2020年11月4日
第一例会報告
メインテーマ『事故報告と事故発生時の対応』
出席者 会場 13 名、zoom9 名
今年のテーマは「安全登山」です。今年度は「全員が会運営に関わろう」という会の方針から、教育部員は5人体制で行います。I瀬さん・C葉さん・K杉さん・Y崎さん・TNの5人です。来年6 月までですが、よろしくお願いします。
また、今年度は開始時間を 15 分早くし 19:15 開始とします。19:15〜19:30 当該月の会山行の説明、19:30〜はメインテーマの学習をします。
11月4日に、今年度最初の学習会が開催されました。11月の会山行の説明とメインテーマ『事故報告と事故発生時の対応』です。以下、報告です。
・今月の会山行 北八ヶ岳(講師11月の会山行のリーダーGKさん)
◎日程 11月7日 茂来山(天気により変更あり)駒出池でテン泊。
11月8日 ニュウか天狗岳
◎目的 テントに泊まってみよう
◎参加者 7名会員外2名
◎班or個人でテント設営、食事作り
・今月のテーマ『事故報告と事故発生時の対応』(講師:Y城さん・K池さん・H川さん)
9/21 マルチクライミング終了後一般道を下山中転倒し、自立下山が出来ずにヘリで搬送されるという事故が発生しました。この事故を例にし、事故発生からヘリ要請と搬送、同行者の対応等の経過報告と、事故一報を受けた側の対応を話し合いました。
☞事故発生(負傷者:Y城さん)
9/21 14:10 頃乾徳山にてマルチを終了し一般道下山開始。樹林帯で腐った木の根を踏んだところ穴にはまり、足が固定されたまま転倒した。ボキッと音がしたので骨折したと思った。 落ちている枝を探して靴の上から足首と下腿部を副木固定した。ストックを使い、みはらしのいい月見岩まで歩いてきた。
16:00緩衝材を入れずに固定したので擦れて痛いので足首の固定はそのままにし、下腿部を固定しなおした。一度外すと傷みがひどくなり、自力での下山は無理と判断しヘリを要請した。
☞同行者の対応(同行者:K池さん、他1)
Y城さんがうずくまっていた。ボキッと音がしたと言う。落ちている枝を拾い、テーピングテープで固定した。ヘリを要請するが、ヘリから見えるよう見晴らしの良い月見岩まで行くことになり、Y城さんがチェストハーネスをし、後ろから引っ張りながら下山した。
通報
K池さんの携帯で通報し、Y城さんが説明した。
ヘリが来たのでヘッデンを振った。見えていると思っていたのに下りて来なかった。携帯を切らずに救助隊とやり取りし、緯度経度を伝えたところ、ヘリは寄ってきた。
ヘリが去った後、H川さんに電話をした。
下山後
駐車場に下山したところ、警察官が来ていて、細かい事を聞かれ、パトカーに先導されながら、警察署に行った。警察署ではそれ以上の細かいことは聞かれず、搬送先の病院に行きY城さんをピックアップして帰宅した。
☞反省
Y城さん
・ローカット靴を履いていた。ハイカットなら骨折まではしなかったかもしれない。
・アプリを使って緯度経度を正確に伝えるのがいい。
・ヘリの下降気流は想像以上に強い。帽子など飛ばされないよう注意。
・搬送先では衣服を切られる事が多いので、自分で出来るなら自分でやった方がいい。
・搬送先で上手に固定出来ているとほめられたが、一度固定を外すと傷みが増してくる。
K池さん
・バッテリーの電池が切れそうだった。予備のバッテリーを持って行くべきだった。
・テーピングテープ、傷口を洗うきれいな水は必携。
・事故が起きた時、事故者の荷物を持って行くのでザックは大きめの物がいい。
☞質問
・ココヘリは使わなかった?→ココヘリは探すだけなので、使わなかった
・ストックで歩いた?→足がつけたので松葉杖は作らなかった。
・冷やす物を携行した方が良い?→歩きながら冷やすのは無理。それより、固定や消毒の方が先。
・ヘリを呼ぶならなるべく早く呼ぶ。怪我の状態・時間・天候悪化等に関係してくる。
・スマホなら正確な位置情報を警察に伝えるというが?→ピンポイントではなかった。GPSで正確な位置を伝えないと伝わらない。
・銀マットなどでの合図が必要。
・ヘリ要請は「110」?→怪我をしているので「119」だが、「110」でも大丈夫。
・月見岩まで歩いたのは無理だったのではないか?→アドレナリン出まくり(?)緊張が解けるまで痛みはそれ程感じなかった。
☞事故発生の連絡を受けた時(H川さん)
・ 家族に連絡したがつながらなかった(固定電話機が故障していた)。
・O野さんがY城さん本人に連絡したところつながり、状況を把握出来た。
☞会からの要望
・事故発生時の対応方法の資料が「会員名簿」に載っているのでもう一度目を通して欲しい。(会HPに貼り付けます)
・県境の場合注意。市外局番+「110」。自分の位置情報を伝える。
・緊急時家族に連絡するので、正副会長と計画書記載のH田さんの携帯番号を家族の携帯に登録しておいて欲しい。
☞提案その他の意見
・事故発生時の対応メモマニュアル用紙を持ち歩くか、計画書に記入したらどうか。
・写真を撮ると位置情報が共有されるので有効。
・あちこちに連絡しない。救助されるまでは警察と通報者のみで連絡を取る。あちこちに連絡すると情報が錯綜し、警察に正確な情報が伝わらない。
・骨折が疑われる場合は、早くヘリを呼ぶ。後遺症など後の治り方に影響が出る。
・コロナ自粛などの影響で体がついていっていない状況と思われる。今までよりグレードを下げるべきではないか。
☆学習会の報告書は、会のHP「カテゴリー 学習会」に上記事故発生時の対応方法の資料と共に貼り付けます。
記録 TN