2021年9月6日 19:20〜21:30
ZOOMのみ開催:21名参加
学習会テーマ「セルフレスキュー」
講師:Y城さん
①山での事故や怪我に対する応急処置
登山教室などを行うクリアドベンチャースの無料公開動画を見ながら、Y城さんが補足説明をしてくださいました。主な内容は以下の通り。
・止血方法
基本は圧迫止血。止血時はゴム手袋をする。心臓より高いところにあげて20〜30分圧迫する。傷口が深い場合はガーゼなどを押し込んで圧迫止血する。
四肢断裂や挫滅創等の止血が困難な怪我の場合のみ、止血帯による止血をする。止血帯による止血は長い時間血流が止まることにより、しびれ等の後遺症が残る可能性がある。
・包帯の巻き方
ほどけないために、巻き始めに環行帯をつくる。膝には亀甲帯。きつく巻きすぎると血流が悪くなる。
・テーピング
捻挫や骨折の場合、テーピングで固定する。
・熱中症
中度以上になると回復不能。軽度のうちに、水分を多く取り、風通しのよい場所などで休むことが大切。
・低体温症
軽度・・・ブルブル震えたり唇が紫色になる。糖分をとり、体を動かすことで回復可能
中度・・・震えは止まり、意識が朦朧とする。中度以上になると回復不能。下手に体を動かすと心停止する可能性もある。なので軽度より悪化させないことが大切。
・保温
熱損失の要因に伝達熱・気化熱・対流熱・放射熱がある。マットで地面と断熱し、体から放射される熱をシュラフなどで覆う。ツェルトなどで空気の層をつくる。衣類が濡れている場合は着替え、着替えがない場合はビニールなどで肌付近を覆い気化を防ぐ。
・加温方法
心臓等を温める。手足等の末端を温めると心臓に冷たい血液が逆流して危険。
・凍傷
2時間以内に解凍すると予後がよいが、解凍後は再凍結させてはならない。解凍後は皮膚が柔らかくなっているので保護する。40℃程度のお湯に30分以上つけて解凍する。
・その他
靴ずれにはキズパワーパッド(大)、蛇咬傷に最近ではポイズンリムーバーは使用しない、虫さされにはストロングのステロイド軟膏(ムヒアルファex)、破傷風は土から感染するが予防接種でほぼ防げる等
・Y城さんのファーストエイドキットの紹介
日帰りでも必ず携行している。全部で1.7キロ程。クリアドベンチャースで紹介していたもののほか、薄い銀マット、膨らむマット、ガスコンロセット(コッヘル含む)、火打ち石、成人男性1日分程度のカロリーの非常食、ポイズンリムーバー(虫さされには効果があるような気がするので)等々。
(A部さん)常に銀マットを緩衝材としてザックに入れている。
②緊急時の基本的な対処方法
・原則として、個人的な判断、行動はせず、組織的に対応する。
・山行中に緊急事態が発生した場合は、計画書に記載の緊急連絡先に通報する。
・通報を受けた場合、会として当面の対策本部を設置する。
・状況が好転しない場合、正規の対策本部を設置する。
・山行管理は下山管理が中心となっている。それぞれの力量の検討も含めて計画してもらえればと思う。
(O野さん)県連の救助隊もあるが、まずは公的な要請をし、県連の救助隊に依頼するのは警察が打ち切った後など。
(Y田さん)先日、単独で沢にいき下山が遅れた。車がパンクしたり駐車場が分からなかったりで下山報告が遅れた。沢も想定以上に時間がかかり、下りても電波がなかなか入らず連絡できなかった。○時までに○○まで到達できなかったらエスケープすると決めておいたほうがよいと思った。
(Y城さん)なるべく沢には単独で入らないでほしい。
報告 T葉