未到達となった両神山系の秀峰 天理岳

2016年11月12日

六時過ぎに尾ノ内渓谷の駐車場を歩き出す。油滝までは「遊歩道」ということになってはいたが、全然遊歩道という感じではない。結構ハードな登山道でアップダウンがそれなりにある。先頭を歩くH竜さんは「俺はリハビリ山行なんだから」と言いつつも、両手ストックで滅茶苦茶早く歩く(油滝までは道がしっかりしているだろうから早く歩きたかったとの本人弁)。むしろ最近時に足首を捻挫したH谷川さんの方がゆっくり歩いている。油滝は高さ十m位のナメ状の滝で、岩がテカテカして見えた。だから油滝という名称なのだろか。ここから先は一旦沢筋を離れ、右側の山腹をテープを頼りに急登を登る。もう沢からは完全に離れたかなと思ったらトラバースしてまた沢に戻っていく。途中に、今年立てられた「八日見山道」のポストがあった。ようかみという呼び方は、りょうかみの別名かもしれない。沢に戻ったので、そのまま沢筋を行くのかと思ったらさらにトラバースしながら斜上を繰り返す。事故は九時半過ぎに発生した。稜線まで後少しという標高1450m位の所の急勾配のリッジ状のところで、私は目の高さにある飛び出している木の根っこを両手で掴んでいた。その姿勢のまま、右脚を踏み出そうとしたところ、足場が崩れて一時的に両手で掴んでいた木の根っこに全体重を預ける形になった。そうしたところ、木の根っこが動き、その上に不安定なバランスで乗っていた人の頭大の岩が落ちてきて私の左肩を直撃したあと、谷筋に落ちていった。しばらくは激痛のため、全く歩けなかった。気を取り直して十時前に稜線にたどり着く。ここには龍頭神社奥の院の小さな社殿があった。私の左腕は痛くて肘から上に腕が上がらない状態だった。このまま予定通り天武相尾根を辿って天理岳に行き着けるか? 協議した結果、八丁峠を経て坂本の方まで下ることにした。つまり敗退である。赤線ルートとはいえ、八丁峠までの道も結構なアップダウンだ。いきなり最初からロープで確保して貰いながら鎖場を下った。その後は先行するK藤さんのあとを追いかけながら空身で歩き、八丁峠まで歩いていく。途中何カ所か景色が良いところがあった。赤岩岳までの稜線の向こう側には、冠雪した八ヶ岳が秀麗な姿を見せている。八丁峠まで下り、ここから最多院ルートの八丁隧道脇の駐車場に下ることとした。十三時前に駐車場に下り、他の登山者の車にK藤さんが便乗させて貰い車を取りに戻った。しばらくは駐車場で待っていたが日陰で寒いので、我々も車道を下り日が当たるところで日向ぼっこをしながらK藤車を待った。帰り道に東松山で緊急の整形外科を受診したところ、全治三週間程度の肩関節剥離骨折と診断された。今回はパーティメンバーに助けられた。また、他の山行から病院に駆けつけて貰った町DさんS々木純子さんにも感謝感謝。目的地に到達できなかったが仲間との絆を実感できた一日でた。      (H高 記)

メンバー(L)H竜、H高、K坂H谷川、K籐

コースタイム:尾ノ内自然ふれあい館6:15-7:58油滝8:15-9:58稜線(龍頭神社奥の院)10:30-11:47八丁峠12:10-12:50八丁隧道駐車場

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