2020年5月30日
自粛明けの山行は武甲山と決まった。絶対怪我をせず、でも足慣らしは出来るようちょっとだけ長めの一般道。橋立鍾乳洞からのコースだ。
自粛期間中、一度も山の情報を見なかった。登録してある山関連サイトからのメールは開かずに削除した。地図も広げない。雑誌も見ない。本も開かない。気持ちが萎えた。全く山に向き合えなかった。
鍾乳洞先の駐車場を目指す。途中の駐車場はどこも閉鎖。ダム湖を眺める駐車場も閉鎖。あちこちの林道入口も閉鎖。橋立鍾乳洞の先には『工事中通行止、歩いても入れません』の立看板。えー。仕方ない、鍾乳洞からは武甲山と反対側になるが生川からの表参道を行く事にした。セメント工場を抜ける。が、あー、ここにも通行止の立看板! ただ立看板の脇は車が通れるくらいは開いてはいる。後ろから来る車2台が入って行く。徒歩の人もドンドン吸い込まれて行く。礼儀正しく正直な(?)私達はここでUターン。さてさてどこに行こうか。一瞬『中止』の文字が頭をよぎる。地図を眺める。H竜さんが武士平なる所からタワ尾根を経て小持山に突き上げる高ワラビ尾根を発見。
橋立鍾乳洞まで戻り分岐を通り越す。果たして今日は登れるのか。意気消沈としたまま登山口を目指す。途中に『通行止め』の立看板はない。でも登山口などというような感じでもない。壊れた鳥居があった。『タカワラビオネ→』の小さい指導標あり。あ、合ってる。
さあ、再開の開山式だ。Let’s go!でもいざとなると心配になってくる。気力・体力・筋力あるかなぁ。行けるかなぁ。隣に恐~いオニがいるし…。「ファー」
微かな踏み跡のみ。指導標はあるが不明瞭。スマホの山岳地図には点線の記載もない。あー結局バリか。今日は一般道のはずなのに。心の準備ないよー。あちこちの立看が恨めしいよー。尾根筋を拾って行くしかない。樹林帯。眺めなし。急登。しかも巻いてない。直登だぁ。崩壊地を回避するズブズブのトラバース。こんなに急なのぉ?
(道なしルート)
しかもザレてる。自粛後登れるだけいいとは思いつつもため息が出る。地図をみると等高線の間隔が狭い。『通行止』にしないはずだわ。こんな所誰も来ないよ。実際誰にも会わない。地図読みをしながら山頂を目指す。出るのは汗とため息のみ。またまた「ファー!」
(高ワラビ尾根合流点)
尾根が近くなり、ふと周りを見回す。広葉樹が出てきた。あれ⁈ 新緑どころかもう濃い緑だ。今年、ツリーホール見なかった。足元に咲くイワウチワもスミレも見なかった。様々な色の点描画のような淡い新芽も見なかった。新緑を透かして通ってくる柔らかなお日様も見なかった。いつの間に…。山行再開後の木々は新緑ならず既に深緑だった。ツツジが咲いていた。既にツツジの季節なのね。また「ファー」
(登山道の貴重なツツジ)
狭い小持山山頂には2パーティ。その後また2パーティ。皆、武甲山かららしい。ソロの人から話しかけられた。橋立鍾乳洞から来たと言う。「え? 歩行者も通行止ってありましたけど」「入れましたよ」「…」。その人、地図を広げ私達が入った登山ルートを聞いてきた。そのあまりの接近のされ方にH竜さん、思わずといった様子で体を引いていた。ソーシャルディスタンスは?
風が出てきて気温が下がってきた。午後は雷の予報が出ている。登山開始時間が遅かったため、武甲山は中止しピストンで下山。背後に声が聞こえるが武甲山への尾根に行ってしまった。
遠く近く雷鳴が聞こえる。樹林帯なので空はあまり気にならないが、見上げると黒雲も出ている。
高ワラビ尾根を経てタワ尾根分岐へ。せっかく登ったのにまたあのザレ急坂を下りるのね。
(ここからタワ尾根を急降下)
またまた誰にも会わない。やはり物好き用のルートらしい。でも、三密無し。静寂。足慣らしにはちょうどいい。ただし、明日は筋肉痛かな。あ、明後日かも。
出掛ける前にいくつかのサイトで林道や登山口の状況を調べた。通行止の表示は無かった。武甲山表参道登山口駐車場は5/26から開放となっていたのに。現地に来ないと分からない。でも、コロナを持ち込まないで、広めないでという地元の方々の気持ちも解る。複雑だなぁ。コロナめ!
山行日 5月30日
メンバー リーダーH竜 TN
コースタイム(休憩含む)
武士平発8:45−ウタゴウノタワ9:00-(タワ尾根)-オハナドッケ10:15-(高ワラビ尾根)−11:20小持山11:40-オハナドッケ12:40-ウタゴウノタワ13:20-武士平着13:45
記:TN