木戸壁カンテ 初のマルチピッチ

2021年3月27日

「木戸壁カンテでマルチピッチの練習」というY城さん発マウンテンメールを見て、心踊らせると同時に、そこに付記された「外岩5.8をリードで登れること」という条件にどんより。外岩を恐がっている私に、マルチピッチなどまだまだ早いか…とウジウジ悩んでいたところ、Y城さんから「今度の定例外岩で、どれだけ登れるかS田さんにチェックしてもらえば?」とのご提案。当たって砕けろ、古賀志で5.8リードでトライ。皆さんの温かな声援にあと押しされて、無事に条件クリア!

こうして木戸壁カンテのメンバーに滑り込み、ジムと日和田でロープワークの練習に参加し、いざ本番。なかなかの突貫工事ぶりに不安を感じたものの、木戸壁カンテに行ったことのある方々から「楽しいよ!」「易しいから大丈夫!」と励ましてもらい、また、一番に気持ちが掻き立てられたのが、木戸壁カンテがH竜さんが仲間と開拓したルートだということ。初心者がロープワークに専念できるように、多めにピンが打ってあるルートと聞けば、偉大な先輩方の胸を借りる気持ちで臨むことができました。

実際に行ってみると、下から眺めてもピンがあちらこちらに見えていて、臆病な私には大変ありがたい。壁自体も、岩がポコポコ飛び出ていて、一見、つかんだり乗ったりしたらポロッと取れてしまいそうだけれど、試してみると意外としっかりしているので、これも私にはありがたい。

1、3、5ピッチ目は易しいとのことで、リードで登らせてもらう。ぐんぐん高度が増し、視界が開けて景色が変わっていくのがたまらなく気持ちが良い。静寂の中、一人岩肌に張り付いて妙義の山並みを眺めると、普段の登山とはまた違う山の気高い雰囲気にしばし思いにふけってしまいます。

が、しかし、S田さんがフォローで登っている最中にも、ぽや~んとしてしまい、S田さんに「ロープ引いて!」と注意される始末。いくら山の美しさに心奪われていたとはいえ、これはいけない。気を引き締めてロープワークに意識を集中。支点構築もビレイもただただ必死にこなすだけだけれど、やりながら「いつもここでもたつくけれど、どうしたらスムーズにできるようになるだろう?」「ここをこうすれば、もっと作業しやすくなるかな?」など、あれこれ頭に浮かび、ロープワークももっともっと練習したいと欲が出ます。

下りの懸垂下降も、最後は木の枝に突っ込んだものの、無事に降り切りほっと胸を撫で下ろします。

 今回の木戸壁カンテのメンバーを初め、たくさんの方々に応援してもらって達成した初のマルチピッチは、なんだか夢のような一日で、その魅力にまんまと捕らえられてしまったようです。とは言え、皆から「マルチをやりたいなら、もっと登攀力を付けないとね!」としっかり釘を刺され、あらららら…。でも、確かにそれはごもっとも!

山に微笑んでもらえるように、その山に見合った技量をしっかり身に着けていきたいと思いました。