八ヶ岳 阿弥陀南陵~中央稜 麗しのバリエーションルート

2020年9月21日

9月の4連休は、皆様そうだったかと思いますが、天気に恵まれず、頭を悩ます日々。この日も、「八ヶ岳方面がまだ天気がマシだろう」ということで、阿弥陀南陵を登り、中央稜を下るルートに行くことになりました。

私自身は、八ヶ岳のバリエーションは初めて。阿弥陀南陵は、バリエーション入門として有名ですが、果たしてどんなものかと緊張しつつの参加です。

早朝5時頃に埼玉を出発し、中央道も混雑なく進んだにも関わらず、舟山十字路の駐車場はほぼ満車。皆、雨を避けようと八ヶ岳に来たのでしょうか。なんとか一台停められるスペースを見つけ、登山の準備に入ります。

林道のゲートを抜け、御小屋尾根の入口を通りすぎ、林道をひたすら進みます。阿弥陀岳(南陵)の標識が出てきたら向かって右手に入ります。ちなみに、この標識の手前にも、右手に入る明瞭で大きな道がありますが、こちらは沢で行き止まり。ご注意を。

阿弥陀岳南陵の標識

沢を渡り、取り付きはかなりの急斜面で、恐らく多数の人が思い思いの場所を歩いた結果、複数の踏み跡があちらこちらに続いているため、登りやすそうな場所を選んで尾根まで詰めます。

尾根に上がると、途端にハッキリしたきれいな道になっていて、今までの登りとの落差に驚かされます。作業のために頻繁に歩かれているためか、一般登山道よりもずっと歩きやすく、所々に立てられた財産区境界標識がまるで登山者を導く道しるべのようです。

標高を上げていくと、辺り一面が苔の森となり、幻想的な雰囲気を帯びています。苔と言えば北八ヶ岳ですが、それともまたひと味違い、苔なのに生き生きと、伸び伸びと育っている…そんな生命の勢いを感じさせられる場所となっています。

苔の森を進むと、立場岳に到着。山頂に小さな標識があるのみで、眺望はほとんどないものの、苔の森の美しさに癒されます。

続いて現れた“青ナギ”は、斜面が青く輝いているように見え、他では見ることのできない景色となっています。

青ナギ

この阿弥陀南陵、右手に編笠山、権現岳、大天狗・小天狗が望める絶景ルート。また、立場川は姿こそ見えないものの、沢音が尾根まで上がって来るため、その存在が大きく感じられます。数々の鳥が思い思いにさえずり、その歌声にも心が踊り、八ヶ岳の一般登山道の賑やかさとは、まるで別世界です。

2564m無名峰で、立場川の事故で亡くなられたN岡さんにお花を手向け、ご冥福をお祈りします。山に危険は付き物ですが、それでも、事故を起こさないために、過去から学び、その教訓を生かしていかなければならないと決意を新たにしました。

ここで、阿弥陀南陵の核心部に入る前に、ヘルメット、念のためチェストハーネスを装着。チェストハーネスもたまに作り方を復習しないと、結び方を忘れてしまいます。アセアセしながらも、キチンと結ぶことができ、ホッとしながら岩稜帯を目指します。

ハイマツに邪魔されながら進んで行くと、前方に現れた岩場の圧倒的な存在感に心揺さぶられます。岩場は直登せずに巻きます。P3では、トラバースする場所で、足元が不安定な箇所があります。また、ザレた急登があるので、注意が必要です。

P3に登る

岩稜帯は、想像していたよりもあっけなく終わってしまい、気がつくと、そこはもう阿弥陀岳の山頂。そう思えるのは、普段、会でクライミングを教えていただいているからだろうなと思います。やってて良かった、クライミング!

山頂に着いてすぐ、雲が湧いてきましたが、合間に、登ってきた南陵の全景、赤岳、地蔵尾根の姿を堪能します。

下りも中央稜のバリエーションを行きますが、御小屋尾根から中央稜への入り口が分からずウロウロ。GKさんが示す入り口は、どう見ても崖っぷちにしか見えません。恐る恐る近づくと、崖と思ったその先に、確かに道が付いています。しかし、また次回、自分で見つけられるか、自信が全くありません…。

中央稜は、しばらくザレた急坂が続き、下るのに苦労しますが、徐々に穏やかな道へと変化します。樹林帯に入ってからも明るい雰囲気で、「ハイキングに来たらとても楽しいだろうな」と思わせる道になり、南陵とはまた違う趣きがあります。

それでも、バリエーションルートのため、下りで道を見分けることが難しく、GPSで位置と方角の確認をします。明瞭な踏み跡があっても、自分達の目的地とは違う方向に向かっている場合もあり、要所要所で確認が必要だと学びました。

沢まで下り着いてから、最後まで尾根筋を歩き通そうと沢の北岸を進むものの、雑草が繁茂する下に岩がゴロゴロ隠れていて歩きづらいため、沢の南岸の作業道に逃げます。堰堤を過ぎ、適当な場所で沢を渡って北岸に戻ると、林道に乗り上げ、朝来た阿弥陀岳南陵の標識へとたどり着きます。

ここからは、朝歩いた林道を駐車場までひたすら下るだけなのですが、南陵と中央稜が素晴らしかった分、林道歩きは単調で、道のりが長く長く感じられます。それだけ阿弥陀南陵も中央稜も魅力溢れるルートで、是非ともまた訪れようと固く心に誓うのでした。

期日:9月21日(月・祝)

メンバー:GK(L)、MS、T川、 他1名

行程:舟山十字路駐車場7時50分→阿弥陀岳

南陵標識8時30分→立場岳10時30分→2564m無名峰11時30分→阿弥陀岳13時→舟山十字路駐車場17時

記:T川