2016年10月21日~23日
初めての沢での泊まりに、期待でドキドキしながら、10月21日金曜日の夜十一時過ぎに道の駅に着きました。沢ネットでの集まりでしたので、初めてお会いする方もいましたが、テントの中で小宴会が始まるとすぐに和んでました。22日土曜日、朝5時に起床、片付け、食事を済ませて沢装備の支度をして7時に車で動き始めたと思ったらすぐに駐車場へ到着。山は少しずつ紅葉が始まっていて思わず写真を取り、友達へ送信。舗装路を歩き、山の中へ入り、直に広い河原へ出ると20~40cm大の石の上を歩き、少しずつ水が見えてきましたが寒さもあり、あまり水には入らずに進みました。内心もっとジャブジャブ入っても良いのにな、と思いましたが長い道のりで体力を温存していく手立てなのかと後で思いました。
「山の神さま」を通り過ぎてしばらく行くと、コバルトブルー色の深い水の色に、「おおー、」と一人声をあげていました。静かに岩肌を流れる乙女の滝を左手に見て進むと大きな岸壁があり、スーさんが登りたいなと言っておりました。続くナメ滝に足元を気を付けながら一歩ずつ足を進めました。途中、いくつも高巻きをしましたが、急な斜面と倒木があり、身体をくねらせながら登り、何回か斜面で足が滑り、指とつま先を立てて止まるとホッとしました。自分のことながら、やれやれもう少し上手く登れないものかと思うのですが、中島みゆきさんの『ファィト』のフレーズを口ずさみながら登り切っていました。両門の滝、西ナメ滝、赤い葉、黄色い葉、緑の葉のアンサンブルの美しさに、ただため息をつきつつ足元と周りの景色を交互に見ながら進みました。
釜の沢出合い、そして次に、「えっ。」千畳のナメ滝に、「ありゃりゃ、こんな所があるんだ。」としばらく見とれていました。自然が作り出す美しさを覗かせてもらえる有難さに感謝しながら一歩、また一歩ずつ進みました。先行組の柴ちゃん達の姿を見つけると、ここが今夜のお宿と、みんなしてロープ、タープ、ツェルト張りと夕飯を作り、スーさんの美味しいモツ煮にほっぺたが落ちてしまいました。
重い荷物を有難うございました。後は、飲んで話して焚き火の青白い火と橙の火に時間が過ぎていきました。有難い時間でした。ツェルト・寝袋はとても暖かく、朝までぐっすりでした。次の日は木々の中、急な高巻き、岩場の多い沢をぐんぐんと進みました。一度、先頭を歩き、高巻きのコース取りをしましたが、すぐ目の前ばかりを見ていて周りを見渡せていないことがよく分かりました。沢を登り切って、ようやくポンプ小屋へ到着。皆さん、安堵と嬉しそうな表情でいっぱいでした。
その後、K坂さんと二人で甲武信岳に登り、晴れ渡った空がとても美しかったです。私の日本百名山記録に追加になりました。やった。帰り道は、途中の休憩ではストレッチを怠らず、最後まで歩けました。良かった~。
途中、スーさんと沢ネットについていろいろお話をしました。自分の出来る所で、お手伝いが出来ればと思います。また、広く多くの方の力がつながっていければ良いなと、合わせて感じました。8月の終わり、H高さん、島Dさんと行った巻機山のヌクビ沢では、途中まで沢靴を履かず、滑る岩場に四苦八苦して行程の半ばを過ぎた頃には早々に足がつってしまいました。前の晩の寝不足や荷物を軽量化できなかったことも大きな要因だと思っています。途中から、共同装備、最後には沢の終了点まで、私のザック丸ごとH高さんに持ってもらいました。すみませんでした。沢靴という道具の違い、滑ったら沢に流れるだろうなという不安も無理な体勢、足運びにつながったかもしれません。
山頂でH高さんに作って頂いたすき焼きの美味しかったこと。それを頂上からの帰り道のエネルギーにしましたが、足首周りの筋肉は言うことを効かず、踵から地面に下りる長い道のりでした。登り口先の更地が見えた時、よく頑張った、と自分に声をかけたら目頭が熱くなっていました。
今回の釜の沢では、可能な場所は、なるべく凹凸の少ない河原の道を選び、膝に負担が少ないようにしました。それまでは岩を乗り越えることが楽しくて、様々な身体の動きを試していましたが、長い距離では、体力の省力化や荷物の軽量化は大切だと改めて感じました。失敗から学ぶ姿勢をいつまでも大切にしたいと思います。皆さま、ありがとうございました。 (記 植M)