2019年3月9日
中部ブロックの雪山山行、行き先は小出俣山。2月3日の新年ハイクとこの山行の下見が重なり、ブーブー言われたいわく付きの山だ。
参加者15名の大所帯。当会からは9名。金太郎飴のようにどこを切っても没個性的な9名とは違い、どの顔見ても一筋縄ではいかない、あ失礼モトイ、超個性的な9名だ。リーダー大変だなぁ。あ、リーダーはもっと個性的だ。
3月9日 千曲平(せんげんだいら)のテン場まで
川古温泉に車を置き、テン場まで2時間弱の林道歩き。3班に分かれて11時55分出発した。
群青色の空にズブズブの雪。あーもう春になっちゃう。右手に阿能川岳の稜線が見え始め、行く手に小出俣山の山頂がクッキリ真っ白に光る。緩い登りなので何の苦労も無くテン場に到着した。ゆっくり来たのにまだ1時過ぎ。今日は長くなりそう。
雪を踏み固めてテント設営。3張張った後、銘々勝手にスノーテーブルやイグルーを作る。O野さんがイグルーに生き埋め。出口はこれから作るって。「O野さーん大丈夫ー?」「オー」。林道の反対側にY城さんがトイレを作ってくれた。わ、快適。ありがとう。スノーテーブルの上にはスーさんが焚火。Y城さん「焚火は男のロマンだ」??? みんな子供だねー。生き生きしてる。ボーっと生きてないね、山ではね。
O野さんの生還を見たいのに、左側からは『日が落ちるからその前にポトフ作ろうー』だの、右側からは『焼酎用のお湯沸かそうー』だの。急がない急がない! 時間と嗜好品はたっぷりあるから。
スノーテーブルで食事をし、お日様が稜線の向こうに入ってからはテントに移動。15名の賑やかな夜は更けた。
明日の天気は午後から下り坂との事。予定より早めに出発する事となった。目指せ山頂!
せんげんだいら交流会
3月10日 登頂日
起床後空を見上げると星空。 北斗七星が下向きに輝いていた。ホントに天気下り坂?
5:40頃、あけぼのの中1班から順に出発。約10分歩き5:50頃尾根に取り付く。クラストしてはいるがブッシュも出ている。急登。渋々、静々と登る。総合先頭はO野さん? ペース早くない? それでもしぶしぶしずしず。
高度を上げるにつれ、モルゲンロートとまではいかないが、西側の尾根にお日様が当たる。朝日に染まる雪の尾根と木々の陰。徐々に広がる白黒の下界。雪を付けた近くの山々と薄っすらと浮かぶ遠方の山並み。濃くなっていく青空…。目も彩なこの景色が、単調&急登の登山道の慰めになってくれる。
徐々にペースが落ちてはきていたが、とうとう他会の人がリタイア。待っているという。なら大岩の基部まで行かず手前の方が平らでツェルトを張り易い。調子が悪いと言っていたGKさんが付き添い役。加藤さん、昨夜イグルーで寝たからかなぁ。嗜好品のせいではないよね。気を取り直して再出発。心配していた大岩の基部も雪が付いていたので難なくクリア。
周囲の木々が少なくなり森林限界に出た。わー! 真っ白! 絶景! 目の前に谷川! 俎グラ! 先程の樹林帯からの風景など足元にも及ばない光景だ。手前のピークの右肩から阿能川岳に吊り尾根が真っ白にクッキリと見えている。これから行く先には真っ白なピークが3つ並びその一番奥が山頂との事。まだまだだが、この景色の中なら何の苦労も感じない。途中、GKさんから、下山するとの連絡あり。この景色を見られなくて残念だね。付き添い役ありがとう。
たおやかな稜線を行く。群青色の空に真っ白な雪、その中を行くピッケルを持った白髪の赤シャツ。ん? O野さん? 絵になるなぁ。背後からのビューで良かった。休憩後山頂まで1時間あまりかかったが、癒しの景色の中それ程の時間は感じられなかった。「綺麗だねー」「ホントだねー」の繰り返し。「ねね羽竜さん、綺麗ね」「あー」? 感動してよ。
2~3mの壁を登ると山頂に飛び出した。到着。わー! 360°の雪山! 今まで見えなかった山頂の北側の山々。山、山、山。あれが万太郎その左に続く仙ノ倉。志賀高原の山々に浅間山塊。反対側には武尊に遠く日光白根。雪山と一緒に記念撮影。
ちよこっと行動食を食べただけで下山だって。えー、まだ30分しか居ないのに! 名残惜しいが仕方ない。下りは踏み跡のない綺麗な雪原に私の足跡を残す。スースースーと、これ大好き。雪山ならではだね。誰も私の前に来ないでね。
登り1時間かけた白銀の世界も下りは30分で終わり。癒してくれた山々とお別れし、樹林帯へ。途中足がつった人、ちょっと気分悪くなった人がいたが全てクリア。登りの時より腐ってきた雪の尾根を下り、全員無事生還!
あら、午後からお天気が悪くなる予報だったのでは。リーダーは決行するか否か等々、色々な横槍をかわしてきたのに、テン場までピーッカン。リーダーの行いが良かった? イヤイヤ、リーダープラス皆の良き行いのおかげです。
お天気に恵まれて最高の山行でした。こんな素敵な山を紹介してくださった加藤さんに感謝です。それから、同行のみなさんありがとうございました。それからそれから、お天気の神様ありがとうございました。もちろんリーダーもね。
リーダーH竜 サブリーダーY城 サブリーダーGK O野 H高 I崎 S木 MU TN 他6名
記:TN