2024年4月 第一例会(学習会)報告
2024.04.02 19:30~21:00
シーノ・ZOOM 併用開催 参加者 シーノ 8名 ZOOM 9名
テーマ 『ココヘリについて』
講師 AUTHENTIC JAPAN株式会社 T柳様
大宮労山では、遭難対策としてココヘリの加入を推奨しています。しかし、ココヘリとはどんなものか漠然としか分かっていない方が多いと考えます。そこで、ココヘリ運営会社のAUTHENTIC JAPANの方をお呼びし、説明していただきました。
(遭難対策ツールとしてのココヘリの勉強会です。入会の勧誘ではありません。)
<口頭説明>ココヘリの特徴
■現在、日本ではソーシャルネットワークが広まり、ほとんどの地域で電波が通じるようになってきた。電波の人口カバー率は99%である。しかし、面積カバー率になると60%に落ちる。山岳地帯は残りの40%に入ってしまうので、携帯電話では繋がらない場所が多くなる。
地図アプリでは、自分で自分の位置は分かるが、それを他人に知らせることは出来ない。樹林帯など電波が通じないエリアや、遭難し意識がない時などは通信手段がなくなる。その時、発信機(子機)を持っていれば発見率が高くなる。地図アプリとコンパス・ココヘリ両方の計画書を併用するとよい。
■低山の事故が多い。
高山は重大事故が多いが、岩場では電波を遮断する物が少ないので発見は比較的可能。
低山は樹林帯が多いので、目視は無理。視界も効かずヘリからの発見も難しい。樹木は水分が多いので、電波を遮断してしまう。
また、気軽に出かけることが多いので、準備も足りず、遭難時の備えが希薄なことが多い。
■ココヘリはプラチナバンドは使用せず、電波干渉に強い周波数を発信している。ネットワーク環境に依存しない。
■発信機はフルで充電すれば2ヶ月持続する。
専用の受信機で捜索するので、方角と距離がわかり捜索時間が短縮される。
■計画書はココヘリとコンパスに届け出ていると捜索が一番早い。
ココヘリ計画書は、ココヘリマイページから届け出可能。
遭難時の通報は、本人または同行者・家族等第二者からも受け付ける。
■ココヘリでの探索
救助要請。(子機で、自分の位置を基地局に飛ばしている)
→GPS機能を使い、場所を特定する。
→専用の受信機で最長16㎞から受信し、民間ヘリ・ドローン・地上から捜索し場所を特定する。一次救助活動は行えないので公的機関と連携する。
■事故後、公的機関の遭難打ち切りは捜索開始後約1週間だが、それ以降も捜索する(550万円まで)。
◦タイムリミット
生きて帰る‥72時間
公的機関の捜索打ち切り‥1週間
◦行方不明になると「失踪者」となり死亡認定まで7年かかる。
→捜索費がかさむ。勤務先解雇。退職金不払い。生命保険が受け取れない。住宅ローンを支払い続ける。
■24時間365日体制で対応し、捜索状況等家族に報告してくれる。
<質疑応答>
◎沢登りの時など、水に濡れても大丈夫か?
生活防水ではある。IPX6相当だが、水中に入る場合はジップロックなどに入れたほうが良い。滝に打たれる場合は不明だが水圧は避けて欲しい。しかし、直ぐに壊れるということ
はない。使用後、ジップロックから出して乾かして欲しい。
◎ココヘリ加入者が遭難した場合、家族あるいは第三者はどこに連絡したらよいか?
◦警察とココヘリコールセンター:03-5418-7227へ連絡してほしい。(この番号は緊急時のみ)
◦ココヘリはコンパスとも提携し登山計画書を確認できる。
ココヘリ会員ページの登山計画を提出しておくと捜索がさらに早い。(ココヘリ→マイページ→ログイン)
◦ひとりの遭難者に対して約20人のココヘリスタッフが捜索に関わる。
◎スマホやビーコンを持ち歩いた時の電波の干渉は?
周波数が違うので、気にしなくていい。但し、重ねては持たないで。
◎どこに付けるのがよいか?
◦出来るだけ高い位置がいい。遭難したら子機を上げるくらいの気持ちで持っていて欲しい。
◦転倒し、子機に体やリュックが被さると電波が弱まるので、肩口のあたりがいい。天蓋でもいい。
◎何度も充電をして、バッテリーの寿命が縮まることはないか?
◦3~4年は大丈夫と思われる。電池残量が少なくなると、子機の点滅が黄色→オレンジ→赤になるが、オレンジになるのが早くなったら連絡して欲しい。新しい物と交換する。
◦使っていて不具合があったら連絡して欲しい。
◎海外展開は?
要望は多い。電波法などの法律の問題があるので、直ぐには難しい。
◎捜索範囲は?
沖縄・島しょ部を除き日本全土。
◎全国連盟との関わりは?
ココヘリを知ってもらいたいので、協力している。
※他にも質問が多数ありました。
時間が足りないほど大盛況でした。
子機を着ける場所
(会場の写真を撮るのを忘れました。すみません。(T中))
出典 ココヘリ資料
報告 I田