八ヶ岳大同心雲稜ルート 花と岩稜3

2022年6月3~4日

梅雨入り間近で天候不安定。天気が持ちそうな八ヶ岳を急遽計画した。3日夕方赤岳鉱泉にテントを張り、まだ明るいうちに就寝。4日一番乗り目指して早めに出発し6時には取付きに到着できた。取付きはハンガーとリングに青い残置スリングがかかっている。風は弱めだがかなりな冷え込み。上着を着て6:30登攀開始。

(取付き)

1P 25m5.9 M谷リード キャメロット小×1使用

赤い残置スリングがかかっているハンガーボルトを目指す。そこから少し被り。丸っこいホールドがしっかり握れて、被り終わりころにもハンガーボルトがあるので安心して乗越せる。乗越してからは草付きやむき出しの岩もあって不安定そうだ。左上に残置スリングを発見し、そちらを目指す。

上がったら右に終了点が2カ所見えた。上部の方が新しいのでそこでピッチを切る。

登っていても寒くて震えがくるのでダウンも着用。

(1P目フォロー) 

2P 25m 5.9 Y城さんリード キャメロット小×1

スタートすぐ上の凹角なスラブが以外と悪い。ここにも古い終了点と残置スリングがあるので、寒さを言い訳にA0してしまいました💦そのあとはあまり覚えていないので多分問題なかったのでしょう(ま、フォローですからね)(^^)

(2P右上にY城さんリード中)

(2P目終了点.新しめハンガーボルト2個)

3P 25m 5.5 M谷リード キャメロット小×1~2

上の写真の左側からスタート。草付きで浮き石が頻出、明らかに岩がすっぽり抜けた痕なんかもあって岩が不安定だとわかる。全てのホールドを確認しながら登るのでやたら時間かかってしまった。なるべく押さえるように乗り込んでいく。途中氷柱もあった。やっぱり冷え込でるんですねー。下の写真のピナクル付近に終了点あり。

(3P目リード中)

4P 50m 5.7 Y城さんリード カム未使用

終了点から左上の凹角を数m上がった後に右トラバースが続くルート。トラバース出だし直後に終了点もあって、3Pをそこまで伸ばすか、あるいはそこで刻んで1P追加してもいいのかもしれない。なにせ、4P目はほんとにロープがギリギリだった上にコールの声が全く聞こえない。途中出っ張り岩をのけ反るようにかわす箇所があるけれど、手足が安定してるので、問題なしだ。トラバースあたりから岩も安定してくるし、だんだん陽も当たってきてホッとする。大同心ルンゼ側のカンテに終了点があり、横岳やルンゼの様子も見える広めの安定したテラスになっている。

5P 25m 5.9 M谷リード カム未使用

先行・後続パーティーいないので、5P出だしのテラスに荷物をデポして空身で登る。核心ピッチと聞いていたが、岩が安定している上、いいホールドがちゃんとあって快適に登れる。一カ所やや被りを乗越すところでホールドが探しづらいが、一足上げるといいホールドに届く。ハンガーとハーケンが連打してあるので安心、というより弾切れが心配なくらいだった。

無事最終ピッチを終えて、大同心の頭まで歩きで登ってみる。青空の下、八ヶ岳はもちろん、南・北・中央のアルプスが見渡せる。横岳山頂の人達と手を振り合う(^o^)

(大同心頭からのパノラマ写真)

頭から横岳まではトレースがあり、歩いて行けるようだ。私たちは最終ピッチ終了点から4P目のテラスまで懸垂で降りた。50m1本折返しで十分届く。雲稜ルートのビレイ支点からルンゼ側に懸垂用の支点が設けられている。そこからは大同心稜の踏み跡まで50mギリギリで届く。落石が起きないようにロープ繰り出しで懸垂した。

(大同心頭から懸垂、左下が4P終了点)

赤岳鉱泉まで下山しテントを畳むとちょうどお昼。鉱泉でカレ―とラーメンを頂くと、

(ハクサンイチゲ)

お腹も心も満ち足りて初夏の爽やかな陽射しの中を下山した。

今回のルートは5Pと短いルートだが、色んな要素が詰まっていてとても楽しめた。ルート途中岩間に咲いてたハクサンイチゲもその一つだ。登攀グレードよりも浮き石や剥がれそうな岩なんかをかわす方がよっぽど難易度が高いなあと実感した。そこがアルパインなんですねー。

今回同行いいただいたY城さん、ありがとうございました。

■日程:2022/06/03-04

■メンバー:L/Y城、M谷

■ルート:6/3美野戸登山口15:00-赤岳鉱泉16:45(テント泊)

6/4 BC4:20-大同心取付6:00/登攀開始6:30-5P終了9:30/懸垂開始10:30-赤岳鉱泉12:00/13:10-美野戸登山口14:30

記:M谷

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