山行実施日;2011.10.03-40
参加メンバー;Te.I
錫杖岳(しゃくじょうだけ)は、岐阜県にある飛騨山脈にある標高2168mの山。 槍ヶ岳と双六岳を結ぶ主稜線上の樅沢岳から南西方向に笠ヶ岳に続く稜線の延長上にある。僧侶が持つ錫杖の頭の部分が山体に似ていることから名付けられた。一般向けの登山道はないが、東側の烏帽子岩などは、ロッククライミングの対象となっている。
山岳標高二百位の山々を登り歩いている時に計画したもので、少し涼しくなったこの時期に出かける。安い高速バスを利用して平湯温泉へ、路線バスに乗り換えて笹ヶ岳への登山口がある中尾高原口で降りる。槍見温泉の傍から登山道が始まる。雑木林の中をいきなりジグザグの急登、途中から山栗を拾いながらゆっくりと登る。第一飯場、第二飯場を過ぎ、流れの少ないクリヤ谷徒渉点を渡る。杉林からブナ林に変わり暫く進むとブナ林の上に忽然と巨大な岩壁・烏帽子岩前衛フェースが姿を現す。暫く進み錫杖沢の正面にでる。笠ヶ岳への登山道から左の沢に下る道があり、出合に降り立つ。二~三張りのテントスペースがある。沢を渡りちょっとした沢登りの気分で上り始める。が、ほとんど巻き道が造られている。登山道に近い道を約30分登った辺りで錫杖の岩屋への分岐表示が有り、錫杖沢に下ると目の前に岩屋が現れる。テントを設営、宴会に突入する。
翌日も快晴、意気揚々と出発する。ガイドブックを読んでいたので岩屋から左の沢に入る。(ここで大きな間違いをした。錫杖沢をそのまま直上すればよかったのに、ガイドブックの「谷」を沢と解釈して左の沢に進んでしまった。地形図を確認すれば間違いが解ったのに・・・反省)稜線を目指してドンドン登る。途中から赤テープが無くなった。それでも沢を詰めて上る。一時間くらいで稜線に出るはずが前方に岩壁が出てくる。ルートを間違えたことが解った。が、とにかく稜線に出れば何とかなるだろう思い、笹藪のトラバースもやってやっとの思いで稜線にはい上がる。地形を眺めると、本来の下降点コルの南峰寄りピークと南峰の間のコル辺りだった。コースを右にとり目の前のピークを目指す。踏み跡もなく藪の薄い処を探しながら進む。所々に色あせた赤布がぶら下がっている。どこかの藪山好きグループのものだろう。ピークを過ぎると本峰と、その後方に笹ヶ岳が大きく望める。笹をつかみながら急斜面を下る。当然踏み跡はなし。やっとの思いで下降点コルに到着、新しい赤布としっかりした踏み跡を確認してホッとする。約一時間半の辛いアルバイトだった。一息入れて本峰へ向かう。踏み跡を忠実に辿ればよいので気持ちは楽になった。目の前の岩峰を左に回り込んで上る。さらに本峰へはガレた斜面をトラバースしてさらに左に回り込み岩混じりの急斜面を登り切ると山頂だった。岩が積み重なった狭い山頂で展望抜群。烏帽子岩を真下に望み、西側の白山から、笠ヶ岳、槍ヶ岳、穂高連峰、焼岳、乗鞍岳、千石尾根のロープウエイ、眼下に中尾の温泉街も見わたせる。
しばし展望を楽しんで下山を開始する。ガレたトラバースを慎重に通過し、踏み跡を辿って下降点コルへ戻る。笹を掻き分け掴まりながら、しっかりした枯れ沢を下る。約50分で岩屋に帰り着く。振り返って眺めながら先の反省内容を確認した。テントを撤収、温泉目指して一目散に下る。槍見温泉で露天風呂に浸かり槍ヶ岳を眺めながらしばし微睡む。平湯温泉でささやかに無事下山祝い、空いた高速バスの二次会でしっかり酔って帰る。
南与野-新宿京王BT7:00-高速バス-平湯温泉11:30、11:40-中尾高原口12:20・・・登山口12:30・・・クリヤ谷徒渉点13:10・・・錫杖沢出合14:00・・・錫杖の岩屋14:35(テント泊)6:00・・・間違った稜線コル8:00・・・下降点コル8:35・・・錫杖岳9:25・・・下降点コル10:00・・・錫杖の岩屋11:05(テント撤収)11:35・・・クリヤ谷徒渉点12:10・・・登山口12:40(槍見温泉入浴)・・・中尾高原口13:58-平湯温泉14:28、15:30-高速バス-新宿京王BT-南与野