山行実施日;2014年9月6日~7日
参加メンバー;Sa.H、To.H、Tu.T、Ke.H、Ka.S、Mi.S、G3
北の入沢7:38出発・・・二俣10:15/11:50・・・北の入沢13:35到着
二回目の沢登りも初心者向けの沢である。今回は参加者が多く、二〇代、三十代の若者もいる。元気で体力もあるメンバーについていけるのかとても不安であったが、幸いなことに前回ご一緒した頼もしいメンバー二人も参加しているので少し安心する。8月の中旬からの不順な天候が心配であったが、案の定夜埼玉を出るころには雨が降り出し、関越道に入るとどしゃ降りの雨になる。当初の計画では谷川連峰の白毛門沢だったが、雨と予想し、新潟の登川支流姥沢川北の入沢に転進する。
南魚沼道の駅の屋根の下にテントを張って仮眠する。仮眠の前には恒例の酒盛りである。普段ならもう布団の中で熟睡の時間、眠い目をこすりながらのお付き合い。メンバーの一人TさんがHさんのお誕生日祝いにと、素敵なフルーツタルトを持参している。心に憎い配慮である。雨の真夜中バースデーケーキでお祝いをする。普段物静かなSさんはお仲間Nさんのご結婚祝いにと大きな酒瓶を持ってこられ、飲みながら朗らかにおしゃべりをしている。車座になってお酒を飲みながらも、初めて一緒に山行する方々はどのような方か少し背景が分かるので大切なコミュニケーションの場になっている。皆さんの楽しそうな様子に私も良い気分になった。
翌朝起きると雨は小降りになり、そのうちに止み、うれしいことに天気は回復傾向である。
南魚沼地方の黄色に実った稲穂を見ながら、北の入沢出合に到着し川沿いから入渓する。ゴロゴロの石をしっかり踏んで歩こうとするが、なかなか思うように進まない。年の若いWさんやTさんはやはりスピードが速く足元もしっかりしている。フェルト底は乾いているスラブは滑りやすい。適切なルートを選ぼうとするが、迷うことが多く、「こっちのほうがいいよ」とHさんやTさんに教えてもらいながら進む。天気もますます良くなり、真っ青な青空になる。水の飛沫も温かく、ドボンと入っても冷たくない。途中沢の右岸をメンバーの後を追い、笹や木の枝を頼りに必死に高巻く。高巻は急斜面が多く、岩登と同じように手足の筋力が必要である。
沢を登り始めて2時間半二股に到着する。右に5メートルほどの滝と大岩、左も細い滝で高巻も難しそうである。
ここから進むのは難しいと判断して、折り返すことになる。でもまだ陽も高いし時間も早いので、それぞれ休んだり、昼寝をしたりと過ごす。ハーケンの打ち方をSさんから教わり、何人か岩に打ってみる。岩にしっかり食い込むと音が高く変化するのを初めて聞いた。
元気なTさんは右俣の滝登りを始める。垂直に近く水量が多いために息ができないとあきらめる。私も挑戦しようと思ったが、上に登ってもハーケンを打てないし、リードで登る自身もないので断念する。ハーケン打ちを練習したTさんは岩の間にハーケンを打ち込み、大岩をトラバースしてブッシュを高巻き、大岩の上に登る。支点を作り次に登る私をビレーしてくれる。大岩の上に登った私と二人で懸垂下降の準備をし、岩の下のビレーヤーにロープを投げるが下まで届かず、一本は途中のテラスで止まってしまう。仕方なく私が初めに懸垂下降を始めるが、途中のロープを拾おうと下の手を一瞬離してしまったり、下降のルートを誤ったりと危なっかしいものになってしまった。練習をしても実践で使えなければ安全確保ができない。沢登りは登山の中でも楽しいスポーツだが、危険性も大きい。楽しむためには自分の安全を自分で確保できなくてはならないことを思い知らされた体験であった。
下山はもと来た沢を下降した。小さな段差のある岩はお尻で滑り、水の流れに乗ってするっと滑る。最後は前を行くメンバーに倣って小さな淵にドボンと入りラッコ泳ぎを試みるが、リュックが邪魔をしてうまくできない。仕方ないから平泳ぎをすると、今度は顔が水につかったままになってしまう。次回はリーダーに教えてもらってように、リュックを前にして上手にラッコ泳ぎを完成させたい。
久々の快晴の中、太陽と美しい沢の水を浴びながら幸せな時を過ごすことができた。穏やかで信頼のおける楽しいパーティーとご一緒できたことにも感謝したい。 (Mi.S記)