バリッバリの狩倉岳

2020年12月5日

先々週両神山の赤岩尾根に行った。山行中ずっと狩倉岳が私達を見守ってくれていた。その名前だけは知っていた。登山ルートのない山。以前から行ってみたいと思っていた山だった。

地図を見て冷や汗が出る。地図上に実線も点線もない。『みんなの足跡』でも線が薄い。行きたいなんて言わなきゃ良かった。後悔が募る。

小倉橋に前泊。取り付きを間違えないよう明るくなるのを待ち地形図を確認しながら出発。H竜ルートがあるそうだが今回は尾根筋を行く別ルート。旧ニッチツ社宅の前からの急登だ。

四つん這いの急登

凍った土の上にパサパサのザレた土が覆っている。滑る滑る。凍っているので蹴り込んでも足元がおぼつかない。立木をつかんでも枯れていてバリッと折れる。土から顔を出している根をつかむとボキッ! 岩をつかんでもグラッ!ボロッ! 落葉につかまるしかないか。落葉で足元も見えない。3点確保どころかほぼ4つんばい。先に確認した地図によると1,500mくらいの鞍部までの約600mをこの状態で行くらしい。えー! これでー? ムリー! 凍っているので緩斜面で私だけチェーンアイゼンを着ける。

まずはあそこまでと頭上に見える稜線を目指す。アリャリャ! 甘かった。尾根筋ではあるが、その先も急登のみ。斬り込み隊長のH竜さん早い早い! H竜さんの姿を目指して登る。が、すぐに見失う。あー、待ってー。仕方ない。あの太い木まで行ったら右にターンしよう。目標をさだめる。枯葉の時期で良かった。夏草が茂っていたらルーファイも出来ないなどと思っていたら後ろから歌! 歌いながら伴奏もしている。これぞ本物の『口三味線』?!「いい音楽でしょ」とT羽さん。クー! 私真剣なんですけど。

山名板のない狩倉岳山頂で

どうにか狩倉岳到着。山名板はなく、地図での確認のみ。「フワー!私(登れないけど)被った11.bを2本登った気分!つっかれたー」「じゃ、あと2本登れ。ここまではまだアプローチだぞ」H竜オニ! ハイそうですよね。この先が核心部とは解ってはいるがやはり萎える!

次は目の前に鋭くそびえ立つ狩倉槍。尾根沿いにアップダウンしルンゼをよじ登ってピークへ。先程のザレ場急登を考えたらまだマシ。まだまだ先は続く。SNSでこっちが核心とあった1,683m峰が目の前にデーン! 痩せ尾根を通過する。岩が岩を被っている。微妙なバランスだ。岩を押してみる。動かない。当然か。

乗っている岩を押してみた

でも何十年か後には落ちるかもと言っていたらその先に断崖絶壁が。8m位切れ落ちている。先に下りたH竜さん「ここに足場があるぞ」と言うが、私の長い(!)脚では届かない。

足元が切れ落ちていた

痛めている右膝も折れない。右足が岩にハマって動かない。どうにかこうにか足を動かして下りられた。フー。「ここが一番の核心かもな」とH竜さん。その後は地図&T羽さんによると『幸せな尾根歩き』が待っていてくれるはず。が、然にあらず。待っていたのはまたもアップダウンだった。

傾斜が緩くなりふと目の前のピークを見ると指導標が見える。わー! 一般道に出たー!

その後、一般道を山頂手前まで行き作業道を下山する。狩倉尾根には赤テープは1つしか無かったがこの作業道にはオンパレード。「こんなにテープ付けてたらそのうち持ってきたテープが在庫切れで無くなるんじゃないか」とT羽さん。尾根筋を忠実に下りて上落合橋に到着。今日も誰にも会わなかった。

越えてきた狩倉槍を振り返る

驚いた事に、狩倉尾根上に朽ちた木で出来た林野庁の『境界見出標』が所々のピークにあった。その朽ち具合からかなり昔の物と推測される。その隣に新しい鉄で出来た物が差してあった箇所もある。昔からこんなバリ尾根にまで。もっとも剱の山頂には平安時代の遺物があったらしいが。

メンバー LH竜・T羽・T中

コースタイム

小倉橋7:00-狩倉岳9:30~9:50-狩倉槍10:30-1683m峰11:50-一般道合流点12:05-作業道分岐12:20~12:40-上落合橋14:00