2019年10月27日
「明日、クライミング行かない?」「いいよ」「明後日の山行は?」「紅葉狩り」「私もハイキング」とH川さんと土曜日クライミングに行った。そのさ中に、紅葉狩の行き先は表妙義に決定した。「フェー表妙義だってー。ハイキングじゃないじゃない!」「H竜さんが紅葉狩ハイクするはず無いでしょ」「だよねー。甘かったぁ」ジタバタ。
青空に映える紅葉を見ながらののーんびりハイクは妄想だった。まず妙義神社へ参拝。急な階段を上がる。これだけで疲れた。社殿に向かい右手が登山口だ。薄暗い杉林を行く。傾斜がきつくなり、岩が多くなってきたと思ったら、わー! もう出た。鎖場だ!幅は広いがツルツルの岩面は濡れていて、そこに落ち葉が貼りついている。正に『ぬれ落ち葉』しっかりした鎖が頼りだ。「足で登れよ。手で登ると後で手がパンパンになるぞ。この先もっと岩場があるからな」うわー!そんなぁ。昨日クライミング行かなきゃよかった。鎖場を登りきると「ここに荷物置いていいよ」(わーい! 休憩! 嬉しいー)と喜んだのも束の間、サッサと歩き出すH竜さん。??? どこ行く? 「休憩だと思った? この岩を登る」喜んだ私がバカだった。鎖で上がる。
(「大」の字に上がる鎖場)
その岩の上にたどり着くと、そこが“大”の字。しっかりとした鉄柱で作られているが意外と小さい。
(「大」の字、前側は絶壁)
荷物まで戻って少し休憩。車からまだ1時間もたっていない。核心部はこれからだ。先が思いやられる。すぐに奥の院着。目の前に垂直(に見える)壁がある。ここも濡れている。鎖あり。先行者3人。ヘルメットとハーネスをつけ、ロープでビレーしながらトップの人が登っている。そのパーティの後は私達ともう一人別の人が待っていた。セカンドの人が登る前に、登らせてもらった。滑るかなと思いきや、しっかりした鎖があるし、ホールドもあるので多分大丈夫。下から「手だけで登るなよ。足で登れよ」とH竜さんの声がかかる。『あー、それがなかなか出来ないのよねー。昨日のジムで腕パンパンなのに』4連の鎖を上まで行く。約30m登ったらしい。更に鎖で左にトラバース。そこに先程のトップの人がいた。挨拶をして先に行かせてもらう。“見晴らし”に出た。そこからは鷹戻しや中ノ岳が見える。眼下には道の駅や富岡の街並みが小さい。遠くに榛名山や浅間山の峰々も望める。背後にはこれから行く白雲山や相馬岳の岩峰が。まだ紅葉していない。あれ? 確か今日は“紅葉狩り”だったはず。
ここからは展望のよいヤセ尾根。“展望がいい”事も“ヤセ尾根”という事も両方が恐怖心を煽ってくれちゃうんだけどなぁ。右側が切れ落ちたトラバース道を行き、狭いチムニーを登る。お尻がぶつかって動けなくなる前に左に上がる。
うわッ、向こうは切れ落ちてる。大きな岩を巻くと“ビビリ岩”の札。
(こんな札が無くてもビビる)
これ確かにビビるよー。しっかりした鎖はあるが右側は奈落の底。フリクションは効くが、丸く角の取れた突起だけを頼りにトラバースする。滑ったらお終い。下は絶対見たくない。近眼で良かった。奈落の底はピンボケでよく見えない。鎖3連。このトラバース長くない? フーと息を吐く間もなく、鎖を持ち替えただけで今度はトラバース気味に上へ。早くあの尾根に出ないかなあ。
(鎖のトラバース後上に登る)
やっと鎖が終わった。まだまだ恨めしい“展望の良いヤセ尾根”が続く。次は“せびれ岩”。幅の狭いナイフリッジを登る。
(誰が名付けたのか確かに『背ビレ』だ)
うわーここも両側が切れ落ちてる。次“大のぞき”の指導標あり。確かに大展望だ。ただ、掴まるような木立の無い狭い岩場からの大展望は恐怖を煽るだけだ。
そして下り。『滑り台状30mの鎖』と地図には書いてある。幅は広い。でもホントに30m?もっと長くない? 足場を探しながら鎖を持ってロアダウン。
でも所々足場なし。フリクションだけ。手の力使っちゃうよ! この壁どこまで続くの? よーやく先に降りたH竜さんの頭が見えてきた。もう少し。やっと着地。フー
その後は木々の中をアップダウンし、フーフーに汗ボタボタになった頃天狗岩到着。ここまで車から3時間しかたっていない。濃密だぁ。
ご褒美の休憩の後は天狗岳を急降下し、また登り返して相馬岳へ。
(山頂)
山頂からは文字通り360°の大パノラマ。鷹戻しまでの稜線も良く見える。
(鷹戻しに中之岳。手前に茨尾根が延びる)
ちょっとずれて木々の中から筆頭岩や金鶏山も見えた。K坂さん、一緒に筆頭岩に登るはずだったのにね。
暫しの休憩と山座同定の後、コルに戻る。途中、ヘリが低空飛行していた。遭難者かな、それとも復興支援? と言いながらコルに降りる。あとはタルワキ沢を下山し中間道を戻るだけ。次回は自転車を持ってきて縦走だね。
中間道に出た時、登山者とすれ違った。奥之院のあたりで木に引っかかってた滑落者を救助していたという。もう少しで山頂という所で追い返された。そこから先はヘルメット・ハーネス・ロープなどが無いと行っちゃダメと言われたと言う。だからヘリが低空飛行してたんだ。ジャンダルムもここもヘリに会うね、と言いながら中間道を戻った。
山行目的紅葉狩り。紅葉無し!
これから表妙義に行く方、ヘルメット・ハーネス・ロープは必携です。
メンバー リーダーH竜、 TN
コースタイム
道の駅妙義P6:30−辻7:30−天狗岳9:30〜10:00−相馬岳のコル10:15−相馬岳10:30〜11:00−相馬岳のコル−11:15−道の駅妙義P13:00
※写真は全てH竜さん撮影。
記:TN