫状態で腰をやられ、あえなく撤退。
塾長は登れない私を引き上げる為にそうとうバトルし、最終パーティの3人は長時間に及ぶ宙吊りと他クライマーからの冷たい視線とバトルし、私は極度の緊張と足ガク、足痛、実力不足とバトルしました。このバトルランナーでのそれぞれのバトルと長い1日がこうして終わりました。
その夜は真面目に反省会。いつか楽しく登れる日が来るといいな、と思いました。
3日目
海岸脇の日当たりの良い岩場で初クラック。初めてのクラックはコツも良くわからず、おまけに昨日キツ目のソールを長時間履いていたせいで、緩めのソールでも足の親指が痛くて何本も登れませんでした。でも、陽気はポカポカ。海がきれいでその場所にいるだけで楽しかったです。
3日間の伊豆合宿。メンバーにはたくさん、たくさんフォローして頂いて、学ぶことも考えさせられる事も多かった3日間でした。塾長とご一緒してくださったメンバーに感謝だらけです。K坂さんが言った「1年前はどこ登るかさっぱりわからなかったけど、今年はどこを行けばいいか見える」というカッコイイ台詞を自分もいつか言えるように練習を積みたいと思います。 (Sa.K記)