山行実施日;2010.7,17-19
参加メンバー;Hi.O、Ma.S、To.F、To.S、Hi.O、hama
白山は富士山、立山とともに日本三名山といわれる。Hi.Oさんより白山を知り尽くした元大宮労山会員のYさんが同行する白山山行のお誘いを受け「行きます」と即答しました。
7月18日、民宿「かわおく」からYさんの車に同乗させていただき市ノ瀬からシャトルバスにて別当出合まで行く。別当出合からは別当分岐まで岩まじりの急登が始まる。分岐からは尾根道になり数々の高山植物の花園になっている。
白山は京都に近い高山のため植物の研究が早くからなされてハクサンを冠したフウロ・コザクラ・シャクナゲ・チドリ・トリカブト・シャジン等20種類を数え、ゴゼンタチバナも白山王峰御前峰にちなむそうです。
お花畑を見ながら左手に白山釈迦岳の荒々しい山容、右手に別山を眺めつつ、延命水を飲み元気をいただき約6時間で室堂平に着きました。
ここでY御夫妻と別れ、外のベンチで夕食まで過ごす。白山の植物観察説明会に参加してクロユリがハエを媒介とするため臭い匂いがするとか、白山ではニッコウキスゲと言わずキスゲと言う(DNAがほぼ同種)など楽しい話を聞くことができました。その日は20:30に消灯。翌日3:00に起きヘッドランプを装着して3:30から御前峰へ登る。ご来光を拝み御神酒をいただき砂防新道で下山しました。
今回Y御夫妻に色々お世話になり思いで深い白山山行が出来ました。有り難うございました。(To.S記)
四つの体験
4月の始め、「7月の三連休に白山にいきましょう。」というHi・Oさんのお誘いに嬉しくすぐ飛びついてしまった。ところが、その後、6月半ばすぎから、咳と微熱が1カ月続き、薬をのんでもなかなか良くならず。白山を目の前に控え、焦るばかり。かかりつけの診療所で「なんとか、元気に白山に登れる身体にして。」と泣きつき、2時間の点滴を受けた。不安いっぱいのこの私にドクターは耳元で、「山に行けば元気になるよ。」と、背中を押してくださった。ホッと安心して出かけることができました。久しぶりの長丁場の山。ガイドブックや地図を穴があくほど、読んだ。観光新道は健脚コースとある。我々はこの観光新道から登ると聞き、またまた心配事が増えた。私は初心者だからね、健脚コースなんて無理無理。前日民宿に泊まったが、夢まで見てしまった。寝言でも騒いだようで、Hi・Oさんから、「ゆっくりいくから大丈夫よ」なぐさめられた。別当出会から、観光新道に入る。すぐに、ササユリ、キスゲが我々を迎えてくれた。ササユリをみたのは初めてで急に元気がでてきた。急登といわれる登山道も数多くの高山植物に出会い、登りの苦しさをまったく感じない楽しい道だった。名前のわからない植物に出会うと、元大宮労山のSさんが後ろから丁寧に教えてくださった。まるで植物観賞会をしているようで、とても愉快。長丁場の山だと思っていたのに、アッと言う間に室堂についてしまった。室堂の山小屋は大きな建物、そして、とてもきれい。食堂ではたくさんの人々が働き、まったく地上と変わらないにぎやかさだ。今回の山行で初体験が四つあった。まず、一つ目、室堂センターに診療所を見つけた。なぜか急に頭痛、熱っぽさを感じ、さっそく診療所を訪ねた。ドアを開けると、病院の薬局のように、ずらりと薬が並んでいた。ベットが二つ、もうすでに先客あり。入口に近いほうのベットに頭から、布団をかぶり、いびきをかいてねむっている女性。その傍らで付き添いの女性が茫然と突っ立っていた。デスクに体温計があったので、椅子に腰かけ、私は熱を計っていると、また一人、真っ青な顔をした女性が入ってきた。若いドクターに「夕ご飯は食べたのですが、頭が痛いのです。」と、訴え、すぐに、奥のベットにもぐりこんでしまった。あっけにとられているこの私に「どうしましたか。」「はい、ちょっと熱っぽいかな、でも熱はありませんでした。ちょっと頭が痛いかな、咳も。頭痛薬は持ってきたのですが、咳止めがないのです。」というと、咳止めをくださった。それで、会計をしようと、健康保険証を出すと、「ここでは、保険証は取り扱っていません」の言葉に、一瞬、血の気がひいた。しまった、ここは自由診療だったのか、こまった・・「おいくらですか」と、おそるおそる聞く。「タダです」の答えにびっくりして「それは、悪い!」と叫んでしまった。「こちらは無料ですからね」の言葉に「申し訳ありません」お詫びをして、咳止めをもらい、診療所を後にした。一つ目の初体験でした。夕日を見ようと皆、外で待つ。燃えるような真っ赤な夕日を楽しみにしていたが、まぶしい、もう目がくらむ。白内障が急に進んだように目がおかしくなってしまい、最後まで見ていられなくなった。高い山の上では夕日は赤く見えないのですね。御来光も同じ、目をやられてしまうので、私は別のところを見ていた。二つ目の初体験でした。あたりが夕闇に包まれ、さて、自分たちの寝床へ。二段ベットで我々は上の段。垂直の梯子、2mはあるでしょう、こわい。上がれない、しかし寝るところがないのだから、上がるしかない、上にあがったら、降りられない、夜中のトイレの時どうしよう、部屋ではもう皆、眠っているようです。我々だけ、小声でワイワイ、ヒソヒソ混乱。白山の登山道は怖いところがまったくなかった。一番の難所は山小屋の二段ベットの梯子だった。いざとなったら、隣にいる夫に助けをと、思ったが、もうすでに夫は深い眠りに入っていて、押しても、つついても起きなかった。ごそごそしていた我々の仲間もすぐに、スウスウ寝息が聞こえ、私一人だけ興奮して眠れなかった。夜中に三回もトイレに行ってしまった。恐怖の梯子はなんとか降りられた。三つ目の初体験。翌朝早朝、山頂に向かって出発。御来光を拝むためだ。大行列。山頂でお神酒をいただきました。杯の中にはお酒がちょっぴり入って、それでも、朝の一杯は、ききました。四つ目の初体験でした。難ずるより産むが易し。胸ドキドキの充実した山行でした。Sさん、Hi・Oさん御心配ばかりかけてすみません。お世話になりました。(hama記)
ご来光に万歳三唱
白山は2720m、今までこんな高い山は登ったことはありません。別当出会が出発点、この登山口がもうすでに1260m。室堂までの標高差が約1200m。地図では歩行時間は4時間20分と記してあるが、本当に行けるのか、妻がまた「私はもうここで、ストップ!」と、いつ言いだすか、・・ああ、この山も、途中で二人、さみしく下山していくのかな・・と、不安であった。観光新道は最初から急登でなかなかきつい上り坂であった。馬のたてがみ、黒ボコ岩に向かって登るにつれて高山植物の花畑が広がっていた。植物の名前を覚えたり、きれいな花に夢中になっているうちに室堂センターについてしまった。6時間かけての室堂到着。この施設には生ビールがあるというので、いちもくさんに生ビールの列に並ぶ。外のベンチで輪になり、明日の御前峰をめざして、乾杯。やっとの思いで、一息つけました。この室堂は750名泊まれるそうで、こんな大きな山小屋泊まりは初めて。私達6名は一号館の八号室の二階8人寝る予定でしたが、実際は6名でした。一人の割り当ての布団は幅が約60㎝の狭いものでしたが、毛布は各二枚。私は暑くて、一枚で充分だった。
翌朝3時起床、身支度をして、登頂をめざして出発。もうすでに多くの人達で登山道は人の波。整備された登山道で普通は40分程度で登れるそうですが、これ程の人達が押し掛けると、上の方から、「待った、待った!」と、ストップがかかった。山頂まで、どのくらいかかったでしょうか、山頂について、御来光の方向に身を向け、待つこと何10分。まぶしい太陽が顔を出したら、誰かが大きな声で「御来光、万歳」と叫ぶと、皆、一斉に「万歳」三唱をした。頂上は風が強く、雲海が広がり、展望はいまいち。お池めぐりをする予定でしたが、強風のため、中止。白山比め神社奥宮でお神酒をいただき、登山の安全を祈りながら、下山。山小屋に戻り、朝食。おかずがたくさんあり、豪華でした。朝食を終え、さあ、後は下るだけだと、思うと、なぜか、ホッと。白山を征服した喜びを味わいました。地元のYさん、Hi.Oさんいろいろお世話になりました。 (To.F記)
長い登りも花を眺めてほっと一息
数年前から企画し、温めていた山行に同行させてもらう事になったのは三カ月程前の4月の山行だった。以前から行きたい山だった。日程は私が休みをとれないからと7月の三連休に無理やりお願いした。当日は梅雨明けと重なり天気はバッチリ。
金沢からのタクシーは観光付き。宿泊地の白峰はお祭りで白山本地堂(神仏分離令で山を追われた仏像を安置した堂)は無料開放。おみこしのお神酒を頂いたりといい事ずくめ。白山の歴史もしっかり勉強させて頂きました。
翌朝、合流したY夫妻はやっぱり元大宮労山という感じでほっとしました。今回は白山を知り尽くしたYさんのお薦めの観光新道から砂防新道へのコースです。
市の瀬駐車場はYさんがこんなに混んでいるのは見た事がないというほどの混みようです。登山口の別当出合までのシャトルバスもラッシュ時の電車並みの混雑。それでも山に入ってしまうと皆どこへ行ってしまったのだろうという感じです。これはYさんが逆回りコースを選んでくださったおかげのようです。hamaさんが心配していた樹林の中の急登もさほどの疲れもなく尾根に出た。眼の前の尾根は白山から御舎利山・別山と続く尾根。長い尾根だがいつか別山にも登ってみたい。
さて、今回のもう一つの目的「花」。キスゲとササユリがまずお出迎え。それからクルマユリ、イブキトラノオ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイモンジソウ、これまで数回しかお目にかかったことがないキヌガサソウなどなど書ききれない。長い登りも花を眺めてはほっと一息。黒ボコ岩を過ぎ、弥陀ヶ原のお花畑から眺める御前峰はまだ遠い。木道をのんびり歩き、五葉坂を登りきるとひょっこり室堂到着。宿泊手続きをすませ、ビールで乾杯。皆それぞれ体調など心配事をかかえての山行だったが無事登れてよかった。話はつきなかったがY夫妻とはここでお別れ。本当にお世話になりました。
翌日は3時起床。身支度を整え外へ出るともう頂上へ向かうヘッドランプの列が切れ間なく続いている。大きな石を敷き詰めて暗くても安全に歩けるように整備していると自然解説員の方が言っていたが確かに足元はしっかりして歩きやすい。40~50分で頂上へ。日の出を待つ。気がつくと人の背丈ほどの岩の上に宮司さんが立ち、何か言っているが風に流されて聞き取れない。眼の前には壮大なアルプスの山々の連なり。白い雲が金色に輝き始め御来光の瞬間が。陽が昇りきるとなぜか宮司さんの音頭で万歳三唱。お宮で今日一日の無事を祈りお神酒を頂いて下る。
室堂で朝食をとり下山開始。水の豊かな砂防新道。長い長い道のりも花にいやされながら無事に下ることができました。 (Ma.S記)