2020年1月7日
参加者17名
- 雪崩発生時の対応&ビーコンの使い方(理論編)
- 初級雪山歩行等
- ビーコンの使い方(実践編)
1.雪崩発生時の対応&ビーコンの使い方(理論編) 講師 H竜さん
(1)雪崩発生時の対応
この日のために制作いただいたパワーポイントに基づき、経験に基づいた(ただし、雪崩は見たことはあるが実際に雪崩に巻き込まれたことはない、とのこと)ご説明をしていただきました。
【雪崩に巻き込まれたら】
・実際に雪崩に巻き込まれたら、とにかく四肢を使って泳ぐようにして、少しでも雪面上部に向かう努力をする。
・動きが止まる直前に、鼻と口の前に空間(エアポケット)を作る努力をする(これはとても重要)。
【雪崩に埋まった場合の生存率】
・(15分後)ほとんどの者が意識を失なう←15分以内の発見が非常に重要
・(90分後)埋没者の80%が死亡
・(130分後)埋没者の大半が死亡
【雪崩が目前で発生した場合】
・まずは自分の身体の安全を確保、次にパーティの人数把握、安全な場所に移動。
・雪崩に巻き込まれたメンバーがいた場合は、
- 雪崩発生箇所を目視確認して四肢やザックが見えていないか確認
- 見えていない場合はビーコンにより捜索開始
- 捜索する場合、一人は見張り役として離れた場所に位置し、二次雪崩発生時にコールする等して捜索者の安全確保を図る。
- よほど山小屋等が近い場合を除き、自分達で捜索することを優先する(時間が経過すればするほど生存率が低くなるため)。
(2)ビーコンの使い方(理論編)
同じくパワーポイントに基づいた説明をしていただきました。
・ビーコンは高額だが、年々機能が追加されたものが販売されている。最新のものは複数の要救助者(要救)を捜索して最初の要救を発見した場合、その要救を捜索対象から外すような機能も付いている。
・ビーコンは通常モード、捜索モードとも磁力線を発生している。この磁力線は直線でビーコンの筐体から発するわけではなく、筐体の前後から円状に発生する。この特性を理解した上で捜索することが重要。
・雪質が湿っているほど、また埋没進度が深いほど要救から発生する磁力線は弱くなる←直近まで近寄らないと探知できない
・複数の要救が埋没している場合、ビーコンは最も磁力線が強い方を認識する。
・救助者が複数いる場合と単独の場合では捜索方法が異なる。
・10m位まで近寄ったら、ビーコンを雪面に近づけて捜索を続行し、声掛けを行う。
・直近まで近寄ったら、プローブによる捜索を行う(要救に突き刺さらないような配慮が必要)。発見した場合は、プローブを刺したままでスコップによる掘り出しを開始。まず要救が呼吸できるような掘り出しを行う。
2.初級雪山歩行・装備等 講師 H竜さん
・雪山での歩行方法(アイゼン、ワカン)、ピッケルの使い方等についてご説明いただきました(ホームページ会員専用ページに資料がアップされる予定)。
3.ビーコンの使い方 講師 GKさん
会の装備となっているビーコンについて説明をしていただきました。
・ビーコンは下着の直上に着装する(雪崩に巻き込まれた際に千切れ飛ぶ事を防止するため)←捜索モードの時はビーコン筐体を手に持たないといけないことから、ビーコン筐体と身体に止めているストラップとの間に付いている紐は出来るだけ長くしておいた方がよい。
・会のビーコンを借用する場合は、必ず自己責任で新しい電池(単三または単四)を購入して使用する。下山後はただちに電池を外す。
・ビーコンの動作チェックは、必ず登山前(可能であれば集合場所や移動中の車内)で行う。
(報告者 H高)