◆庚申山

 
2016年6月22日~23日

梅雨の時期、庚申山に咲く『コウシンソウ(庚申草)』を求めての山行を計画した。長い林道を歩き庚申山荘に辿り着くと山荘の周りにはクリンソウ(九輪草)が咲いている。霧雨状態で誰も近寄らず、カメラを向けることなく山荘に入る。早い時間の上に貸切りなので明日に備えゆっくり時間を過ごす。水は小屋内に引かれているがバイオトイレは外にある。夜中には大きな雨音も聞こえるので、トイレは躊躇する。朝のラジオの天気予報では昼頃から雨も止むようなので庚申草を探しに出掛ける。Kkさんの話ではウチョウラン等蘭の花も観られるとのことなので岩を中心に探しながら登る。後ろからImさんだったか「白い花が咲いている」と聞こえるので引き返すと草地に葉緑素を持たない白い花が咲いている。ギンリョウソウ(銀竜草)!!と思ったが、Kkさんが蘭ではないか!と言うのでよく観ると蘭の花に特徴的な下唇がある。が、名前は分からない。帰りに庚申山荘で雨宿りしている方から「ショウキランはあったか?」と聞かれ、会話を続けるとどうもそのショウキラン(鍾馗蘭)らしい。登山道は岩混じりで鉄梯子もある。その鉄梯子には黄緑色の花を着けた蔓が絡み付いている。ハンショウヅル(半鍾蔓)のようだ。やっとユキワリソウ(雪割草)の咲く場所に辿り着くが、花は終盤のようである。コウシンソウは咲いているだろうか、かじか荘の話では「花は終盤」と言っていたので凄く心配である。以前コウシンソウを見たと思われる山頂直下の岩があり、近づくと一株咲いている。ホッとして辺りを探すが他の株は皆もう花は付けていない。その上の岩には5、6輪咲いている。花は菫に似ているが菫の仲間でなくタヌキモの仲間とある。仲間のムシトリスミレ(虫取菫)より小さいとKkさんは言うがムシトリスミレは見たことはない。山頂を目指すが、なかなか山頂には辿り着かない。直下どころではない、はなはだしい記憶違いだった。もうすぐ山頂かな!と思ったときImさんが「シャクナゲ(石楠花)が咲いている」と言う。帰り際に観るとまだ蕾も付けて花盛りである。今年始めてのシャクナゲである。雨は止まないがお山巡りは「関東ふれあいの道」と道標に書かれていたこともあり行ってみる。思惑通り鉄梯子、橋など整備され油断さえしなければ問題ない。眼鏡岩、オーバーハングした岩など色々あり圧倒され飽きない。さらに岩には白い蘭の花も咲いている。後日、Kmさんから「オノエランでは?」とメールをもらった。ネットで調べるとこの蘭に特徴的なW(M)の文字が下唇の奥にあり、撮った写真でも見えた。尾根の上に咲くから尾上蘭と書くともあった。お山巡りのあちこちの岩にへばりついて咲くユキワリソウは皆元気である。花びらも葉も水など跳ね返している。シンクロナイズドスイミングの選手のようだ。岩の道を過ぎると愛子様の御印のゴヨウツツジ(五葉躑躅・別名シロヤシオ白八潮)の大木がたくさんあり、シロヤシオとコウシンソウが同時に観られることもあるらしい。(記 TK)

【メンバー】石D、K原塚、TK

【参考】4月頃に雪融けと同時に咲くミスミソウ、スハマソウなどの花を園芸的な意味合いで雪割草といっている。庚申山に咲くユキワリソウはハクサンコザクラ(白山小桜)などの桜草の仲間で正式和名のユキワリソウはこの花を指す。

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