2017年8月25日(金)夜発~8月27日(日)
朝起きると雨音が強い。予報通り雨は止んでいない。昨夜の移動中にポツポツきて、駐車場に着く頃はしとしと降っていた。仮眠用のテントは止めて、車中泊にした。
出発を1時間半遅くして雨の中を歩き出した。登山口は中房温泉の旅館の中庭を通った先で「宿泊者以外の立ち入り禁止」と書いてある。躊躇したが、ここしかないので進むと旅館の方がやってきて餓鬼岳への入り口を教えてくれた。そこからは沢沿いに登っていく。雨の影響はそれほどなく、登山道が濡れて歩きにくいが渡渉は危険もない。
今回のルートは踏みあとはしっかりあるが、草木が生い茂って登山道に覆いかぶさり歩きにくい。ちょっとした藪漕ぎだ。東沢乗越までは樹林帯を根気強く登る。。蒸し暑い。雨は1時間ほどで上がって青空が見えてきた。とにかく暑くて汗がしたたり落ちる。暑さのせいかペースがなかなか上がらない。やっと東沢乗越まで辿り着いた。登り始めて5時間以上、登りと藪漕ぎでへとへとだ。少し長めの休憩を取る。
そこから先もなかなか稜線に届かない。気持ちが挫けそうになった頃、やっと視界が開け、岩稜のゴツゴツした大好きな景色が広がった。ここからはハシゴも出てきて楽しいルートだ。久しぶりに青空の下、北アルプスらしい景色に心躍る。しかし、岩稜の稜線伝いに超えて行きたいところだが、巻き道がかなり下まで下らせる。本当にこんなに降りるのか?と思いながら所々稜線の上まで上がってみると、やはり越えられそうでも巻かないと厳しい感じ。えいっ!とジャンプ出来れば進めるが命はないかな?(笑)。
納得してアップダウンを繰り返してやっと餓鬼岳が見えてきた。しかしここからも案外長かった。見えているのになかなか小屋に近づかない。暑さとアップダウンでやられてか、最後まで足が重かった。
小屋に到着したのが15時半。受付をしてy城、k坂はビール。k池はコーラで乾杯。みんな喉がカラカラで一気飲みした。テント場は既にいっぱいで辛うじて斜めスペースに4人用テントを張れた。3人とも疲れ果てて取りあえず30分ほど昼寝タイムを取ることにした。休憩してやや元気も回復したので、軽身で山頂へ行くことにした。
山頂は誰もいない貸し切り状態。今日歩いてきたルートがはっきり見える。ずいぶん上がってきたのがわかる。陽が傾いて少しだけ夕暮れに近づいてきたので早々にテントに戻る。既に周囲のテントは宴会真っ盛り。私達も負けずに開始。夕飯はビビンバ丼だが本日の出来はイマイチだった。みんなゴメン。夕飯作業中に夕焼けタイムとなり、2人はアルコール片手にテントの外へ。私は夕飯作りながら心の目でみたよ(笑)。
まわりのテントが7時過ぎに就寝となり、強制的にこちらも静かになった。8時過ぎには就寝となった。三日月と星がとてもきれいな夜だった。
翌日は3時半起床5時出発。y城さんの雑炊で腹ごしらえをしてテント撤収。昨日きた岩稜へと戻る。青空が広がって最高の景色。しかし、足の疲れは残っている。東沢乗越まで戻り、下山するか燕へ行くか3人で検討した。前日の疲れか3時間のコースタイムを既に4時間かかっている。体力的にやや心配だが、こんな青空の燕岳、登らなかったら後悔するともちろん燕岳へ行くことにした。本日の行程は9時間半。余分にかかる事を想定して下山は5時くらいになるかもと覚悟して歩き出す。
樹林帯は暑く急登が辛い。雪渓が残っている斜面は冷たい風が吹いて気持ち良い。8月の終わりだから花は期待していなかったが、雪渓が残る斜面ではお花畑もまだ残っていた。不思議なことに1斜面にチングルマの綿毛の層、満開のチングルマの白い花の層、その上がまた綿毛の層と3層になっていた。こんな景色は初めてで感動した。花も満喫し、燕に続く稜線に上がると一気に景色が広がった。子槍、孫槍のはっきり見える槍ヶ岳が視界に入るとテンションも上がる。足取りも軽くなり、歩みが早くなる。
燕岳が見えてきた。山頂は人で賑わっていてちょっとがっかりした。しかし、いつもは合戦尾根から燕山荘経由で見る燕岳を逆側から見るのは初めてで違う感動を味わえた。本当にきれいだ。この夏天候不順で悩まされたが、この週末は本当に心に残る景色が見れた。遅れがちだった行程も稜線に上がってからはペースも上がり、燕山荘に12時15分に到着できた。今回も高低差の激しいルートで体力をかなり消耗したので、燕山荘名物のビーフシチューランチを3人でオーダーすることにした。頑張ったご褒美だ。サラダも付いて1200円。山ならお得な感じだ。お腹もペコペコだったので全員完食した。大満足なランチに元気をもらい、下山開始。
ここからは、大人気の山、燕岳登山者とのすれ違いで大渋滞の登山道となった。まるでお盆時期の富士山のようだった。初日の餓鬼岳は一人も遭遇せず、2日目も燕岳まではほとんど人に合わないルートだったのにここからは人だらけ。同じ山域にいるのに人がいるところが限定されている。下山路は整備された道なので、快調に飛ばす。結局15時半に下山できた。本日もヘトヘト。中房温泉は登山口横の施設のみ日帰り入浴可能とのことで結局しゃくなげの湯まで移動した。さっぱりして帰路に着いた。久しぶりに大満足の快晴の北アルプス2日間だった。
メンバー Ly城、SLk坂、k池
コースタイム 標準:1,050分
8/25 川越発
8/26 中房温泉登山口 6:40 餓鬼岳小屋15:30 テント設営、餓鬼岳登頂
8/27 餓鬼岳5:00 燕岳 12:00 中房温泉登山口 15:30