【山行日】H 27年6月3日
【参加者】佐々KM、O知、 福DT、TK
埼玉県の花は荒川河川敷き の田島ヶ原に自生する桜草。 小海線沿いの観光パンフレッ トにも桜草の写真があった。 調べると飯盛山(平沢山)に も群生するらしい。その桜草 を求めて雨の中を登る。 飯盛山への登山道には牧畜 のためか有刺鉄線が張られて いるが、近くに牛などの動物 は見られない。里には水を張 った田んぼと見間違ったビニ ールシートが光っている。今 は高原野菜に転化し、牧場は 放棄されているのかもしれな い そ 。 んな中、山躑躅や蓮華躑 躅は滴を着 け鮮やかな 朱色に輝き、 生き生きし としている。 数株の菖蒲 も雨の中真っ盛りである。 やがて、雨は上がり、八ヶ 岳や南アルプスの山々が少し ずつ顔を覗かせ始める。富士 山も足元は隠し、雲のベール を纏ったり取ったりして現れ てくれた。その富士山の左に 見える飯盛山頂上付近は裸地 化しており、養生のため一面 にネットが敷かれて無残な姿 が引き立ってしまっている。 以前登った SMさんも驚いてい た 桜 。 草のルーツはヒマラヤ! と鷲谷いづみ著(岩波ジュニ ア新書)の『さとやま』に記 載されていた。白山小桜もサ クラソウ科であることを考え ると頷け、飯盛山(平沢山) にあることも解る。 牛や馬など家畜は下草など は食べるが、蓮華躑躅は毒が あるので食べず残る。人間自 身も肥料作りや茅葺きのため に、下草を刈ったり、野焼き をして管理していた。こうい った半自然の里地、里山を『さ とやま』と鷲谷いづみ氏は定 義している。鷲谷いづみ氏は 『生物多様性』や『さとやま』 などに関する研究をなされて おり、易しく解りやすく解説 した著書も多く、上記の本も 中学生を対象とした本である が内容はかなり濃い。桜草は 『さとやま』の環境や河川敷 きのような攪乱のある土地を 好むとある。桜草の葉や茎は 食べられてもあるいは焼かれ ても芽や根は残り枯れずに生 き残り、下草が繁る前に芽を 出し、花を咲かせ、やがて実 を結ぶ。 長野県清里飯盛山 多様性を求めて TK しかし、お目当ての桜草は 笹原の中に5、6株見つけた が群生にはほど遠かった。群 生地は他の場所だったのか? 季節外れだったのか?そう であって欲しいが・・・?半 自然の下で豊かだった『さと やま』は、手付かずとなると ススキや笹の単調な草原や、 光の射さない森林となり、生 物多様性は低下する。清里も 例外ではないのかもしれない。 中学生だろうか大集団と出 会う、急ぎ足でまさしく『ス ポーツ』である。「桜草だ!富 士山だ !!」等とよそ見などし ていない。それはそれで良い とも思うが、生徒の中にはじ っくり花を観たり、景色を楽 しみたい生徒もいるのではな いのだろうか?画一化、一様 化、一律化、単一化されてい る。皆がみんな同じ顔、金太 郎飴と同じようである。山の 楽しみ方、接し方、視点は人 それぞれ違って良いし、そう あって然るべきである。そし て互いに認めあい、尊重しあ うことが多様性というもので あり、人に優しくなるのでは ないだろうか?